Sea

ブリスベンで2人暮らし

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ブリスベンで2人暮らし

最近の記事

プロアルバイター

どうせなら日本人がいない場所で働きたいと思った。 五つ星ホテルの中にあるレストランのウエイターのバイトに受かった。 そこはオーストラリア首相、マーゴットロビー、ケンドリックラマー、たくさんのセレブリティがやってくる高級レストランだった。 よく受かったなと思う反面、私って意外と大丈夫だもんな、という自負もあった。 それなりにどこでもやっていける、理解できる、対応できる自信があった。 本当に大変なバイトだったけど、チップ文化のないオーストラリアで当たり前にチップがもらえ

    • 夢またの名を呪い

      アイナジエンドに憧れすぎて、ついに彼女が夢に出てきた。 最近また長い夢を見るようになった。 眠りが浅すぎて、そこが夢なのか思考の続きなのかがわからない。 高円寺のアパート、穏やかな日本の午後の気温。 私は多分アイナさんの部屋に遊びに来ていた。 インスタの切り抜き動画などで流れてくる彼女が歌唱する短いショーに私は容易に魅了される。 アイナジエンドとか、羊文学とか、そういうジャンルに私はずっとわかりやすく弱い。 もしも10代の頃に出会っていたら、そのまま青春を丸ごと

      • 私は寿司屋になりたかった

        彼女と私は本気だった。 店員が全員可愛い女の子の「ギャル寿司」を本気で海外でやりたいと思っていたし、恵方巻きに「フォーチューン寿司」と名付けて本気で海外で売り出そうとしてた。 どれもこれもあの頃を振り返るには充分すぎる思い出だ。 あの頃未来は無限大で、私達にできないことなんてひとつもないと思ってた。 彼女との出会いは17のとき。 私は2週間に渡るニュージーランドへの短期留学へ向かうため、成田空港に来ていた。 私以外にも大勢の高校生が同じカリキュラムで現地を体験する

        • 今日見た夢の話

          今日も眠れない。 少し眠れたと思ったら身近な人が狂ってテロ集団を引き連れてショッピングモールをハイジャックする夢を見て起きた。 時計は朝の4時半を指す。 ショッピングモールの中にはみんながいた。ひとりの狂った人によって周りの人もどんどん狂っていく様子がリアルで恐ろしかった。 最後はよくわからないけど誰かが彼を銃で打った。彼は打たれたというのにまだ動ける。そこに突然たくがフラリと現れた。 「たく!いけ!やれ!」とみんなが叫ぶ。 するとたくは古代いにしえの拳法を使い彼

        プロアルバイター

          明日はもっと遠くへ

          なんというか、ここ最近は ブログを書く熱が少し自分の中で冷めていた。 音楽とか絵とかもきっとそうだと思うけど 自分の内側にあるものを外へ吐き出すって なんとも骨が折れる作業だ。 そのくせせっかく書き上げた文章も 時間が経ってから読み返すと 今の自分のニュアンスと あまりにもかけ離れていて 恥ずかしくなったりする。 だけど私は好きなのだ。 自分が書いた下手くそな文章も それはそれで全部愛おしい。 「ねえ!!!!!!ママ!!!!! 見て!!!!!!! これ全部私が作った

          明日はもっと遠くへ

          酒は人生の子守唄

          朝の10時にレゲトンが鳴り響く。 南アメリカの地域の音楽だ。 サンバのような情熱的なリズムに合わせて 人々が歌い踊る。 コロンビア出身の家のオーナーが 朝っぱらから大音量でレゲトンを流して 踊りながら家中を掃除している。 愉快な家だ。 私はここが大好きだ。 けど、 今日に限っては迷惑なのだ。 何故ならば私は今 今世紀最大の二日酔いを迎えている。 (わりと毎回が今世紀最大ということは置いといて) 昨夜は大量に酒を飲んだ。 それはもう吐くまで飲んだ。 自分を押さえ

          酒は人生の子守唄

          私の好きなこと

          私はドレスアップして 高いヒールをカツカツ鳴らして歩くのが好き。 真っ赤なリップを塗るのが好き。 丁寧に巻いた髪を ゆっくり掻き上げる瞬間が好き。 だけどジーンズにスニーカーで 短い髪を揺らして歩くのも好き。 せっかくお洒落なお店に来たのに 可愛いカクテルになんて目もくれず 永遠にビールを飲んでる自分も好き。 1時間掛けて作ったごはんを 2秒で食べてしまう自分も好きだし なんなら味見しながら飲み始めちゃう自分も好き。 アボカドを直接スプーンですくって食べたって

          私の好きなこと

          ご乱心ブログ

          「君、いいね。ずっと見てるけど レストランで働くのはもったいないよ。 よかったらうちで働かない?」 とバイト中に客から声を掛けられた。 もらった名刺をググってみたところ 意外とちゃんとした会社だったので 後日改めて面接をしてもらうことにした。 そこは車やフォークリフトや ベルトコンベアなどの 部品を国内外に輸出入している会社で 私が今まで生きてきた世界とは かけ離れた業種だったけど、 私は彼の元で働いてみたいと思った。 オフィスはバスや電車では アクセスできない僻地に

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          運命の家と出会った話

          酒を飲むのが好き 人と話すのが好き、 そう豪語しておきながら 私という女には ひとりの時間もそれなりに必要だ。 派手な場所に派手な格好で 出掛けるのが好きな反面、 イベント事が終わった翌日は ベットの中でひとり ゆっくりと本を読んだり 文章を書いたりしていたい。 バランスが全てだ。 人とばかりいても疲れるし 自分とばかり向き合っても疲れる。 通っているスクールが休校日な今日、 私がするべきことなんて数えるほどしかない。 メイク用の筆やパフを洗って ハイキングで汚

          運命の家と出会った話

          お洒落な皮肉が言えなくて

          最悪の気分だ。 私のティーポットをシェアメイトの誰かが 勝手に使って一生返却されないので 犯人だと予想される人物に かなり強めに当たってしまった。 犯人だと予想されるというか、 使っているところを目撃したので 私の中に確信はある。 けどまあただのティーポットだし、 適当に返しておいてくれるなら 別にいいかと思ってそのときは あえて突っ込まなかったのだ。 ティーポットは私専用のスペースに しまってあったので つまり彼はその棚の中身を勝手に 物色していたということにはなる

          お洒落な皮肉が言えなくて

          ブラインドを壊してしまったという話

          私は我ながら自分のことをポンコツだと思っている。 今日も引っ越してまだ日が浅い部屋のブラインドを思いっきり引っ張って壊した。 ただ少しブラインドを下げたかっただけなのに、まさかブラインドそのものが壁から外れて私めがけて落ちてくるなんて。 まずい。これはオーナーに申告せねばならない。 けど今廊下ですれ違ったオーナーにそれを言い出すことはできず、「雨がすごいですね」なんていう世間話でやりすごしてしまった。 彼は陽気なコロンビア人で、第一印象で絶対に気が合うと思った。

          ブラインドを壊してしまったという話

          例え眠れない夜でも

          私は体調が悪かった。 今にも倒れそうなほど眠いのに いざ眠ろうとすると一向に眠れない。 もう寝なければと 焦れば焦るほど眠れなくなって 気が付くとそのまま朝を迎えている。 例え少し眠れても、 どこかでずっと薄い夢を見ている。 夢の中でも私は 何かに焦っていて 出口はどこにも見当たらない。 絶望した気持ちでまた一日が始まる。 まるでゾンビにでもなった気分だ。 そんな私を見た全員が 「大丈夫なのか?」と口を揃えて言う。 大丈夫ではなかった。 これは完全に睡眠障害だ。

          例え眠れない夜でも

          プデチゲ

          韓国レストランで食べたプデチゲにすっかりハマって、家でも作ってみた。 最初は「なにプデチゲって…」と謎に警戒していた彼も気が付くと隣で吸い込むように食べていて、「相当美味しいねこれ」とのことでした。 トック(トッポギのお餅みたいなやつ)をたくさん入れるのが好き。 ブルーベリーが安い。ブルーベリーマフィンを焼こう。とか、明日はファーマーズマーケットの日だからオクラを買ってきてネバネバぶっかけ蕎麦を作ろう。とか、 食を中心に生活が回っている感じが私はたまらなく好き。 こ

          プデチゲ