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さようなら、CD

レコードからCDに移行した時、その音質の違いに多くの音楽ファンは驚愕した。ジャズファンのタモリさんは「ぶっ飛ぶくらいの衝撃を受けた」と話している。それも昔の話し。音楽メディアはほぼストリーミング(サブスク)にシフトしている。

グローバル音楽産業を売上ベースで見れば、2021年はストリーミングが65.3%、ダウンロード等が4.3%と、配信が全体の約7割を占める。一方、CDやレコードなどの物理メディアは19.3%(2021年)と、年々その割合は減っている。

けれど日本に目を移せば、そこにはまったくべつの光景が広がっている。

1998年をピークに音楽産業は下落傾向を続けていて、2014年以降は2200億円前後で下げ止まっており、マーケットは最盛期の三分の一近くにまで落ち込んでいる。ただし、それでも音楽産業の規模は世界で2番目の水準だ。

 両者を比較すると、成長傾向が続くグローバルに対し、日本は底を打ったまま横ばいが続いている

引用: Yahoo!ニュース


CD依存を続けるのは日本だけ

日本では、いまもCD売上への依存が続いている。配信と物理メディアのフィジカルを比較すれば、2021年はフィジカルが59.1%、対して配信は40.9%。ストリーミングの成長率は、2014年以降にグローバルでは年平均37.3%なのに対し、日本では同10.1%にとどまっていて極めて遅い。

さらに、CD(フィジカル)が音楽産業の過半数を占める国は、もはや日本くらいしかない。世界でもっともマーケットの大きいアメリカでは、配信が89%を占め、フィジカルは11%にしか過ぎない。しかもフィジカルでは、アナログレコードがCDの倍近く売れている。

アナログレコードにはマニアックなファンがいて、特定の曲については、彼らのCDへの移行を拒否してかたくなにレコードを聴き続けている。古いレコードショップで掘り出し物を見つけるのが楽しみというファンも多い。

K-POPとNFT

昨今、大きな期待をされているのが、NFT(非代替性トークン)だ。アーティストの創作物などのデジタル資産に、固有の価値を付けるというアイディアが基になる。

デジタルコンテンツは劣化なくコピーが可能だが、ブロックチェーンで追跡可能にすることで、非代替的(固有)な価値が生じるというものだ。

 そこで期待されているのはコンテンツ(デジタル資産)を投資対象にすることで、デジタル時代のコンテンツ経済を活性化させることにある。投資対象であることとはつまり、その価値が変動することを意味する。

K-POPでは、BTSのHYBEが暗号資産取引所の運営会社と合弁会社を設立し、NCTなどのSMエンタテインメントもメタバースの会社と提携してNFT商品の発売を予定している。5年ほど前からK-POPではメタバースに注目し、aespaのようにデビューからアバターを発表しているものもある。これらはメタバースとNFTの結合によってさらに勢いが増しつつある状況だ。

CDを知らない若者たち

わたしの娘は22歳で、CDやウォークマンなんて知らない世代だ。ニューヨークで育ったせいもあって、幼い頃からストリーミングの音楽に慣れ親しんでいる。

音楽といえばサブスクするものという観念は欧米ではもう当たり前で、まだまだCD中心の日本とは異質な状況となっている。

それにしても車でドライブしながら、何枚かのCDの中から好きなCDを選んで、それがデッキにするすると吸い込まれて、そこで大好きな音楽が流れ出す、あの感覚も今は懐かしい。



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