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Down Among the Sheltering Palms

「ダウン・アマング・ザ・シェルタリング・パルム Down Among the Sheltering Palms」は1914年にエイブ・オーマン Abe Olmanが作曲し、 ジェイムズ・ブロックマン James Brockman とレオ・ウッド Leo Wood が作詞したポピュラーソング。発表当時はシカゴを中心にヒットしたが、現在ではさまざまなスタイルで演奏されるジャズ・スタンダードとなっている。

ヤシの木の下で待っていてほしい

この曲は張り裂けそうな恋する気持ちが歌われている。この曲においては主人公は「東へと向かっている」。そうするとだんだん「恋する気持ちが大きくなる」。「西に向かう君」を思うと「心から君を欲しくてたまらなくなる」。また主人公は「北に行って素敵なところを見た」し、「南にいって素敵な人を見かけた」けど、自分の愛する人ほどの人物はいなかった。そして、ぼくを「ヤシの木の下で待っていてほしい」。「君に会えると思うと胸が張り裂けそうだ」と歌われる。

歌詞のなかに登場する「あの古いゴールデン・ゲート the old golden gate」がどこを指しているのかがわからないけど、サンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジではないだろう。というのもこの橋の建設は1933年に始まり、1937年に完成したから時代が合わない。まあ、そもそも厳密な場所があるのかはわからないので、差し当たり二人の思い出の場所と捉えておいてよいだろう。

録音

The Boswell Sisters (NYC, August 6, 1932)
Connie Boswell (Vocal); Martha Boswell (Vocal); Vet Boswell (Vocal); Manny Klein (Trumpet); Jimmy Dorsey (Alto Saxophone, Clarinet); Larry Binyon (Tenor Saxophone); Tommy Dorsey (Trombone); Fulton McGrath (Piano); Dick McDonough (Guitar); Artie Bernstein (Bass); Stan King (Drums)
ボズウェル・シスターズをドーシー楽団がバックアップした録音。どちらの素晴らしさも楽しむことができる録音。素晴らしい!

Eddie Condon And His Orchestra (NYC, August 6, 1947)
Wild Bill Davison (Cornet); Pee Wee Russell (Clarinet); Jack Teagarden (Trombone); Gene Schroeder (Piano); Eddie Condon (Guitar); Morey Rayman (Bass); Johnny Blowers (Drums);
シカゴ・スタイルの伝導者エディ・コンドン楽団の録音。ここではまさにシカゴ・スタイルな熱いソロを聴くことができる。ディヴィソンのコルネットが冴え渡っており、またジャック・ティーガーデンのトロンボーンも熱い。後年のシカゴ・スタイルのこの曲の録音の手本となっているような録音。

Ed Polcer’s All Stars (Atlanta, Georgia, May 12, 1991)
Allan Vache (Clarinet); Ed Polcer (Cornet); Bob Havens (Trombone); Marty Grosz (Guitar); Johnny Varro (Piano); Jack Lesberg (Bass); Hal Smith (Drums);
エド・ポルサーの録音。こちらの録音もシカゴ・スタイル。コンドンの録音を参考にしてはいるけれど、そこに縛られないソロを聴くことができる。

The Stolen Sweets (Portland, Oregon, 2006)
Jen Bernard (Vocal); Lara Michell(Vocal); Erin Sutherland (Vocal); Pete Krebs (Guitar); David Langenes (Guitar); Keith Brush (Bass)
2005年からポートランドで活動しているバンド。ボズウェルズ+ジャンゴ・スタイル。とても楽しい録音でまたコーラスも演奏も素晴らしくかっこいい!わたしとしてはドブロギターに萌える。素敵!

Steve Pistorius Trio (New Orleans, November 12–16, 2014)
James Evans (Clarinet, Saxophone); Orange Kellin (Clarinet); Dave Sager (Trombone); Steve Pistorius (Piano, Vocal); James Singleton (Bass); Hal Smith (Drums);
ニューオーリンズで活動しているスティーヴ・ピストリアスの録音。これも牧歌的で素敵。


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