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恋文 《詩》

「恋文」

また誤魔化そうと
必死に言葉を並べている僕が居る

何もかもが思い出せない 

何もかもが忘れられない

ただ悲しみから

逃げ出したい為だけに書いた詩でした


君の命は

どんな景色をしていましたか

時間はあの日のまま

君を置き去りにして行きます

そして其の場所に

僕は今でも立ち尽くしています

全ては無駄で意味など無いと

泣いていた君の顔を忘れません


可哀想な主人公が
死を選ぶ物語の小説を読みました

主人公を殺したのは誰ですか

君を殺したのは誰ですか


涙を堪え切れずに
泣き叫ぶ事はいけない事ですか

何も考えずに今は生きなさい 

そう誰かが僕に言いました


残忍な亀裂の入った

コンクリートの壁を見ています

其の傷を指先で

などる事しか僕には出来ません


君への恋文を書き溜めています

其れが僕をこの世界に留めさせる 
ただひとつの理由です

夜が短いのは きっと君のせい

こんな部屋にも朝はやって来ます

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