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弱者は粘って天下を取りに行く。2年連続最下位の日本ハム。ロッテ「完全試合男」朗希投手を待球策で攻略。六回に一挙5得点のビッグイニングで逆転勝ち

弱者は粘って天下を取りに行く。その意気込みが伝わってくる試合だった。2年連続最下位に終わっている日本ハム。ロッテの「完全試合男」佐々木朗希投手に相対した。日本ハム打線は粘って粘っての待球策を貫く。徐々に相手の体力を奪っていき、六回にビッグイニングを作って逆転勝ち。弱くても勝てます。そのためには、あきらめず粘ることが重要なのだ。

日本ハムは5年連続Bクラスに終わっている。しかも、ここ2シーズンは最下位止まり。今季の日本人平均年俸も12球団で最下位の3483万円。パリーグ首位を快走しているソフトバンク(6806万円)とは倍近くの開きがある。

弱くて「貧乏」チーム。それでも今季パリーグ2位につけている。勝つためにはひと工夫が必要だ。それを実践している。

10日にホームの北海道で行われたロッテ戦。相手の先発投手は今季3勝とリーグ3位タイに付けている佐々木朗希投手だ。2022年に完全試合を達成している22歳右腕。波に乗せたら手が付けられないだろう。

そこで日本ハムが取った作戦は待球策だ。早打ちしていたら、相手のリズムに引き込まれてしまう。粘って粘って勝機をうかがう戦法を取った。

五回を終えて、日本ハムは1-3とリードを許していた。ただ朗希投手には102球を投げさせていた。前半で100球以上投げさせた。勝負は後半だ。

その作戦が奏功した。六回にこれまで取ってきた待球策が実を結ぶ。そして、このイニングも粘ってチャンスをつかむ。

先頭打者が倒れたが4球を投げさせた。次打者の上川畑大悟選手が5球目をレフトへヒット。さらに水野達稀選手が5球目を捉えて二塁打。得点圏のチャンスだ。

2死になった後、松本剛選手が朗希投手のフォークをしぶとくライト前へ落として同点にする。さらに郡司裕也選手がライトへヒットを放って、一、三塁と逆転の好機を作った。ここで朗希投手をマウンドから引きずり下ろした。

相手投手が代わっても、日本ハムは攻撃の手を緩めない。しかも、さらに粘り続ける。マルティネス選手が6球目に四球を選ぶ。フルベース。そして田宮裕涼選手が同じく6球目をレフト線へ走者一掃の3点二塁打を放って逆転に成功した。

日本ハム打線は朗希投手だけでなく、2番手投手にも粘り抜いて、一挙5点のビッグイニングを作り、5-3で逆転勝ちした。

殊勲打を放った田宮選手は「最初から球数を投げさせた結果。みんな頑張りました」と胸を張る。一人の選手だけが粘るのではない。チーム一丸となって粘り抜いたからこそ、勢いとつかんで、2番手投手から決勝点をもぎ取った。

過去の実績が悪くても、平均年俸が12球団最低だろうと、ひと工夫して戦いに臨むことで勝機が生まれてくる。この試合では粘って勝利をつかんだ。

日本ハムの好調ぶりはたまたまでも、春の珍事でもなく、チームの戦略の賜物だ。

弱くても勝てます。日本ハムが勢いに乗って、天下を取りに行く。

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