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問題があるなら原点に戻るのが重要。甲子園にラッキーゾーン復活を。選抜高校野球。低反発バット導入で本塁打がわずか3本。高校野球期間だけの仮設にしては

問題があるならば、原点に戻ることが重要に思える。今春の選抜高校野球が終了したが、期間中のホームランはわずかに3本だけだった。低反発バットの導入が原因とみられる。それならば、かつて甲子園にあったラッキーゾーンを復活させるのはどうだろうか。本塁打は野球の華。高校野球期間中の仮設にするのも一手だと思うのだ。

今年の選抜大会から導入された低反発バット。直径が最大64ミリ未満に制限。これまでのバットよりも3ミリ短くなった。実験によると、反発の性能が5~9%減少し、打球の初速が3.6%減少したのだ。飛距離は5mほど減少すると言われた。

なぜ、低反発バットが導入されたのか。一因とされるのが安全面の確保だ。バットの性能が上がったことに加えて、筋力トレーニングによる選手の大型化で、打球が鋭さを増した。

2019年の夏の甲子園では、打球がピッチャーの顔面に直撃し、ほおを骨折する事態となった。過去の練習試合で投手に打球が当たって死亡事故になったこともある。

投球し終えたピッチャーは打球に対して無防備となる。鋭い打球は投手にとって、あまりに危険な存在なのだ。安全面を確保するためには、低反発バットの導入はマストだったと思える。

一方で、本塁打が激減した。今大会のホームランはわずかに3本。そのうちランニング本塁打が1本なので、柵越えは2本だけ。選抜では金属バットを採用した1975年以降で、最少だった。

低反発の金属バットよりも、かえって木製バットの方が距離は伸びる。そう信じて、今大会で木製バットを持ち打席に立った選手もいた。ただ、ボールに当たったバットが折れてマウンドから三塁寄りに飛んだ。折れたバットも守備の選手にとって危険な存在だ。

さらに公平性の問題も出てくる。木製バットは折れやすい。それに備えて、多くのバットを用意するのは、公立の高校には費用的に難しいだろう。資金力のある私立校だけが「飛びやすい」木製バットを使うようになれば、野球に「格差」が生まれてしまう。

安全面を確保し、ホームランも増やしたい。そのために、甲子園にかつてあったラッキーゾーンを復活させるのは、どうだろうか。

選抜の大会最多本塁打は1984年の第56回大会の30本。ラッキーゾーンがあった時代だ。PL学園の「KKコンビ」と言われた桑田真澄さんと清原和博さんが準優勝した。この大会でPLも8本のホームランを量産した。

甲子園はプロ野球の阪神の本拠地だ。ラッキーゾーンをずっと設置しておくのは現実的ではない。だからこそ、高校野球期間だけ、仮説にするのが望ましい。

ラッキーゾーンは1991年に撤去された。撤去後も高校野球で数多くのホームランが飛び出た。これが低反発バットの影響で激減したというならば、ラッキーゾーン復活も、アリではないか。

問題があるならば、原点に戻るのが重要。高校野球期間中のみラッキーゾーンを復活させれば、低反発バットによる安全面を確保したうえで、「野球の華」であるホームランの機会も増える。

「安全第一」。その上で、柵越えのアーチも楽しみたい。ラッキーゾーン復活をぜひ検討してほしい。

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