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侍ジャパン対決。ロッテ・朗希投手がオリックス・山本投手との初対決で投げ勝つ。WBCでダルビッシュ投手から学んだ変化球がカギに

スタジアムに足を運んだ人たちは「花の金曜日」を大いに満喫しただろう。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパンを3大会ぶりに「世界一」に導いた先発右腕2人による初対決。ロッテの佐々木朗希投手(21)がオリックスの山本由伸投手(22)に投げ勝った。決め手はWBCでダルビッシュ有投手(36)から学んだ変化球だった。

昨年4月にオリックス相手に完全試合を達成した朗希投手。一方の山本投手は投手5冠で昨季ロッテ戦では6戦5勝0敗。WBC準決勝では朗希投手が先発、山本投手が2番手で救援した。

14日に千葉で行われた試合は豪華なマッチアップとなった。息詰まる投手戦。テンポよく試合が進んでいった。

朗希望投手は初回3者連続三振で上々の立ち上がり。山本投手も初回にヒットを許したが後続を抑えて迎え撃つ。序盤は相譲らず無失点。期待通りの展開となった。

この試合のカギを握ったのは、朗希投手の大きく曲がるスライダーだった。二回の場面、2死走者なしで6番中川選手を打席に迎えた。0-2と追い込んでの3球目。外角低めのボールゾーンへ大きく曲がるスライダーを投じて、バットに空を切らせた。

このスライダー。実は侍ジャパンでダルビッシュ投手から学んだものだった。これまでの朗希投手の曲がりの小さなスライダーに加えて、「ダルビッシュスライダー」が加わった。

打者はこの大きなスライダーの残像が深く刻まれた。ただでさえ朗希投手の160キロ強の直球とストンと落ちるフォークに悩まされているのに、「大きく曲がる」スライダーまで投げられてはお手上げだ。

昨季の完全試合でコンビを組んだ松川虎生捕手は、朗希投手のスライダーについて「WBC前とは全然違う。曲がり幅が本当に良くなった」と手放しに喜ぶ。

朗希投手はWBCで侍ジャパンの「世界一」だけでなく、「大きな」武器も手にしたのだ。ダルビッシュ師匠から学んだものは実りあった。

この日、スタジアムには風速7m前後の強風が吹き、スコアボード上にある旗はセンターからホーム方向へ激しくはためいていた。変化球の切れが増すコンディションも、朗希投手に味方した。

朗希投手は5回までパーフェクトピッチング。そして7回105球を投げて無失点でマウンドを降りた。許したヒットはわずかに1。11奪三振の好投を披露した。

山本投手も6回1失点。9奪三振でナイスピッチングだった。しかし四回に単打3本を集められ、1失点を喫したのが致命傷となってしまった。試合はロッテが2-0で競り勝った。

侍ジャパン対決を制した朗希投手。この試合の「影のキーパーソン」はダルビッシュ投手だったと言っても過言ではないだろう。

豪華対決を堪能できた「花の金曜日」。朗希投手と山本投手の再戦を楽しみにしたい。

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