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防御は最大の攻撃なり。田んぼで成長した「守備の魔法使い」。巨人・吉川選手が流れを変えるスーパー守備。直後の丸選手のサヨナラ本塁打を呼び込んだ

防御は最大の攻撃なり。巨人の吉川尚輝選手が流れを変えるスーパー守備を見せた。直後の味方の攻撃で丸佳浩選手がサヨナラ本塁打。吉川選手の好守で、巨人が息を吹き返して延長戦での勝利をつかんだ。巨人は終盤に嫌な流れが続いていたが、吉川選手のグラブに救われた。そして、この好守の源泉は田んぼでの守備練習にあった。

28日にホームの東京ドームで行われた首位広島とのゲーム。2-2のまま延長戦に流れ込んだ。

巨人は延長十回2死一、三塁のピンチに陥っていた。ここで相手の3番打者を迎える。その初球。バッターの放った強い打球はセンターを抜けそうだった。広島の勝ち越しと思われるシーン。巨人にとって絶体絶命のピンチを救ったのが、セカンドの吉川選手だった。

広い守備範囲で定評のある吉川選手。二塁ベースを越えセンターへ抜けそうな打球を、逆シングルでつかむ。そして二塁ベース上のショート、門脇誠選手へストライク返球。二塁へ滑り込んだ走者を間一髪でアウトにした。

吉川選手のスーパープレーだ。センターに抜けていれば広島に勝ち越されていた。それをこの回無失点で切り抜けた。

この好守で流れをつかんだ巨人。直後の攻撃で丸選手がライトスタンド中段へサヨナラ本塁打を放って、劇的な勝利を手にした。

このゲーム。終盤に巨人は嫌な展開に陥っていた。1点リードの九回の守備。勝利まで「あと一人」に追い込んだが、ピッチャーの暴投で三塁走者の生還を許してしまった。同点に追いつかれた。その裏の攻撃を巨人は三者凡退で終えた。完全にペースは広島に握られた。

延長十回は巨人の投手陣が2つの四球を出していた。自ら相手にチャンスを与えてしまっていた。そして一、三塁のピンチ。ここで飛び出した吉川選手のスーパープレー。勢いを巨人に手繰り寄せた。そして丸選手のサヨナラ弾につながった。

吉川選手は守備範囲の広さ、球際の強さに定評がある。ゴールデングラブ賞を一度も受賞していないのが不思議と報じるメディアもある。昨季受賞した広島の菊池涼介選手は「獲るのは吉川だと思っていた」と語っている。

吉川選手の守備力の高さ。その源泉は幼少時代から、岐阜県の実家裏の田んぼで受けていたノックの守備練習にあるようだ。稲刈り後の切り株が残る中で4歳ごろからノックを受けていた。

切り株にぶつかり、打球は不規則なバウンドをする。それをキャッチするのはかなり難しい。この練習を繰り返していき、吉川選手が守備の達人へと成長したのだろう。田んぼで培った練習の賜物だ。

吉川選手の守備は受け身ではない。むしろ「攻撃的なディフェンス」だ。この日の試合のように、味方に流れを引き込む。「防御は最大の攻撃」なのだ。

吉川選手のグラブには、勝利を引き寄せる力がある。「守備の魔法使い」にこれからも注目だ。

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