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せかい で いちばん

違うジャンルの音楽を聴くことって、見知らぬ土地へ旅することに似ている。まったく予期していなかった感動に出会えたり、ずーっと眠っていた奥底の感情をあぶりだされたりする。


アンドレアス・ショルの子守唄 Lullabye (Goodnight, My Angel)は心をほんのり、暖めてくれる。

その心に響く歌詞。やさしさ、あたたかさ。

おやすみなさい、私の天使、目を閉じる時間よ
その質問はまたいつかね

あなたが私にたずねてきたことは いつかきっとわかると思う
私が何を言おうとしているのかがわかるはず

私はあなたの元を決して去らないと約束する
そして、あなたはいつも知っているはず
あなたがどこに行こうとも
あなたがどこにいても
私はいつもそばにいる

おやすみなさい、私の天使よ、もう眠る時間よ
まだ言いたいことがたくさんあるけれど
あなたが歌ってくれた歌を覚えている
エメラルド色の湾を航海したとき
大海原に浮かぶ船のように

こうしてあなたを揺らしてあげる
水は暗く、この古代の心の奥深くにある
あなたという存在はいつも私の中にある

おやすみなさい、私の天使よ、もう眠る時間よ
そしてどんなに素敵な人生が待っているか、想像してみなさい

いつか子供が泣いたらこの子守唄を歌って
あなたの心の中にいつも私の一部があるように

いつか私たちはみんないなくなるけど
でも子守唄は続くよ
決して死なない

決して死ぬことないもの それはあなたとわたしの間なのだから

訳は筆者

この歌を、娘のありあ がまだ赤ちゃんの頃、毎日歌って、話しかけていた。
そして繰り返して言った。

せかい で いちばん かわいいの だれ? ありちゃん
 
せかい で いちばん つよいの だれ? ありちゃん

この歌はそんな昔の思い出をよみがえらせてくれる。

ちなみにアンドレアス・ショルは、カウンターテノールと呼ばれる、非常に音域の広い領域が美しいペラ歌手。ヘンデルやヴィヴァルディのオペラ曲をソプラノで歌うと、歌人は女性かと聞こえてしまう。

その実力は圧巻。

美しいだけではなく、人の心の悲しみや、勇気、やさしさに訴えかける

カウンターテノールではフィリップ・ジャロースキーと並んで、世界中にファンを持つ。

オペラって、苦手な人が多いと思うけれど、モーツァルトのレクイエムなどの壮大なものから、ソロの美しい、哀しい響きまで、胸ぐらを掴まれて揺すられるようなピースが多い。

初心者におすすめはマリア・カラスの「蝶々夫人」


「レクイエム」は必聴。

そして極め付けはフィリップ・ジャロースキー。


ちょっと違う世界へ旅してみるって、思いがけない素敵な体験になるかもしれない。






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