サソリオレンジ高村

吉本3年目サソリオレンジの高村です。 早稲田大学卒業。アクセンチュアから内定を貰って、…

サソリオレンジ高村

吉本3年目サソリオレンジの高村です。 早稲田大学卒業。アクセンチュアから内定を貰って、吉本の養成所を選びました。我が家のハムスターについて真面目に書いてます。

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  • ハムスターに感化される売れない芸人の話

    うちのハムスターが子供を産みました。

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ハムスターに感化される売れない芸人の話 1.母の日

内臓が飛び出たのかと思った。 毎朝、フェレットが餌を寄越せと格子をかじり揺する騒音で目が覚める。 視界の半分以上が目蓋の裏側って状態で、 外出自粛に責任を転嫁したくなる重い身体を、 いつの間にやら増えてしまった我が家の小動物たちに傾けていく。 3匹同じケージで暮らすロボロフスキーハムスターという生き物。 ハムスターの中では最小の種類。 未だ寝惚け眼の僕とは違い、その小さな身をこれでもかと燃やして滑車を回している。 餌の時間ではない、充分に餌も水も残っている。 最近は専ら新

    • ハムスターに感化される売れない芸人の話 17.死と隣り合わせ

      飼育しているハムスターが亡くなった。 ロボロフスキーハムスターの雌を6匹同じケージ内で飼っていた。 全員で身を寄せ合い寝ているところに餌交換をしようと僕の手が伸びると、 いつものように皆慌てて散っていく。 しかし1匹見当たらなかった。 5匹の温もりが残った床材を少し除けると、 白く固い亡骸が生の終わりを教えてくれた。 寝ているだけなんじゃないか、 なんてよくある感想は少しも脳を過らなかった。 臆病なロボロフスキーハムスターだ、 僕の手の中で眠りに落ちるなんてことは無く

      • ハムスターに感化される売れない芸人の話 16.「安くてごめんね」の謝罪相手

        我が家の最初のペットは ジャンガリアンハムスターのムクだ。 去年の今頃、 小動物フェアだかウィンターキャンペーンだったかで購入をした。 1980円のところ980円、半額だった。 ケージやら餌やらはセール対象では無く、 結局飼育環境を整えるなら1万円ほどかかる。 この前も 小動物フェアのチラシが店内に貼られていた。 店内を見回すと、 家族が決まりましたとか、 ご成約済みだとか、 少し静かに見えた。 そういう文言が貼られていないケージで 少し大きくなった小動物たちが冬を

        • ハムスターに感化される売れない芸人の話 15.主語の大きい人

          また何匹か、名乗り出てくれていた方に 里親になっていただく。 どうか大事にしてくれたら嬉しい。 我が家のハムスターは、元気で、可愛くて、 幸せに生きる権利がある。 気付けばもうみんな立派なハムスターだ。 我が家のハムスター育児イベントも 幕引きが近い。 我が家のハムスター育児は、 実に順調であったといえる。 大きな病気や怪我もなく、 誰一匹欠けることなく。 ただ、これはあくまで、 我が家のハムスターの話だ。 この体験を基に、 ハムスターの育児は、 と語り出すのは間違

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        ハムスターに感化される売れない芸人の話 1.母の日

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        • ハムスターに感化される売れない芸人の話
          17本

        記事

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 14.帰還

          生きてた。 大掃除の時以外には陽の目を浴びることはない、ベッド裏で。 筆者都合で記事にしたのは今日だが、 脱走した当日の深夜に発見された。 包み隠さず言うならば、諦めていた。 丸一日いなくなった生後2週間のハムスターが、 生きているわけないと思っていた。 死骸は見つかるのかな、見つからないのかな。 うちのフェレットが食べちゃうのかな、 食べてもお腹壊さないのかな。 とか考えてた。 どうやら食べるらしい。 もはや調べてもいた。 長い長い冒険を終えた赤ちゃんハムスター

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 14.帰還

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 13.脱走

          1匹いなくなった。 ケージをひっくり返し、隅から隅まで探しても、昨日より1匹減っている。 一昨日も1匹減っていた。 一番古株のジャンガリアンハムスター。 この時は1匹減っていることに気付くよりも先に、 ベッドの横をうろちょろしているのに気付いた。 好奇心旺盛で、見つかっちまったかと悔しそうな顔をする。 今朝いなくなったのは、 2週間前に我が家で生まれた、 ロボロフスキーハムスター。 臆病なので人間に自ら近づくことは殆ど無い。 自力歩行は最近可能になったばかり。 どこかで飢

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 13.脱走

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 12.飼育慣れと育児慣れ

          31日目と13日目を迎えた。 31日目組は5匹いた赤ちゃんも、 里親に出して今はメス2匹が母親と暮らしている。 そのはずだったが、 1匹はオス疑惑が色濃くなり、父親と同居させた。 気性の荒いオス同士だが、 今のところはうまくやっているように見える。 13日目組は、7匹無事に育っているようである。 自立歩行を確認したので豆腐を与えたりした。 2組目という言い方で正しいかは分からないが、 慣れたものである。 この後赤ちゃんたちは目が開いていき、 もし繁殖させないと決めるな

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 12.飼育慣れと育児慣れ

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 11.雌雄

          生後26日目。 もう親ハムスターと遜色のない大きさに見える。 里親掲示板などを見ていると、 引き取り手の性別の指定がある。 ロボロフスキーハムスターは 比較的縄張り意識が低く、 同じケージで飼っても問題ないとされるが、 それでもオスは多少気が荒いので、 メスなら複数、オスなら1匹で引き取ります、 という風な具合のものが多い。 ではハムスターの雌雄の見分け方とは何か。 性器と肛門の間の広さである。 その間が狭ければメス、広ければオスだ。 手に取りひっくり返せば、いとも

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 11.雌雄

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 10.里親

          名乗り出てくれていた方に、 里親になっていただいた。 生後23日目、5匹のうち3匹とお別れした。 里親様、どうかうちの子の幸せな暮らしを祈っております。 どうもホワイトフェイスのロボロフスキーは珍しい種らしく、とても喜んでくれていた。 親心だろうか、悲しくも嬉しくもあった。 里親とは、他人の子供を里子として預かり、 養育する親のことである。 里親になっていただく方が、 親ハムスターから子を預かるという形だ。 受け取ったあの方は親になった。 考えてみると、僕は親とは呼ばれな

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 10.里親

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 9.十九日目と一日目

          生まれてから十九日が経った。 引き取りたいと手を挙げてくれていた方との連絡が進む。 生まれてから数時間が経った。 父親がどうも育児の邪魔にしかなっていないようで、別ケージに隔離。 夫婦揃って育児をするパターンを観察したかったが、どうもうまくはいかない。 予想はしていた。 交尾のシーンを捉えていなかっただけで妊娠の兆候は確認できていた。 今朝、赤黒い塊が幾つか四散しているのを発見。 我が家で二事例目の出産だ。 2人目の母親はとても体が弱かった。 3匹同時に購入したロ

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 9.十九日目と一日目

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 8.親離れ

          生後十七日目 サイトにも依るが、 出産後3週間を過ぎたら親子、もしくは男女を別ケージで飼うことが推奨されている。 生後1か月ほどで繁殖機能を有するので、親子兄弟でもその数を増やしてしまう恐れがあるためだ。 親離れの時期が近づいている。 ハムスターの親離れは、今生の別れだ。 現在子供たちは成長し、自力で餌が食べられるようになったとはいえ、 まだ動き回る親の乳房に必死で食らいつき、差し詰めショルダーバッグのように過ごす姿を未だ我々に見せる彼らが、 近いうちに二度と親と会え

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 8.親離れ

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 7.目が開く

          目がうっすらと開いてきた、気がする。 おそらく気のせい。 言葉が通じないから、何も教えてくれないので、何かに気付こうと観察を繰り返す。 でもそろそろ目が開くはず。 今回は目が開くということについて。 人間にとって目を開くことは特別な意味を持つ。 当選の暁には達磨に目を、古くは開眼供養と称し大仏に魂を込めていた。 入眼という言葉が物事の完遂という意味を持つ。つまり、目の完成とは仕上げである。 ロボロフスキーハムスターたちも、 目を開いたころからは人間の手で少しずつ触れ

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 7.目が開く

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 6.ハムスターらしさ

          生後10日目を迎えた。 各々で食事を摂る姿を目撃。 毛もだいぶ生えてきた。 どうも調べると、 「10~12日目を過ぎたころから、毛が生え揃い始めハムスターらしくなる。」 という文章をネットで見つけた。 少しハムスターらしさについて考えてみる。 毛が生え揃い始めたらハムスターらしくなる、 ということは、 毛が生え揃っていないうちはハムスターらしくない、ということだ。 生後10日目を迎えるまでの我が家のハムスターたちは、曰くハムスターらしくなかったらしい。 例えばセミら

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 6.ハムスターらしさ

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 5.赤裸々

          生後7日目。 色が薄くなってきて、 産毛のようなものも確認できる。 生まれたての頃と比べれば、 僅かな期間であるが成長を感じることができる。 ロボロフスキーハムスターの赤ちゃんは、 赤裸で誕生する。 生まれたての赤ちゃんを赤黒い何かと呼んだが、赤裸(あかはだか)と表現するそうだ。 あからさまという意味で使う「赤裸々」は、 赤裸をより強調するための表現とのこと。 なるほど、ならば「あからさま」という言葉も、漢字にすれば「赤裸様」ということか。 調べると「明から様」だそ

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 5.赤裸々

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 4.父親

          くつろぐハムスター。 ここまで野生を忘れてくれていると、飼い主冥利に尽きる。 出産後、母子以外の二匹を別ケージに移した。 共食いという行為が珍しくないためである。 その二匹には、父親も含まれている。 ハムスターの父親が育児に参加するという例は、ネットを漁ると割と出てくる。 ただ、そうでない場合は別の場所に移して共食い等を防いだ方が良いらしい。 我が家の父親には、父親という自覚は無さそうであった。 最初に記載したくつろぐハムスターは、 別ケージに移した父親の姿だ。

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 4.父親

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 3.引っ越し

          引っ越ししていた。 昨日は水飲み場の前にあった拠点が、 今日は滑車の前に。 野生の動物は、 敵に狙われにくくするために拠点を移し続ける。 うちの母ハムスターにも残っていた本能ということなのだろうか。 距離にして10cm程度の引っ越し、 どの敵なら狙うのをやめてくれるのだろうか。 赤ちゃんたちが生まれる以前、我が家にはハムスターが4匹暮らしていた。 ジャンガリアンハムスターが1匹、ロボロフスキーハムスターが3匹。4匹ともに白くて丸くて小さい。 どんぴしゃハム太郎世代の

          ハムスターに感化される売れない芸人の話 3.引っ越し