しゅみお

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しゅみお

noteでは音楽に関連した社会や文化について書いています。ジャズ、ソウル、ファンク、ヒップホップ、ブルースが好きです。テクノやエレクトロニカも好きです。最近はブルーグラスに凝っています。ジャズは新譜旧譜を含めトラッドジャズやマヌーシュ・ジャズをよく聴きます。

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トラッドジャズ・スタンダード目次

いろいろジャズを聴いていると探究心が芽生えてくる。ジャズは黎明期からどこでだれが録音に参加したのかが明確なものが多いのでとても探しやすく、また曲は時代をあらわしていて、そういったものを調べるのも面白い。とくに日本では『ジャズ詩大全』などすばらしいシリーズも多い。またジャズは英語でも日本語でもさまざまな分野から学術的に研究されている。それに日本語でも英語でもジャズにかんするサイトやブログが本当に豊富。調べてると面白いので続けていたら結構溜まってきたので、noteに残したいなあと

    • Get 'Em from the Peanut Man (Hot Nuts)

      「ゲット・エム・フロム・ザ・ピーナッツ・マン Get 'Em from the Peanut Man (Hot Nuts)」は1935年にリル・ジョンソン Lil Johnsonが作詞作曲したブルース・ナンバー。端的に「ホット・ナッツ Hot Nuts」と表記されることも多い。ブルースやジャズのバンドでしばしば録音/演奏される。 よく聴くと卑猥な曲リル・ジョンソンにかんしてはかつて述べたように詳細はわかっていない。が、リル・ジョンソンはホーカム Hokumやダーティ・ブルー

      • Chlo-e (Song of the Swamp)

        「クロエ Chlo-e (Song of the Swamp)」は1927年にチャールズ・ダニエルズ Charles N. Danielsによって作曲され、ガス・カーン Gus Kahnによって作詞されたポピュラーソング。ダニエルズはニール・モレーNeil Morétの変名でクレジットされている。ちょっと暗い曲調で実際にスコアにも「悲劇的にIn a tragic way」と書かれているが、さまざまな解釈がありえ、必ずしもすべての録音が暗くなされているわけではない。 ヴァース

        • Choo Choo Ch'boogie

          「チュー・チュー・チュブギー Choo Choo Ch'boogie」は1946年にヴォーン・ホートン Vaughn Horton、デンヴァー・ダーリン Denver Darling、ミルト・ギャブラー Milt Gablerによって作詞作曲されたジャンプ・ブルース。ルイ・ジョーダンのシグネチャー・チューンで、ロックンロールの誕生においても重要な曲としてみなされる。 しばしばし言われることではあるんだけど作詞作曲した3人はカントリーなどのウェスタン・ミュージックに背景を持

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        マガジン

        • トラッド・ジャズ&スイング・スタンダード
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        • 音楽について:ジャンル、ムーブメント、プレイリスト
          7本

        記事

          I Can't Believe That You're in Love with Me

          「アイ・キャント・ビリーブ・ザット・ユー・アー・イン・ラブ・ウィズ・ミー I Can't Believe That You're in Love with Me」は1926年にジミー・マクヒュー Jimmy McHughが作曲し、クラレンス・ガスキルClarence Gaskillが作詞したポピュラーソング。一応、「恋のためいき」という日本語のタイトルがあるらしいがエディ・ヒギンスのアルバムくらいでしか使われているところを見たことがない。 コットンクラブのショーで使用された

          I Can't Believe That You're in Love with Me

          Get Rhythm in Your Feet (And Music in Your Soul)

          「ゲット・リズム・イン・ユア・フィート (アンド・ミュージック・イン・ユア・ソウル)」は1935年にビル・リヴィングストン Bill Livingston とジョセフ・ラッセル・ロビンソン J. Russel Robinsonによって作詞作曲されジャズ・ナンバー。 悪魔に追いかけられたらロックンロールをやろう音楽があれば大丈夫!なにも不安なことはないよ!というポジティブな歌詞の曲。じつは、「ロックンロール Rock and Roll, Rock n Roll」という表現が使

          Get Rhythm in Your Feet (And Music in Your Soul)

          Deep Purple

          「ディープ・パープル Deep Purple」は1933年にピーター・デローズ Peter DeRoseが作曲し、1939年にミチェル・パーリッシュMitchell Parishが歌詞をつけたポピュラー・ソング。 スローなテンポで演奏されることが多く詩的でロマンチックな歌詞が特徴。同名のバンドを意識すると肩透かしを食うことが多いだろう。まずこの歌詞は主人公の視点で「深い紫が寝静まった庭の壁に降り注ぎ、夜に星が瞬き始めると」と場面設定から始まる。つぎに「記憶の霧の中で、あなた

          Down Among the Sheltering Palms

          「ダウン・アマング・ザ・シェルタリング・パルム Down Among the Sheltering Palms」は1914年にエイブ・オーマン Abe Olmanが作曲し、 ジェイムズ・ブロックマン James Brockman とレオ・ウッド Leo Wood が作詞したポピュラーソング。発表当時はシカゴを中心にヒットしたが、現在ではさまざまなスタイルで演奏されるジャズ・スタンダードとなっている。 ヤシの木の下で待っていてほしいこの曲は張り裂けそうな恋する気持ちが歌われて

          Down Among the Sheltering Palms

          Gee, Baby, Ain't I Good to You

          「Gee, Baby, Ain't I Good to You ジー・ベイビー・エイント・アイ・グッド・トゥー・ユー」は、1929年にアンディ・ラザフが作詞し、ドン・レッドマンが作曲したポピュラーソング。ジャズにおいてはやはりナット・コール・トリオの録音が有名で金字塔となっている。 ちょっと病んだ恋愛観「ジー Gee」は「ジーザス Jesus」の婉曲表現で「おや!」「ちくしょう!」とかそういった意味。イエス・キリストの名前は安易に出してはならない。そういったエミル・デュルケ

          Gee, Baby, Ain't I Good to You

          Four or Five Times

          「フォー・オア・ファイヴ・タイムス Four or Five Times」は1927年にバイロン・ゲイ Byron Gay が作曲し、マルコ・ヘルマン Marco H. Hellman が作詞したジャズ・ナンバー。トラッドジャズ・スタンダードの一つとして認められる。 ジミー・ヌーン楽団のテーマソング。「いいことは4、5回ある。ため息をつくことも泣くことも4、5回ある。でもどうせ死ぬなら4、5回やってみよう!」というポジティブな歌詞が特徴的。歌物としても録音されるが、それより

          Four or Five Times

          Flat Foot Floogie (with a Floy Floy)

          「フラット・フット・フルージー・ウィズ・ア・フロイ・フロイ Flat Foot Floogie with a Floy Floy」は1938年にスリム・ゲイラード Slim GaillardとSlam Stewartが作詞作曲し、バド・グリーン Bud Greenが補作詞したジャイヴ・ナンバー。たいていの場合は「フラット・フット・フルージー Flat Foot Floogie」と呼ばれる。ジャズ・スタンダードでありジャイヴ・スタンダード。 なお、ここでいうジャイヴとは、ノヴ

          Flat Foot Floogie (with a Floy Floy)

          Floatin' Down to Cotton Town

          「フローティン・ダウン・トゥ・コットン・タウン Floatin' Down to Cotton Town」は1919年にヘンリー・クリックマン F. Henri Klickmannが作曲し、ジャック・フロスト Jack Frostが作詞したポピュラーソング。必ずしもジャズ・スタンダードというほどでもないが、ボーカル・グループをはじめ、さまざまなスタイルで録音されている。 都会から故郷へ帰る「田舎から都会に移った人が故郷に帰る」というテーマはしばしばジャズやカントリーで歌われ

          Floatin' Down to Cotton Town

          From Monday On

          「フロム・マンデー・オン From Monday On」は1928年に ビング・クロスビー Bing Crosby とハリー・バリス Harry Barris が作詞作曲したポピュラーソング。とくにシカゴ・スタイルに志向したミュージシャンがしばしば演奏/録音しており、トラッドジャズ・スタンダードとして認められる。 結婚の言葉「フロム・マンデー・オン」は、結婚する前のカップルの心境を歌った曲。なんで月曜日から幸せなのか?この歌詞で描かれるカップルはまさに月曜日に結婚式を挙げる

          Cocktails for Two

          「二人でカクテルを/カクテルス・フォー・トゥー Cocktails for Two」は1934年にアーサー・ジョンストン Arthur Johnston とサム・コスロウ Sam Coslow が書いたポピュラー・ソング。映画『絢爛たる殺人 Murder at the Vanities』で使用された。 禁酒法とカクテル1920年から1933年までアメリカ合衆国の全土で執行された禁酒法Prohibitionの撤廃について歌われる。たとえば以下のようになっている。 禁酒法は、

          Cocktails for Two

          Fit as a Fiddle

          「フィット・アズ・フィドル Fit as a Fiddle (and Ready for Love)」は1932年にアル・ホフマン Al Hoffman とアル・グッドハート Al Goodhart によって作曲され、アーサー・フリード Arthur Freed によって作詞されたポピュラーソング。トラッドジャズに志向するミュージシャンに録音されているジャズ・スタンダード。 結婚にかんする曲で、恋人同士の二人の相性が「ぴったり当てはまる Fit as a Fiddle」とい

          Don't Take That Black Bottom Away

          「ドント・テイク・ザット・ブラック・ボトム・アウェイ Don't Take That Black Bottom Away」は、1926年にハリー・リンクHarry Linkが作曲し、アディー・ブリット Addy Britt とサム・コスロウ Sam Coslow が作詞したポピュラーソング。ジャズのスタンダードと言うほど録音/演奏されているわけではないが、軽快で可愛らしい曲。 ブラックボトムの人気っぷりがわかる曲これまで「ブラックボトム・ストンプ Black Bottom

          Don't Take That Black Bottom Away