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ハムスターに感化される売れない芸人の話 7.目が開く

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目がうっすらと開いてきた、気がする。
おそらく気のせい。
言葉が通じないから、何も教えてくれないので、何かに気付こうと観察を繰り返す。

でもそろそろ目が開くはず。
今回は目が開くということについて。

人間にとって目を開くことは特別な意味を持つ。
当選の暁には達磨に目を、古くは開眼供養と称し大仏に魂を込めていた。
入眼という言葉が物事の完遂という意味を持つ。つまり、目の完成とは仕上げである。

ロボロフスキーハムスターたちも、
目を開いたころからは人間の手で少しずつ触れても大丈夫と、ネットの記事は言う。
彼らも完成が近い。

ただ、ハムスターの視力は良くない。
近視で、色の識別も出来ない。
実際、目の開いていない赤ちゃんたちでも、
嗅覚等を頼りにして母親や餌に向かい歩みを進めることが出来ている。
だから人間が特別に感じているほどは、
ハムスターは目に対して執着はないだろう。
彼らの目が開いたところで、いつも通り餌を食べて走って眠るだけ。生活が劇的に変わることはない。
ただ、人間がハムスターの目に思慮を巡らせることは出来る。

目は口ほどに物を言う。
彼らは、そろそろ僕に話しかけ、教えてくれる。

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