【キャリコン事例】キャリアコンサルタント、こんな風に役に立っていることを知ってほしい記事
【起 何から話したい?】
「今日は何の話から話したい?」
通常、私はクライアントさんとキャリアコンサルティングを始めるときには、このセリフから始めます。
そして多くのクライアントさんからは「特に無いです」が返ってきます。
実は、「特に無いです」からがキャリアコンサルタントの本領発揮です。
私は、コンサル面談を始める前に、これまでの面談の内容、経緯、そのときに感じていたことなどを振り返り、次のコンサル面談では、どんな話をしていこうか、大枠を組み立てておきます。
しかし、新鮮なのは毎回、組み立てどおりにいかないことです。
今、目の前にいるクライアントさんを見て、声を聴いて、反応を観察して、どのように進めていくか、瞬時に対応していきます。
今日のクライアントさんも同様に組み立てどおりではなく、かつ、いつもと様子が違っていました。
【承 堰を切ったように溢れ出す言葉】
今日のクライアントさんは、冒頭からとめどなく、溢れるように話が始まりました。いつもは、一言一言をじっくり考えてゆっくりコトバを紡ぎ出す方なのです。
こんにちは、と挨拶をした時から「あれ?」と感じたのは、この変化だったのかもしれません。
話量の割合は、
【クライアントさん9.5 : 0.5わたし】
くらいでしょうか。
なんか今日は違うな、という直感はアタリでした。話はどんどん過去に遡り、クライアントさん自身のコトバで、堰を切ったように出てきます。
その目線はほとんど私ではなく、自分の過去をずっと思い出しながら、その映像を観ながら話しているようです。
私は、クライアントさんの目線の変化や、表情、間、コトバ、話しの流れ、すべてに集中して、クライアントさんのどのようなコトバや変化を捕まえればいいかを考えながら聴いています。捕まえて、クライアントさんの次に繋がる言葉を返します。
【転 泣くという感情放出】
クライアントさんの目が赤くなってきました。
「泣く」直前の目です。感情がすごく高ぶってきている様子でした。
心のなかで(泣け!泣いてしまえ!ぜーーーんぶ吐き出してしまえ!)と唱えます。抱えたものは、可能な限り出し切ってしまった方が良いです。
涙とコトバが代わるがわる出てきます。
この部屋にティシューが無いことに気づき、急いで他の部屋から調達します。
ずっと何年も一人で抱えて考えて、悩んで、歩みだせなかったことを後悔して、苦しんでいたクライアントさんでした。
「生きていても希望なんか無かった」
と言っていました。
もらい泣きしそうでした。
【結 自分の力で変化と成長を掴み取った】
クライアントさんは、ここにきてからの数ヶ月、自分で考えることができて、自分で決めることができて、自ら行動できてきました。
そして、考え方も捉え方も前向きに変わって、強くなって、少しずつ自分に自信が持てるようになっていました。
「もっと自分に期待していいんだと気づいた」
と、自分で起こした変化とそのコトバに、メッチャ拍手しました。
この短期間でどんだけ変化したんですか?!とクライアントさんへ投げかけつつ、ここでもまた、もらい泣きしそうでした。
クライアントさんは、ここに来て、いろいろな人に出会い、いろいろなことを体験してきました。
これらの経験が、クライアントを大きく変えました。
私は変えていません。
クライアントさんが、自ら変わりました。
この変化は
「ホップ・ステップ・ジャンプ」
じゃない、
「ホップ・ステップ・ジャーーーーーーーーーーーーーーーーーーンプ」
ぐらい、大っきな変化だと感じています。
今日のクライアントさんは、スッキリした表情で帰っていきました。
私も気持ち良く今日を終えられそうです。
まとめ
この変化に関わることができて、キャリアコンサルタント冥利に尽きます。
これをキャリアコンサルタントの醍醐味と言わず、何を醍醐味というのか。
こんな嬉しい気持ちをくれたことに、感謝します。
少しでも役に立てたであろうことを祈りつつ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
株式会社シールズ
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