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さつき@読む温泉
2021年3月20日 13:25
「がんばれ!」応援席の私は、バスケの試合を見守る。シュート。歓声。「キャプテン、かっこいいね」隣の友達がささやく。私達はキャプテンの追っかけだ。なのに今日は、なぜか君に目がいってしまう。ただの幼なじみなのに。走る姿、真剣な横顔。「かっこいい」「だよね」君にドキドキする。 ☆ ☆ ☆試合終了。うちの学校は負けた。応援してた私は、会場から出るメンバーを迎えた。「お疲れ様」
2021年3月16日 09:15
会社の新年度は、いつも運動会がある。豪華な賞品つきで。今年は山登りだ。皆どんどん進む。私は日頃の寝不足と体力不足で、途中でリタイア。実行委員の人が付き添いをしてくれた。「足、痛みますか」「少し」「肩を貸しますよ」イケメン顔が間近に。ドキッとした。夫とのなれそめの話。--------------------------***こちらはTwitterの 140字小説( https:
2021年3月13日 06:50
僕たちは今日でピリオドを打つ。彼女のアパートに、僕の物はもうない。「忘れ物は」「大丈夫」淡々と確認する。誕生日などイベントのたびに贈り合ったモノたちも、みな返した。「それじゃ。……あっ」彼女は小さく声をあげ、奥にひっこむと、手に小さな何かを持ってきた。アトマイザー。そのキャップをはずし、自分の手首にシュッとひと吹きする。「これも返したほうがいい?」「持ってていいよ。もと
2021年3月5日 08:39
私は雪女よ。最期に君は笑った。だから空に還っていくわ。雪国育ちだったね。君の純粋さは、雪のように白かった。クールな所は、雪の冷たさ。微笑みは、日の下の雪のきらめき。君の体は、雪肌のなめらかさ──君の故郷を歩く。君のかけらを探して。気がつくと山に迷いこんでいた。雪が降る。ためらいがちに。ああ、君だね?自由になった君は、雪の舞いで僕の肩をたたく。僕の頬をぬらし、唇にふれ、
2020年12月28日 06:08
社内の気になる先輩が、車の免許を取った。新車か中古車のどちらを買うか、同僚と話している。「傷つけないように気をつけるから新車」「ぶつけても心配ないから中古」「迷うなー」先輩は笑いながら、私のほうに来た。「助手席に人がいると、運転が上達するんだって。こんど乗ってくれない?」