地位は人をさらに成長させる。プロ初の4番に起用された阪神・森下選手。初打席でいきなり先制ホームラン。チームの自力優勝の可能性が復活。逆転Ⅴへ大きな一撃
地位は人をさらに成長させる。阪神の森下翔太選手がプロ初の4番に起用された。初打席でいきなり先制の2ランホームランを放って勝利に貢献。首位広島が敗れたため、チームの自力優勝の可能性が復活した。逆転Ⅴに向けて大きな一撃。プロ2年目で新4番をまかされた。森下選手のバットには、大きな希望がびっしり詰まっている。
13日に東京ドームで行われた巨人との伝統の一戦。スタメンのアナウンスで、4番に森下選手の名が告げられた。伝統の猛虎打線に第110代の4番打者が生まれた。
これまで高校時代の東海大相模でも、中央大時代の大学日本代表でも4番を務めたことはある。それでもプロでは初。伝統あるプロ球団で4番打者となるのは、ひときわ大きな責任が伴う。
そして新たな4番打者はいきなり結果を出した。初回の攻撃。2死二塁の場面で右打席に立った。森下選手はカウント0-1からの2球目。巨人の左腕グリフィン投手の129キロスプリットをとらえた。
打球は阪神ファンでびっしり埋まったレフトスタンドへ。4番の重責を担えるのか?その疑問に「YES!」とアーチを放って一発回答した。先制の11号本塁打。森下選手にとって昨年の10本塁打を上回るキャリアハイとなった。
阪神で4番初出場の第1打席でホームランを放ったのは、2003年の金本知憲さん以来3人目。金本さんは広島時代に4番を務めている。阪神でプロ初の4番打者として初打席にホームランを放つのは、1949年の別当薫さん以来75年ぶり2人目の快挙だ。
森下選手の先制ホームランなどで阪神はライバル巨人に8-5で打撃戦を制した。森下選手は「やっぱり4番はチームの核となる選手なので、中途半端なことはできない」と心がけて打席に臨んでいたと振り返った。
翌日の8月14日は森下選手の24歳の誕生日。一日早く自ら祝砲を放った。「勝てたんで、あしたまた誕生日を迎えていい1年にしたいなと思います」
この試合前に自力優勝が消滅していたが、阪神が勝って、首位広島が敗れたため、自力Ⅴの可能性が復活した。
セリーグ連覇を狙う阪神にとって、この試合の勝利は大きかった。阪神はリーグ3位。首位広島とのゲーム差を3に縮めて、逆転に向けて勢いに乗った。
阪神の今季の残り試合は36。新たな4番の活躍は、今後の戦いに向けて、貴重なカードとなるだろう。
新4番、森下選手のバットが響かせた快音は逆転優勝に向けた号砲となるかもしれない。
地位は人をさらに成長させる。阪神の110代4番打者が、これからどんな軌跡を描いていくか。チームの戦いぶりとともに見守っていきたい。
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