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亜熱帯のさなか

50
書いた詩を ここにまとめています。 若いころに書いた詩なんかも、織り交ぜながら 記憶を どこかに メモするように 細々と 書いています。
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#言葉

無題

自分の
過去の残骸を
掻き集めて

ただ
がむしゃらに 恥じる

落としてきた
言葉を
拾い集める

枯葉を 踏みしめるみたいに

きらきらしたものは
欲しくない

どちらかというと
じめっとした
湿り気のあるような 過去
#詩 #詩作#詩を書く事#言葉#紡ぎ出す#記憶#思った事#生きる

日常

安堵して
絶望して
宇宙の端っこに
しがみつく
#詩 #詩作#詩集#言葉#記録#日常

無題

夜更かしして
今朝あったことすらも
なんだか 遠い昔のことみたいで

太刀打ちできないほどの
切なさが込み上げる

わたしは
どうしていいのか
わからずに

ただただ
一生懸命 泣くしか無かった

なにかをどうにかできると
思い込んでいたけど
やっと
それが 思い過ごしだと
気がつく
#詩 #詩作#ポエム#言葉#徒然

確かめる

揺らぐ水面を
薄く 光る水面を
じっと見つめている

話す相手がいるときは
ゆっくりと
かみしめるように
しゃべる

そうやって 自分を確かめる
そうやって 自分を確かめる

話す相手がいるときは
#詩 #詩作#ポエム#言葉#確かめる

再会

もう 何者でも無いあの人と
逢いました

もう 恋人ではないし
友達でもない

あの人は
幸せだと 言いました

幸せが そばに 居たから
ただ それだけ

触れた唇は
少し こわばってしまって

あの人の
暗がりの中で いた
あの人の
シルエットだけ
思い出しました

ジンと 胸の奥が
痛くなって

もう 二度と
かえれない 時間に
涙するしか
わたしには なかったのです

嵐が三つ
去り

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造る

何度たどっても
何度 繰り返しても

理想に 到達しない

痛みは 充分に感じた
罰も 充分に受けた

唯一 安らげる場所を
理想を

何もなかったとは
思いたくない

わたしは
今日も 一日を 繰り返す
#詩 #詩を書く #言葉

含まれているのだ、僕らは

宇宙が
手の届く範囲にある場所
に 僕等は 今 居る

宇宙って なんだろう
僕等は 今 宇宙の中にいる

宇宙の中にいる

何ひとつ
隙がない
宇宙の中にいる

だのに 僕は
なんだか 少し 淋しかった

ため池で
さかなが
泳いだ後みたいな
天の川が

ああ、そうか
宇宙って 淋しいんだ

涼しくて
無駄なものが なんにもなくて
ないから 淋しいんだ

流れているから
淋しいんだ

僕等は

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パラダイス

もう 思い出す余裕などないほどに
懐かしむ余裕などないほどに
がむしゃらに
生きろ、と
彼は 言ったのだ

ノスタルジアに 浸るなんて
ナンセンスだ、とでも 言わんばかりに

愛されていたんだ

普遍は
いつも そこにいて

色褪せて見えないようにするには

ただただ がむしゃらに
あわただしく
無為に

そうするしか
術はないと
彼は 知っていたから

叫びは
あらぬ方向へと
姿を変えて

それ

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無題

螺旋を描いた
巻貝の中は
空っぽで

宿主のいない
貝殻は

時として

充ち満ちた
憂いをのみこませて

言葉すくなに
わたしに
語りかけるのだった

恋は 終わった
無事に 収まるべきところに
きっちりと 収まって

やみくもに
食い散らかしたりせずに
ただ 空っぽで

きちんと
切ないのだ
#詩 #三文詩#文章#言葉#記憶#忘れずに