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部活とバイトと学校(第12話)

SNSで大反響だった実話
小5と余命宣告」続編(第12話)です。

父ひとり、子ひとりの家庭で育った娘が
小5の時に、その父の余命宣告を受け
その後の覚悟と成長を描いた実話。

脚色は一切なし。
むしろ、各方面に配慮し
わざわざ抑えて書いているくらいです(笑)

ということで、
これは長~く続く連載ものです。

初めての方は、1話からどうぞ。





あれよ、あれよと
あっさり決まったアルバイト。


休みなく 毎晩出勤するので
これまでとは生活が激変する。


忙しくなってしまった以上
自分にとって大事だと思うことにしか
時間は使えない。


当時の優先順位は、以下の通り。

1.バレーボール(部活)

2.アルバイト

3.睡眠

4.給食


何度読んでも
「勉強」が入っていない(笑)


まず、第1位の部活。

そこそこ強いチームだった。

市内で1~2位を争い、
常に県大会を狙う
本気度高めのチーム。

もちろん、レギュラー。


練習も結構キツい。

夕方だけでなく
朝練や昼練(昼休み)が
あった時期も。


そんな一日を終えて、
一旦家に帰ったら、
高校生を装うための
スポーツジャージに
わざわざ着替えてから、出勤。


帰宅は、いつも
日付が変わってから。

もちろんバスはない。

揚げ物担当の調理師のおじさんが
隣町に住んでることが判明して以来、
送ってもらえるようになった。


それから、寝る準備をして
寝るのは、だいたい深夜1時すぎ。


起きたら、朝練へ。

という毎日。



優先順位第1位!

だからね。

疲労を溜めて

プレイに支障をきたすわけにはいかない!

ちゃんと身体を休めないと!


ということで

寝るのは、当然、授業中。。。



先生たち、安心して!

授業がつまらなくて

寝てるんじゃないの!

自らの身体のために、

あえて寝ているのよ!


寝る為のタオル(枕)も用意して
堂々と寝ていた。


部活が終わってからのバイトは

広い調理場の中を歩き回っていて

休憩時間以外は、座ることはない。

という体力仕事。

疲れていない わけない。


おかげで授業中の睡眠が、

まぁ、深いこと、深いこと。



先生たちも、
たくさん起こしてくれたけど

起きない、起きない(笑)

そして、先生諦める。

というお決まりのパターンが
出来上がっていった。


授業のほとんどを
寝て過ごしているのだから
疲れが溜まりようがない(笑)


「ほとんど寝てるだけなのに、

 なんでわざわざ学校に来るの?」


誰かに聞かれたこの質問に

「給食と部活に用があるの」


と答えた記憶がある。


ただ、全ての授業が
そうだったわけではない。

自ら望んで受けたいと思う科目が
いくつかあった。

興味があったから

将来の役に立ちそうだから

と理由は様々だけど、

学びたいという意欲が

ないわけでは

決してなかった。


興味がある、ない の違いはあるものの
勉強が嫌いだったわけではない。

勉強よりも優先したいものが

あっただけの話で

嫌いになれるほど、

向き合ってもいない。



向き合える環境があったのなら

嫌いになれただろうか…




中学生、思春期真っ只中!

だったが

家に居る時間が激減し、

父とも少し距離ができたことで

小さなことも気にならなくなった。


話したくない人(父)に頼まなくても

お金を手にすることができるようになって

気持ちにも少し余裕が出始めた。

いつもイライラしていた

私の精神も安定してきたようだった。



アルバイトは、

親子関係の改善にも

良い効果をもたらした。


はずだった。。。




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