しゅみお

noteでは音楽に関連した社会や文化について書いています。ジャズ、ソウル、ファンク、ヒ…

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noteでは音楽に関連した社会や文化について書いています。ジャズ、ソウル、ファンク、ヒップホップ、ブルースが好きです。テクノやエレクトロニカも好きです。最近はブルーグラスに凝っています。ジャズは新譜旧譜を含めトラッドジャズやマヌーシュ・ジャズをよく聴きます。

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トラッドジャズ・スタンダード目次

いろいろジャズを聴いていると探究心が芽生えてくる。ジャズは黎明期からどこでだれが録音に参加したのかが明確なものが多いのでとても探しやすく、また曲は時代をあらわし…

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5か月前
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Tiger Rag

「タイガー・ラグ Tiger Rag」は 1917年に オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンド Original Dixieland Jass Band のメンバーであった ニック・ラロッカ Nick LaRoc…

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12時間前

Eh La Bas

「エ・ラ・バ Eh La Bas」はニューオーリンズのトラディショナル・ソング。作詞作曲者は不明だがニューオーリンズを中心にさまざまなスタイルで歌われ続けている。 ルイジ…

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1日前
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Farewell Blues

「フェアウェル・ブルース Farewell Blues」は1922年に ポール・マレス Paul Mares、レオン・ロポロ Leon Roppolo、エルマー・シェーベル Elmer Schoebelによって書かれた…

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2日前

Emaline

「エマライン Emaline」は1934年にフランク・パーキンスFrank Perkinsが作曲し、ミチェル・パーリッシュMitchell Parishが作詞したポピュラーソング。このパーキンスとパー…

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3日前

Echoes of Spring/Echo of Spring

「エコーズ・オブ・スプリング Echoes of Spring」あるいは「エコー・オブ・スプリング Echo of Spring」は1935年にウィリー・ザ・ライオン・スミス Willie "The Lion" Smi…

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3日前

Candlelights

「キャンドルライツ Candlelights」は1930年にビックス・バイダーベック Bix Beiderbecke が作曲した4つあるピアノ作品のうちの一つ。ビックス自身は録音をすることがなか…

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5日前

Dixie Jamboree

「ディキシー・ジャンボリー Dixie Jamboree」はライル・グリフィンLyle Griffinとチャールズ・カレンダーCharles Callenderによって作詞作曲されたジャズ・ナンバー。同名…

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6日前

Do What Ory Say

「ドゥー・ワット・オーリー・セイDo What Ory Say」はキッド・オリー Kid Oryが作曲した作曲年不詳のジャズ・ナンバー。キング・オリヴァー King Oliverもメロディの作成…

しゅみお
7日前
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Fair and Square in Love

「フェア・アンド・スクエア Fair and Square」あるいは「フェア・アンド・スクエア・イン・ラヴ Fair and Square in Love」は1938年にアンディ・ラザフAndy Razafが作詞し…

しゅみお
7日前

Every Evening (I Miss You)

「エヴリ・イヴニング(アイ・ミス・ユー) Every Evening (I Miss You)」は1927年にジミー・マクヒュー Jimmy McHughが作曲し、ビリー・ローズ Billy Rose が作詞したポピュ…

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9日前

Diga Diga Doo

「ディガ・ディガ・ドゥー Diga Diga Doo」は1928年位 ジミー・マクヒュー Jimmy McHugh が作曲し ドロシー・フィールズ Dorothy Fields が作詞したフォックス・トロットの…

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10日前

Diane - Tropical Moon Rhumba

「ダイアン - トロピカル・ムーン・ルンバ Diane - Tropical Moon Rhumba」は1939年にシドニー・ベシェ Sidney Bechetが作曲したダンス・ナンバー。タイトルからもわかるよ…

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11日前

Dear Old Southland

「ディア・オールド・サウスランド Dear Old Southland」は1921年にターナー・レイトン Turner Laytonが作曲し、ヘンリー・クリーマー Henry Creamerが作詞したポピュラー…

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12日前

Embraceable You

「エンブレイサブル・ユー Embraceable You」は1928年にジョージ・ガーシュウィン George Gershwin が作曲し、アイラ・ガーシュウィン Ira Gershwin が作詞したポピュラー…

しゅみお
13日前

Ella Speed

「エラ・スピード Ella Speed」は作曲年・作詞作曲者不詳のブルース。レッド・ベリー Lead Bellyの録音が有名で、1960年代後半のジャグバンドのリヴァイヴァルにおいてしば…

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2週間前
トラッドジャズ・スタンダード目次

トラッドジャズ・スタンダード目次

いろいろジャズを聴いていると探究心が芽生えてくる。ジャズは黎明期からどこでだれが録音に参加したのかが明確なものが多いのでとても探しやすく、また曲は時代をあらわしていて、そういったものを調べるのも面白い。とくに日本では『ジャズ詩大全』などすばらしいシリーズも多い。またジャズは英語でも日本語でもさまざまな分野から学術的に研究されている。それに日本語でも英語でもジャズにかんするサイトやブログが本当に豊富

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Tiger Rag

Tiger Rag

「タイガー・ラグ Tiger Rag」は 1917年に オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンド Original Dixieland Jass Band のメンバーであった ニック・ラロッカ Nick LaRocca、 エディ・エドワーズ Eddie Edwards、 ヘンリー・ラガス Henry Ragas、トニー・スバーバロ Tony Sbarbaro、ラリー・シールズ Larry Sh

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Eh La Bas

Eh La Bas

「エ・ラ・バ Eh La Bas」はニューオーリンズのトラディショナル・ソング。作詞作曲者は不明だがニューオーリンズを中心にさまざまなスタイルで歌われ続けている。

ルイジアナ・クレオール語で歌われており、タイトルを英語にすると“Hey, over there”という意味になり、日本語だと差し当たり「おーい」程度の意味に捉えておいてよいだろう。歌詞はパブリックドメインだからすべて載せて問題ないだろ

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Farewell Blues

Farewell Blues

「フェアウェル・ブルース Farewell Blues」は1922年に ポール・マレス Paul Mares、レオン・ロポロ Leon Roppolo、エルマー・シェーベル Elmer Schoebelによって書かれたジャズ・ナンバー。トラッドジャズのスタンダードであるのと同時にブルーグラスのスタンダードでもある。

おそらく曲のほとんどの部分はシェーベルが書いたものと推察される (Jasen,

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Emaline

Emaline

「エマライン Emaline」は1934年にフランク・パーキンスFrank Perkinsが作曲し、ミチェル・パーリッシュMitchell Parishが作詞したポピュラーソング。このパーキンスとパーリッシュのタッグは同じ年に「星降るアラバマ/スターズ・フェル・オン・アラバマ Stars Fell on Alabama」も書いており、その陰に隠れている感じはするが、とてもロマンチックで素敵な曲であ

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Echoes of Spring/Echo of Spring

Echoes of Spring/Echo of Spring

「エコーズ・オブ・スプリング Echoes of Spring」あるいは「エコー・オブ・スプリング Echo of Spring」は1935年にウィリー・ザ・ライオン・スミス Willie "The Lion" Smith が作曲したジャズ・ナンバー。

資料によってはクラレンス・ウィアムズClarence Williamsとトーシャ・ハモンド TaushaHammed も作曲者に加えられることが

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Candlelights

Candlelights

「キャンドルライツ Candlelights」は1930年にビックス・バイダーベック Bix Beiderbecke が作曲した4つあるピアノ作品のうちの一つ。ビックス自身は録音をすることがなかった。ジャズともクラシックとも言い難い抽象度の高い楽曲。印象派から影響を受けており、現代音楽や現代ジャズの文脈でも十分に魅力的な楽曲だと思う。が、どうしても知名度からか、モダン・ジャズではなかなか演奏されず

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Dixie Jamboree

Dixie Jamboree

「ディキシー・ジャンボリー Dixie Jamboree」はライル・グリフィンLyle Griffinとチャールズ・カレンダーCharles Callenderによって作詞作曲されたジャズ・ナンバー。同名の曲があるが、いずれにせよまったくスタンダードではないし、なんならナット・コール以外の録音を知らないし、資料も探しても見当たらない。が、とても刺さるジャイヴの名曲。

「イット・ドント・ミーン・ア

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Do What Ory Say

Do What Ory Say

「ドゥー・ワット・オーリー・セイDo What Ory Say」はキッド・オリー Kid Oryが作曲した作曲年不詳のジャズ・ナンバー。キング・オリヴァー King Oliverもメロディの作成に携わっている。ジャズ・スタンダードとまで有名ではないがとてもよい曲。

負かせた相手に送る言葉アレックス・ベルハージ Alex Belhajiのアルバムのライナーノーツにおもしろいエピソードがあった。これ

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Fair and Square in Love

Fair and Square in Love

「フェア・アンド・スクエア Fair and Square」あるいは「フェア・アンド・スクエア・イン・ラヴ Fair and Square in Love」は1938年にアンディ・ラザフAndy Razafが作詞し、クィーニー・エイダ・ルービンQueenie Ada Rubinが作曲したジャズ・ナンバー。そこまで録音が多くないし有名でもないのでスタンダードではない。

「フェア・アンド・スクエア

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Every Evening (I Miss You)

Every Evening (I Miss You)

「エヴリ・イヴニング(アイ・ミス・ユー) Every Evening (I Miss You)」は1927年にジミー・マクヒュー Jimmy McHughが作曲し、ビリー・ローズ Billy Rose が作詞したポピュラーソング。録音は少ないのだけれど、とても美しい曲。そんなわけでスタンダードではまったくない。

インストで録音されることの方が多いけど歌詞もある。が、わたしが持っているCDやレコー

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Diga Diga Doo

Diga Diga Doo

「ディガ・ディガ・ドゥー Diga Diga Doo」は1928年位 ジミー・マクヒュー Jimmy McHugh が作曲し ドロシー・フィールズ Dorothy Fields が作詞したフォックス・トロットのポピュラーソング。

ズールー人と呪文ニューオーリンズ/ディキシーランド・ジャズから影響を受けた曲で、1928年初演のオールブラック(出演者のすべてが黒人)のミュージカル『1928年のブラッ

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Diane - Tropical Moon Rhumba

Diane - Tropical Moon Rhumba

「ダイアン - トロピカル・ムーン・ルンバ Diane - Tropical Moon Rhumba」は1939年にシドニー・ベシェ Sidney Bechetが作曲したダンス・ナンバー。タイトルからもわかるようにラテンのリズムを使った曲。ルンバとあるがハードバップとかで聴かれるルンバのパターンとは違う。アーノウ・ラピーが作曲した同名の曲があるが、まったく別の曲。

録音Haitian Orche

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Dear Old Southland

Dear Old Southland

「ディア・オールド・サウスランド Dear Old Southland」は1921年にターナー・レイトン Turner Laytonが作曲し、ヘンリー・クリーマー Henry Creamerが作詞したポピュラー・ソング。黒人霊歌の「ディープ・リヴァー Deep River」のメロディを下敷き、というかそのまま流用した曲 (Graham, 2013)。

「ディープ・リヴァー」自体は「おそらく、一般

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Embraceable You

Embraceable You

「エンブレイサブル・ユー Embraceable You」は1928年にジョージ・ガーシュウィン George Gershwin が作曲し、アイラ・ガーシュウィン Ira Gershwin が作詞したポピュラー・ソング。1930年のブロードウェイ・ミュージカル『ガール・クレイジー Girl Crazy』にて使用されたラブ・ソング。

この曲は一般的には『ガール・クレイジー』の曲と思われているが、

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Ella Speed

Ella Speed

「エラ・スピード Ella Speed」は作曲年・作詞作曲者不詳のブルース。レッド・ベリー Lead Bellyの録音が有名で、1960年代後半のジャグバンドのリヴァイヴァルにおいてしばしば録音/演奏された。

娼婦エラ・スピード「エラ・スピード」とは当時28歳だったニューオーリンズのベイジン・ストリートで働いていた娼婦を指す (SecondHandSongs)。歌詞においては、1894年9月3日

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