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創作

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つくりだした言葉の羅列
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2020年8月の記事一覧

最果てにて

最果てにて

消えそうな光が目の前にある
手を伸ばしても届かない光が
目に見えるから愛しいこと
ずっと前から知っていた

涙ばかり追いかけないで
前をみれば ほら

最果てで再び会おう
そこはどこかなんて
野暮なことは聞かないでね?
最果てで抱き合って眠ろう
だからそこで待っていて
明日はきっと雨

消えてしまった光がここにある
手は届かなくても感じられる
目に見えなくても大丈夫
ずっと前から知っていた

でも

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ジセキ

ジセキ

変わりたかった
変われなかった
世界のせいにするのはずるいでしょうか?
その問いかけに
YesもNoも求めてはいなかった
ただ
自分を責める瞳だけが欲しかった
#8月31日の夜に

遠雨

遠雨

星の欠片が天井に刺さる
流れ落ちる雫たち
エアコンの冷気にあたって凍ってゆく
それは暗闇でパチパチと光って
僕は小さく息をのむ
明日の天気は晴れだったはず
遠くでフクロウが鳴いた

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遠くの音が聞こえると雨
星が強く瞬くと雨
という言い伝えがあるのを知って書いたものです

-.

誰かのどこかに刺されば嬉しいです

25時のラジオ
聞いてる確証なんてないけどね
君のいるところのやつ
わざわざ探して聞いてみるの

消散

消散

憂鬱げに空が泣いている
ぺトリコールが辺りに満ちて
僕は溜息を一つ吐き出す
スニーカーはびしょ濡れ
傘の内側には夜が広がる
君が行ってからもう何時間経ったろう
露草の青ばかりがいやに目に付いた

-.

雨と別れはよく似合いますよね

-.

誰かのどこかに刺されば嬉しいです

偶然でいいから

偶然でいいから

例えばの話 君と僕の遺伝子が
全部一緒だったとして
僕ら付きあったかなあ
例えばの話 君と僕が
共に生きるべきだって神様にお告げされたなら
僕は君のこときっと
知らないままずっと
嫌いとまではいかないけど
あんまり好きにならなかったんじゃないかなあ
つまりは 僕が言いたいのは
偶然出逢えたこの奇跡に
心からありがとうってこと

また会える日が来るかな
来世でも
そんな日が来るといいな
偶然で

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Night on The Milkey Way Train

Night on The Milkey Way Train

幻想第四次の世界にたどり着いてまもなく
ふたりの少年が手を振った
迎えなのか 別れなのか
知る由もなく鉄道は駅を越える
口笛を吹きつつ世界は悲哀に満ちる
ノスタルジアにかられたように
また、視界が切り替わった
終わりを見据えた僕らは
夢幻のように消えゆく始まりを
一つ一つ繋いで、星座を紡いだ
銀河鉄道に乗って 遠い、遠い涙の先へと
ハルレヤ 君を祈るよ
苹果をしまいふたり笑った
この命をあなたに捧

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リボルバー

リボルバー

消えたい
眠れない子羊はそう泣き叫ぶ
主の救済を待つばかりで
四つ辻の十字架は微笑んでいる
こちらにおいで、と
手招きしているみたい
ああ、今いくよ
引き金に指をかけた

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鬱系のアニメを見ています
そういうものって、フィクションだとわかっていても影響を受けてしまうんですよね

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誰かのどこかに刺されば嬉しいです

かみ合わない

かみ合わない

「消えるのですか」
「どうしても、行かなくてはいけません」
「……だいじなものなのですね」
「あなたには本当に世話になりました」
「次は、ありますか」
「あなたがそう願うならば、きっと」
 そして、私は悟る。次など、ありえないことを。

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かみ合わないように見えて、実はかみ合っていて、でも本当のところはかみ合っていない

そんな話を、私はしたい

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誰かのどこかに刺されば嬉しいです

vigil

vigil

形はいつだって歪だった
ぼやけた視界は何を見つめる?
明日の夜の夢を
今日の朝からずっとみている

深夜3時はオレンジ色
口の中に酸味があふれる
種を飲み込むな
脳裏で誰かが警告する

幽霊がいるならいますぐに出てきて
その目の前で大好物をたいらげるから

確実なものだけが欲しかった
全ての色を手にしたかった
ああ、そう 過去形なのは
もう手に入らないことを知ったから

不確かなものばかり手

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小夜

小夜

深い深い底
知らない言葉
魂の重さ
「嘘は、嫌い」
真実がいつだって
綺麗なわけじゃないのに
夜は、せっかちに光を帯びる

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寝る少し前
新潮文庫のマイブックに短い詩を書いてます
最近始めたんですが、なかなかいいです

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誰かのどこかに刺されば嬉しいです

画像は「ぱくたそ」さんから取得しました

白光

白光

終わりがある世界で

始まりを探している

永遠がない宇宙で

一瞬に懸けている

おやすみとおはようの狭間

目をこする君があんまり愛しいから

僕は息を止めることしかできない

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自分が書くシチュエーションは夜か朝が多いです

昼間のカラッと晴れた空も好きだけど

夜の暗さから朝の白い光に移っていく時間と空間が一等好きです

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誰かのどこかに刺されば嬉しいです

画像はぱくたそさん

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