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若者は苦しみを乗り越えるたびに強くなる。巨人の堀田投手が先発で642日ぶりの勝利。2019年のドラ1右腕。ひじや肩のけがを克服

若者は苦しみを乗り越えるたびに強くなる。そう思わせてくれる22歳右腕の好投だった。巨人の堀田賢慎投手が中日打線相手に6回途中まで無失点ピッチング。先発では642日ぶりの勝利を挙げた。2019年にドラフト1位で指名されたプロ5年目。右ひじや肩のけがを克服して、大きな1勝を手にした。

8日に名古屋で行われた中日戦。堀田投手が4月13日以来今季2度目の先発マウンドに上がった。背番号91の右腕は、初回に三者凡退に抑えると勢いに乗った。

五回に二死満塁のピンチを迎えても慌てない。2番打者をセカンドゴロに打ち取り危機を脱出。この日、5回3分の2を投げて、被安打6、奪三振2、与えた四球は一つのみと安定したピッチングを見せた。

今シーズン2勝目を手にした。今季の初勝利は4月28日にリリーフ登板で挙げていたが、先発での勝利となると、2022年8月5日のヤクルト戦以来、実に642日ぶりだった。

プロ入りしてからの堀田投手は苦難続きだった。ルーキーイヤーの2020年に右ひじを痛めトミー・ジョン手術を受けた。シーズン中の復帰は絶望となり、入団1年目で育成選手に降格となった。ドラ1投手にとって酷な道のりとなった。

翌年は3軍の試合で大学生相手の試合に登板することもあった。1軍に返り咲くことはできずにシーズンが終わった。

3年目の2022年に春季キャンプで好投を続け、再度支配下登録選手に。チームの開幕6戦目に、堀田投手は1軍のプロ初登板、初先発のマウンドに上がり、6回無失点でうれしい初勝利をつかんだ。この年は8試合に登板し2勝3敗の結果を残した。

2023年はさらなる飛躍の年にしたかった。しかしキャンプ中に右肩のけががあり出遅れた。1軍での登板は3試合のみ。先発登板はなく、このシーズンは0勝に終わった。

度重なるけがを乗り越えて、プロ5年目の今季に賭けた。8日の中日戦は堀田投手の覚悟が伝わってくるピッチングだった。

味方打線も、そんな堀田投手を助けようと奮起。初回に1死満塁で坂本勇人選手(35)がセンターへ犠牲フライを放って、先制点をプレゼントした。

坂本選手は堀田投手と同じ青森山田高校卒。「賢慎が先発なので、なんとか援護したいと思っていました」と振り返った。一回り以上年上の先輩がくれた先制点で、堀田投手は勇気づけられたのは間違いない。

一回表に巨人が先制点。堀田投手は「先制点をもらったので、なんとか0点に抑えようという気持ちでマウンドに上がりました」と振り返っている。投打の歯車がかみあって、堀田投手の久しぶりの先発での白星につながった。

2年ぶりの先発での勝利。「チャンスをもらっているので、なんとかという思いで今日は(マウンドに)上がったので、今日は勝てたことがすごくうれしい」

度重なる故障や育成選手への降格。苦しみを乗り越えて、堀田投手は強くなった。642日ぶりの先発勝利には、たくましくなった成長の跡が刻まれている。

若者は苦しみを乗り越えるたびに強くなる。いばらの道を歩んできた堀田投手。今後のさらなる活躍が楽しみだ。

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