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初給料の使い道(第13話)

SNSで大反響だった実話
小5と余命宣告」続編(第13話)です。

父ひとり、子ひとりの家庭で育った娘が
小5の時に、その父の余命宣告を受け
その後の覚悟と成長を描いた実話。

脚色は一切なし。
むしろ、各方面に配慮し
わざわざ抑えて書いているくらいです(笑)

ということで、
これは長~く続く連載ものです。

初めての方は、1話からどうぞ。





中2の時から始めたアルバイト。

運動部との両立は、
辛くなかったと言えば嘘になる。


練習がハードで
ヘトヘトになって帰った日なんかは、


このまま家で
テレビ見てゆっくりしたいなぁ


と、悪魔が
何度も何度もささやいてくる。


ダメダメ!

そんなことしたら
みんなに迷惑掛けちゃう。


次の一瞬で、その悪魔を封じ込めて

テレビを消し、支度を始める。


そんな日を何度か繰り返したら

帰ってからテレビを付けることすらなくなった。


誰に頼まれたわけでもない。

自分でやろう!と決めて、

自分で始めたんだ。

いい加減なことは、できないよね。



そうやって真面目に働くことで
お金を手にするようになる。


低い時給に、限られた時間。

どんなに頑張ったところで
月に3万~4万程度。


この額は、
普通の中学生にとったら
喜べる大金


だけど

フツーじゃない私にとったら
ただの手段だ。


自分の生活を安定させる

自分を気持ちを安心させる

ただの手段。

この手段を使って

一番最初に私が手にしたのは

「コンタクトレンズ」。


当時、メガネは
生活保護で買ってもらえた。

けど、コンタクトレンズとなると
それは贅沢品という扱い。

だから、
どこからも補助が出ない。


もちろん、そのメガネを買うときも
上限額が決まっているので、
スポーツ用とか そういう
しっかりしたものではない。

練習中にボールが顔に当たって

メガネが割れたり、

まぶたを怪我したり

なんてこともよくあった。


だから部活の顧問も、
気軽に言うんだよ。

「危ないから、早くコンタクトにしろ」

って。


ガスが平気で止められるような家に
コンタクトレンズを買う金なんか
ある訳ないのにね。。。


ま、でも一応
ダメ元で、父親に話してみた。


「目を怪我して危ないから、
 コンタクトを買ってもらえ
 って部活の先生に言われた。」


返ってきた言葉は


「自分で買えよ。
 もう稼いでるんだから。」


いつもケンカばかりしていたが

この時ばかりは


ホント、その通りだ!

それが一番確実だ!!


彼の言葉が私の中に、
スッと入ってきた。


困ったら自分で
何とか出来る手段を
手に入れたんだ。


そうだよ!

こーゆー時のために使うんだ!


「貯金!とにかく貯金!」

しか頭になかったので

「使う」ことにすごく抵抗があった。


なので、

なにに、どう使うか。

がすごく大切。


そして、この時から、
私の中に明確なルールができた。



「必要なとき」


自分が必要だと感じた時だけ
お金を使っていい。という許可。


とはいえ当時は、
まだまだ高かったコンタクトレンズ。

それを買うための貯金の方が
先に必要だったのだけど、

明確な目標ができたことで
アルバイトのやる気度が更にUP!


そのバイト自体も結構楽しかった。


年齢が近い高校生のリカちゃんに
仕事の内容だけでなく
色々教えてもらった。


食洗機の仕事が終わるのを
2人で待ちながら、
コソコソと恋バナをしたり


リーダーのミネさんの
あだ名を付けて、笑ってたり。。。


「洗い場(あらいば)の婆さんだから

 洗いババア 🤣」


もちろん、ナイショ (´艸`*)

こんな失礼で面白いことを言い出すのは
当然私の方なんですけどもね(笑)


他のスタッフさんたちの
あだ名も考えながら、
クスクスしていたり。。。


社長に見つかると

「いつまでも喋ってないで仕事しろー!」

と注意される。

でも、その後にも

「また見つかっちゃったね~😝」の

アイコンタクト(笑)


プライベートで遊ぶ時間なんてなかったが
ここに来れば会える仲良しの先輩だった。



そんなこんなで
結構充実した日々の中
中3夏となり、県大会出場を最後に
第一優先だった部活を引退した。


それまで、部活をしていた時間を
周囲は、受験勉強にシフトチェンジ。

私はもちろん、お金稼ぎにチェーンジ!


お願いして、出勤時間を
可能な限り増やしてもらった。



もちろん他にも金になることはないか?


と、私のアンテナも

力強く伸びていった。



→ イラン人との偽装結婚(第14話)



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