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「どっちがどっち?」。これまでと異なる得点パターン。ついにオリックスに一発。ヤクルトもつながった。日本S

「どっちがどっち?」。そう思いたくなる試合だった。日本シリーズ第5戦。これまでは「ホームランのヤクルト、つなぐオリックス」と言える得点パターンだったが、この試合はまるで逆だった。ヤクルトはつなぐ野球で一時は勝ち越した。しかし、オリックスは主砲、吉田正尚選手が最後にサヨナラ本塁打を放って、ケリをつけた。これで2勝2敗。シリーズはますます白熱してきた。

両チームの五回以降の得点が、まったく今までと異なる得点パターンだった。2-2で迎えた五回裏のオリックス。これが「どっちがどっち?」と思わせる引き金となった。

1死走者なしで打席に立ったのは、4番吉田選手。カウント1-0からの2球目。137キロの直球をとらえると、打球はセンターへ。バックスクリーン右に到達する勝ち越しアーチとなった。

オリックスにとって、このシリーズ初の本塁打。これまでの「つなぐオリックス」から脱却。「ホームランでも点を奪えるぞ」と訴えるような一発となった。

その後、オリックスはリードを許す展開となったが、九回に再び追いついた。なお2死一塁。打席には、またも吉田選手。何かが起きそうな予感。カウント0-1からの2球目。139キロのスプリットが真ん中に入る。吉田選手は「いただきます」と言わんばかりにフルスイングした。

打球ははるか彼方。ライトの5階席にまで飛び込む特大のサヨナラアーチとなった。すでに「入った」と確信していた吉田選手は、ベンチに向かって「ドヤ?」と言わんばかりに人差し指を突き上げた。

悠々と各ベースを回り生還する吉田選手。大きくジャンプしながら、ホームベースを踏んだ。勢い余って転んでしまったのも、ご愛敬。それだけ劇的な一発だったのだから。

一方、ヤクルトもこれまでホームラン頼みの得点パターンだったが、つなぐ野球で一時は勝ち越した。相手に1点勝ち越された直後の六回表。たたみかけるように4安打を放って2点を奪い逆転したのだ。

中村悠平選手の二塁打を足掛かりに、長岡秀樹選手の詰まった当たりがライト前にポトリ。同点に追いついた。そして、塩見泰隆選手は止めたバットにボールが当たるが、幸運にも内野安打。ここでベテラン、青木宣親選手に打席が回る。一塁線を抜く勝ち越しのタイムリー二塁打を放った。この日敗れたとはいえ、このイニングの集中打は見事だった。

これで対戦成績は2勝2敗1分けのタイに。29日から戦いの舞台を、再び神宮球場に移す。どんな形でも得点できるようになった両チーム。第6戦以降もハラハラしながら楽しめそうだ。

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