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台湾にて

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留学の間に書いたものをまとめました
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何か書かねばならぬん

何か書かねばならぬん

ここ1週間、めっぽう気分が悪い。

これを孤独というのかしら。前にも後ろにも楽しいことが何にも無くって、私は狭い狭いところでクサクサしながら、今日も図書館に行くが、なぜ図書館に行かなければいけないのかいちいち理由が欲しくなる。
ああ、何にも楽しいことなんてないな、死にたいな、
脳内はこれの繰り返しである。私は死にたい意識と同居している。
まあ、死にたいなんてたやすく言葉にする奴の方が実際死なないん

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人には人の留学がありまして!

人には人の留学がありまして!

ここでいきなり、私の留学の本当の動機を告白しよう。

それは「とりあえず一旦日本から逃げたい」というものだ。
なんだ、ずいぶんネガティブだなあ、そう思ったことだろう。

留学については、中学生くらいから漠然と海外に憧れみたいなものがあり、ずっといつかはしてみたいと思っていたし、英語と中国語を話せるようになりたいという目標を持っていた。

しかしコロナ禍において、私は憂鬱で隙があらば浮かんでくるよう

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苦いあいつ in台湾

苦いあいつ in台湾

どうしても、やってみたいことがあった。

「これをやってみたいんだけど…。」
周りの台湾人に伝えると、こぞって「やめときなよ!いいことないよ!」とかんばしくない反応が返ってくるのがオチだ。
でも、どうしてもやってみたくて、じわじわと私を追い詰めてくる好奇心に争うことができないでいた。

そんな、私の好奇心を掻き立てたやつの名は、檳榔(ビンロウ)。
ビンロウとは、ヤシの仲間の植物で、親指くらいの小さ

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映画の乱雑な所感

映画の乱雑な所感

1週間前くらいから台湾では春節が始まって、人々は我が家に帰り、台北の街や私の住む寮は少し静かになった。晴れの日にはたまに大学の裏の山道や川沿いをぷらぷら歩いて、広い空を感じたりしてみたんだ。
だけど、ほぼ寮の部屋にいて、いつものように頭でっかちな自分と向き合う羽目になった。
ま、それはそれでいいんだけどね。

ところで、いつもは映画を観ようと思い立っても、物語に心が圧倒されてしまうことを恐れて、実

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  人と本とトマト編 in台灣

人と本とトマト編 in台灣


この間、オーケストラサークルの学内演奏会があり、その打ち上げに誘ってもらった。

「みんなで夜食を食べに行くんだけど、来ない?」

夜食は中国語で宵夜(xiāoyè)。何を食べに行くんだろうと思ったら、台湾の朝ご飯屋さんだった。台湾の朝ごはん屋さんは夜から翌日の朝まで営業しているところが多い。刺青の入ったゴツい店員さんが店の前の道に長い机を運んできて、そこに座ったみんなが次から次へと口に食べ物を

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