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創作

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つくりだした言葉の羅列
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#詩のようなもの

最果てにて

最果てにて

消えそうな光が目の前にある
手を伸ばしても届かない光が
目に見えるから愛しいこと
ずっと前から知っていた

涙ばかり追いかけないで
前をみれば ほら

最果てで再び会おう
そこはどこかなんて
野暮なことは聞かないでね?
最果てで抱き合って眠ろう
だからそこで待っていて
明日はきっと雨

消えてしまった光がここにある
手は届かなくても感じられる
目に見えなくても大丈夫
ずっと前から知っていた

でも

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ひとりぶん

ひとりぶん

私は何にでもなれると思っていた
あの思春期は無敵だった
それは誤解だと突然気づいた
私は私一人の人生しか背負えない
ひとつの時間しか生きられない
私は宇宙でひとりだった
私は脆いひとつの魂だった

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なりたいものってたくさんあるのにその中でもなれるものって本当に少しなんだな
と、ぬるいシャワーを浴びている時に思いました
かなしいな
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こぼれる

こぼれる

夜になると華がこぼれる

私のなかで密かに

脳漿を劈くような言葉

それを求めている

私は求めるが故に書いている

描いている

搔いている

尾骶骨のまわりの淑やかな肌を

その快楽は水をこぼす

華に与えたはずの水

こぼれる

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久しぶりにログインしました
いろいろと状況が変わり、求める言葉や表現も変わってきたなと思うこの頃です
また徒然に投稿する、かも?

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朝日がのぼるから
僕はそれまでいた闇が夜だったと知る
涙がこぼれるから
僕はいままでどれだけ本気だったのかを知る

ほんとうの

ほんとうの

夕さり
焼けることなく日が沈む
青と白と橙
ほんとうの空の色
太陽と地球と、天文全ての回転数
そうした流れが今日も
私を夢へと誘う

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真っ赤な夕焼けよりも、白い夕暮れの方が「夢みたい」って思います

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Welte

Welte

ねえ その羽でどこへ行くの

天使が問いかける
あたたかさもつめたさもなく
ただ庇護の中に生きる
生温い声音

さあ この足でどこへ行こう

旅人はそう答える
気楽さも堅苦しさもなく
ただ海原を見つめる
波のような声紋

(どうして行くのかな)
(どうして行かないのかな)

だれも知らないその問答は
遠くのどこかでふいに行われる
ただ静寂だけが残る
そこに声はもうなかった

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価値観の話は難

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逃亡者

逃亡者

スニーカーを脱いで
どこかへ逃げてしまいたい
義理も人情もいらなくて
好きなだけ歌っていられる場所へ
でもきっと私はそこで
たまらなく不安になるのだろう
こんなに逃げていいのかと

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生きることはしがらみになりうる

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ジャーニー

ジャーニー

あなたと話す未来には

きっとばかりが溢れている

どこにもない絶対を探して

ふたりは旅に出る

ねえジャーニー

笑ってくれよ

この旅路の向こう側でさ

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noteの下書きから上4行を発掘したので、赴くままに下3行も付け足し

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誰かのどこかに刺されば嬉しいです

夢消

夢消

月も眠りにつく時分
あなたは夢をみるのでしょう
朝陽が昇るか迷う頃
あなたは夢をみないでしょう
そして目覚まし時計は鳴るのをやめて
宇宙のどこかで光がこぼれる
その時あなたは消えるでしょう

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太宰の『女生徒』で起きる時の感覚と眠る時の感覚を秀逸に描いていますが、私の感覚はそれとは少し違くて
いつかそれを書きたいと思いながら綴ったものです

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誰かのどこかに刺されば嬉しいです

Lepus

Lepus

寂しがり屋のうさぎは微笑む
ひとりでも別に死なないよ
それを鵜呑みにして
うさぎをひとりにした世界は
死んだうさぎをみて
嘘つきと言うだろうか?

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うさぎは寂しいと死ぬってよく言いますが、あれって本当なんでしょうか……
タイトルはラテン語でうさぎの意です

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誰かのどこかに刺されば嬉しいです

(不)正解

(不)正解

正解がほしい
誰もがそれでいいって思えるような
私がそれでいいって納得できるような
正解を選びたい
そう思っているはずなのに
私の答えはいつも間違っている

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マイクロアグレッションってどうすればいいんだろうと自問し続けている今日この頃です

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誰かのどこかに刺されば嬉しいです

lament

lament

かなしい歌が私を呼んでいる
それに聞こえないフリをした
嘘、本当は聞いていなかった
あんなにもうつくしい旋律が
私を呼ぶのに耐えられなくて
耳を塞いで脳で歌をうたった
私を捨て去る、たのしい歌を

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誰かのどこかに刺されば嬉しいです

How to...

How to...

仄暗い虹の中
夕立がもういなくなって
後に残ったのは
星と月だけ
そんな生き方が
僕は好きだった

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生き方って、難しい言葉ですね

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誰かのどこかに刺されば嬉しいです

遠雨

遠雨

星の欠片が天井に刺さる
流れ落ちる雫たち
エアコンの冷気にあたって凍ってゆく
それは暗闇でパチパチと光って
僕は小さく息をのむ
明日の天気は晴れだったはず
遠くでフクロウが鳴いた

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遠くの音が聞こえると雨
星が強く瞬くと雨
という言い伝えがあるのを知って書いたものです

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誰かのどこかに刺されば嬉しいです