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夭折願望

物心がついた頃から「長く生きたくない」と漠然と考えていた。

今でも毎日のように思う。毎日のように思いながら、一日一日を重ねている。

上手く忘れられる日はいい。どうしたって思い出す日がある。


年末年始は心が慌ててしまうから、あまり“年末年始感”を感じたくないのだが、引っ張られやすい心がいつも通り引っ張られて、慌てて焦っている。

明けて2019年、今年に入って初めての人物撮影をした。

年末年始感がそうさせたのかわからないが心変わりがあり、いつもとは少しスタイルを変えた。
やりたいことが散らかっていて、毎日心が変わる。一貫性だとか、統一感だとか、そういったものを持てないでいる。

今回の撮影にあたって、モデルをしてくださったRyuji Ogawaさんには一つのイメージを伝えた。

それはJAGATARAというバンドの「タンゴ」という曲だ。

夭折願望の強い僕は、どういうわけか引き込まれるように早く死ぬアーティストにたどり着く。
JAGATARAの江戸アケミさんもそうだった。

しかし僕が知ることのできるアーティストたちは、心と身体と理想と現実の解離を見事に表現して(或いは本人は表現しきれなかったと思っていたかもしれないが)、“作品”を残してこの世を去った。

写真は写実だ。そこに心を写したい。
思想や幻想や哲学、倫理、コンプレックスや絶望も感じるままに写してしまいたい。誰に遠慮することもなくやってしまいたい。

僕があこがれてしまう人たちは、みんなそれをやってしまった。

…そんなことを毎日考える。毎日考えながら、犬の散歩をして、晩御飯を作って、お風呂に入って、ストレッチをして、早めに寝る。
お酒も飲めないしタバコも吸えない。苦しいことからはとことん逃げたい。

今日は犬のおやつとご飯を買いに行った。なんなんだ、この穏やかさは。
歯磨きガムをむしゃむしゃ頬張る愛犬を眺めてにこにこしている。

これもひとつの解離、或いは救いだ。
ありがとう、とりあえず、また明日。

明日は1月9日だ。



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