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東京の高校野球。「郷土愛」は薄くても、「都立愛」があふれてる。東では強豪私立相手に「大金星」も

高校野球の人気の一つは、「郷土愛」に支えられていることだと思う。地方から都会に出てきた人たちが、ふるさとの代表校を応援するのだ。一方、東京出身者の「郷土愛」は薄いように思われ、「東京の代表校だから」という理由で応援する人を、あまり見かけない。それでも東京の高校野球が盛り上がるのは「都立」高校の躍進を見たい人が多いからではないだろうか。

25日現在で、東東京は4強が出そろい、西東京では26日から準々決勝が行われる。共に都立高が1校ずつ勝ち上がっているのだ。

東では、第5シードの城東高が24日の準々決勝で優勝候補の筆頭と目された関東第一に競り勝って、「大金星」を手にした。関東第一は春の都大会優勝校で、関東大会でも準優勝に輝いた。昨夏の東東京大会準V校でもある。

その第1シードを相手に、城東は3-1で競り勝ったのだ。城東の監督自ら「奇跡」というほど。この試合の結果に、多くの人が驚いたのではないか。私も、この試合のニュース記事を、ビックリしながら読んだのだ。

城東高は1999年と2001年に2度夏の甲子園に出場している。しかし東東京大会で準決勝に進出するのは6年ぶり。都立高がそう簡単に勝ち上がれるものではない。

甲子園まで「あと二つ」。第1シードを下したとはいえ、私立の壁は厚い。21年ぶり3度目の全国キップを手にできるだろうか。

一方で、西ではベスト8に駒を進めたのは、富士森高だ。こちらの躍進も、かなりドラマチックだ。新チームで挑んだ昨秋は、一次予選で敗退。今春も一次予選で敗退し、本大会に出場することができなかった。

ノーシードで臨んだ今夏の西東京大会。2回戦から4回戦まで、7点、10点、7点と打線が好調で打ち勝った。そして5回戦では第3シードの駒大高に3-0と接戦を制して、8強に名乗りを上げた。

甲子園出場歴はない。あれよ、あれよと言う間に勝ち進んで、チームが勢いづいてきた形だ。

両校の次戦は、東の城東が28日に第4シードの日体大荏原と対戦する。西の富士森は27日に、第3シードで甲子園出場3度を誇る日大鶴ヶ丘に挑む。いずれも舞台は神宮球場だ。

都立高は有望選手を集めにくいという理由から、「判官びいき」で多くの応援が送られるだろう。私立の対戦校にしてみると、なかなかやりにくいと思う。

今年の東京の高校野球も盛り上がっている。頂点に駆け上がるのは、どの高校だろうか。「都立」の躍進という視点で、東・西東京大会を見るのも、面白いと思う。

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