さつき@読む温泉

趣味は心のビタミン。3行詩と超短編小説をつづります。読んだ人の心がほっとするような「読…

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趣味は心のビタミン。3行詩と超短編小説をつづります。読んだ人の心がほっとするような「読む温泉」を目指しています https://twitter.com/satsukispa

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最近の記事

私が書く理由

結婚して数年後に、癌になった。 それまで私にとって死は、いずれは訪れるだろうが、まだ遥かずっと先のものだった。 それが、ふと顔を上げたら至近距離に立っている。 覚悟をした。遺書を書いた。 手術をした。 あれから10年。死はもはや古い友人のようだ。 私は生を歌い続けるだろう……最期まで。 (おまけで頂いた命をどう使おうかと考え中。とりあえず書いた描いたりしてるところです) -------------------------*** こちらはTwitterの記事( http

    • デジタルの塗り絵 練習中。 スマホのアプリにて、前回より。にじまないのですごく楽。 「試供品どうぞ☆」にも見える(^-^ゞ …でも愛の試供品、あるかなあ。あるとしたらどんなのだろう。 初出:Twitter https://t.co/0U2bmDQHvL

      • 石を食べるのは【掌編小説】

        「石を食べるサイがいる。群れを作って町に現れ、石や岩を食べていく。そして数日すると、別の町へと移動していく」 そんな話を、子供のころ作ったことがある。 童話のつもりだった。不思議な世界の。 今は思う。あれはどこにも居場所がなかった自分の、振り下ろせなかった拳だったのではないかと。 -------------------------*** こちらはTwitterの 140字小説( https://twitter.com/asakawario/status/1355879

        • 闇がわたしを包みこみ、手も足も体も溶けていった。 残されたこの哀しみだけが、世界にたたずんでいる。 星も道も己れも見えず。ただわたしは途方にくれる。 -------------------------*** こちらはTwitterの 140字小説( https://twitter.com/asakawario/status/1355335499972403203?s=19 ) を再掲したものです。

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        • 掌編小説
          25本
        • 3行詩
          19本

        記事

          君に恋する5秒前【掌編小説】

          「がんばれ!」 応援席の私は、バスケの試合を見守る。 シュート。歓声。 「キャプテン、かっこいいね」 隣の友達がささやく。私達はキャプテンの追っかけだ。 なのに今日は、なぜか君に目がいってしまう。ただの幼なじみなのに。走る姿、真剣な横顔。 「かっこいい」 「だよね」 君にドキドキする。    ☆ ☆ ☆ 試合終了。うちの学校は負けた。応援してた私は、会場から出るメンバーを迎えた。 「お疲れ様」 皆が泣いていた。君を除いて。 なぜかな。私には、君の心が泣いているのが分かるよ

          君に恋する5秒前【掌編小説】

          恋愛前逃走症【掌編小説】

          誰にでもフレンドリーに接してしまう。 「こんど飲みましょう」のお誘いメールには、「じゃあ友達も呼びますね」と返信を。 がっかりされても気にしない。 すぐ恋が壊れるのは見えている。 幻滅されたくない。傷つきたくない。 ならば最初からスタートしないほうがいい。 恋がしたい。恋が……恐い。 -------------------------*** こちらはTwitterの 140字小説( https://twitter.com/asakawario/status/13544

          恋愛前逃走症【掌編小説】

          ゆる絵を描きました。 謎の動物。心の中で長いこと飼っています。 元は子供のころ、父が描いてくれたもの。(シッポはすこし違ったかも) それにしても自分、絵と小説の振り幅がすごいかもです。絵のゆるさときたら… (//∇//)

          ゆる絵を描きました。 謎の動物。心の中で長いこと飼っています。 元は子供のころ、父が描いてくれたもの。(シッポはすこし違ったかも) それにしても自分、絵と小説の振り幅がすごいかもです。絵のゆるさときたら… (//∇//)

          君と僕の世界は【掌編小説】

          「僕と君とは、持っている世界がぜんぜん違う。 僕は、君のようには作れない。 君も、僕のものは作れない。 ライバルって喧嘩するかい? 嫉妬もするのだろうか。 それでも僕は、君の世界が好きだよ。 応援してる。いつもエールと拍手を送っているよ。 きれいごとの意見かもしれないけどね」 ほら、僕は偽善者だからさ。と彼はシニカルな笑みを浮かべたけれど。 あの時の言葉は本心だったと、わたしは今でも思っている。 -------------------------*** こちらは

          君と僕の世界は【掌編小説】

          豪華賞品【掌編小説】

          会社の新年度は、いつも運動会がある。豪華な賞品つきで。 今年は山登りだ。皆どんどん進む。私は日頃の寝不足と体力不足で、途中でリタイア。 実行委員の人が付き添いをしてくれた。 「足、痛みますか」 「少し」 「肩を貸しますよ」 イケメン顔が間近に。ドキッとした。 夫とのなれそめの話。 --------------------------*** こちらはTwitterの 140字小説( https://twitter.com/asakawario/status/13518874

          豪華賞品【掌編小説】

          裏にあるもの

          君は憎悪に凝り固まってた。 でも知ってるかい? それは愛の裏返しだ。 君は貪欲なまでに、愛を欲していたんだよ。 初出: https://twitter.com/asakawario/status/1351727384861425676?s=19

          義務との相克【掌編小説】

          右手にアザができた。 すこし痛い。 病院の薬を塗ると痛みは消えた。 でもやめると再発する。 治らない。 理由が分からないまま、アザは手に何年もあった。 大小の変化はたまにある。広がることもあるが、数ヶ月かけてまた元の大きさに戻る。 考えた。 大きさの変化に、法則性はあるのか? ハッとした。 自分に合わない仕事についた時や、家族サービスが多い時期に、アザは大きくなっていた。 これはつまり、自分の本心「やりたくない」と連動してるのだろうか……? 自分の仕事や家族と

          義務との相克【掌編小説】

          さよならインラブアゲイン【掌編小説】

          僕たちは今日でピリオドを打つ。彼女のアパートに、僕の物はもうない。 「忘れ物は」 「大丈夫」 淡々と確認する。 誕生日などイベントのたびに贈り合ったモノたちも、みな返した。 「それじゃ。……あっ」 彼女は小さく声をあげ、奥にひっこむと、手に小さな何かを持ってきた。 アトマイザー。 そのキャップをはずし、自分の手首にシュッとひと吹きする。 「これも返したほうがいい?」 「持ってていいよ。もともと2人のものだし」 「……そうね」 彼女はアトマイザーを見つめ、そっと握りしめ

          さよならインラブアゲイン【掌編小説】

          小さな灯へ【3行詩】

          あなたは 平凡な、でも ただ1人だけの あなたなのです。 そんなあなたを わたしは愛しています。 --------------------------*** こちらはTwitterの 3行詩( https://twitter.com/asakawario/status/1350912506315694081?s=19 ) を、再掲しました。 サインは昔のもの。

          小さな灯へ【3行詩】

          あれから10年。 亡くなった方のご冥福をお祈り致します。 私たちも命の尊さをもう一度見つめ直し、愛にみちた1日1日をつなげていきたいと思います。

          あれから10年。 亡くなった方のご冥福をお祈り致します。 私たちも命の尊さをもう一度見つめ直し、愛にみちた1日1日をつなげていきたいと思います。

          空に遊ぶ【詩】

          空に走る黒い影。 ツバメでした。 ひらり、ひらり。 舞うように、遊びたわむれるように。 春を運んできてくれました。 (ツバメが大きくなってしまった。強調……? 空飛ぶペンギン……? ( ´∀`)) 初出: https://twitter.com/asakawario/status/1367435622642712577?s=19

          空に遊ぶ【詩】

          春のつくし【掌編小説】

          暖かくなって、つくしは起きました。 まわりはきれいな花がたくさん咲いています。赤、白、黄色。 子供たちが、花を思い思いにつんでいます。花束にしたり、髪にさしたりて遊びます。 でも、花の咲かないつくしは見向きもされません。 つくしは道端に小さくなっていました。 「これ、なあに」 お母さんと歩いていた子供が、足を止めました。 「つくし」 ママは笑顔になりました。 「小さかったころに、よく集めたわ。お母さんといっしょに」 「ママのママ?」 「そう、ばぁばとね」 ママはしゃ

          春のつくし【掌編小説】