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すなへび映画館

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映画の考察、感想。
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#映画レビュー

映画館でナウシカを見てきた話

映画館でナウシカを見てきた話

コロナ禍の影響で新作の上映が事実上停止している状態なので、劇場では今旧作を繰り返し上映している。その中で人気を集めているのが『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』などのジブリ作品だ。私も気になって近くの映画館の上映スケジュールを調べてみるとちょうど『風の谷ナウシカ』をやっていたので見に行った。真剣に見たのはもう十数年ぶりで、この情勢下でみると色々思うことがあった。

コロナ禍中に観るナウシカもう何度

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『蜜蜂と遠雷』短評:映像美と「才能」

『蜜蜂と遠雷』短評:映像美と「才能」

公開二日目『蜜蜂と遠雷』を見てきた。

原作は恩田陸の同名小説、流石に原作小説全ての内容を二時間に収めるのは難しく、映画版は4人の主人公のうち亜矢(松岡茉優)のみにポイントを絞った構成を取っている。

さて、この作品「天才の競演」というのが一つのテーマになっている。本邦でよく見られる構成としては「天才」と「努力」の対比というのがよく行われ、最終的には「天才」は努力によって乗り越えられるべき存在と規

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Trigger『プロメア』レビュー

Trigger『プロメア』レビュー

何についての記事かアニメ映画『プロメア』を見に行ったのでその感想。ネタバレも書くのでまだ見ていない方は気をつけて欲しい。

『プロメア』概要『プロメア』はTrigger制作のアニメ映画である。このスタジオは『エヴァ』で有名なガイナックスに所属していたアニメーション演出家の大塚雅彦と今石洋之、制作プロデューサーの舛本和也の3人がにより設立されたアニメ制作会社でありこれまでに『グレンラガン』、『キル・

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『ペンギン・ハイウェイ』レビュー:夏の多幸感と夢

『ペンギン・ハイウェイ』レビュー:夏の多幸感と夢

概要『ペンギン・ハイウェイ』は夏にぴったりの映画だ、より正確に言うと、日本文化圏の夏のイメージをコッテコテに具現化したような映画だった。そしてそのコッテコテ具合がなんとも高いレベルで組み合わされていて、「夏っぽいアニメが見たいなあ」と思ってうっかり劇場に足を運んだ観客に、お望みの「夏っぽさ」を溺死しそうなほど注入する。

原作は森見登美彦で、主人公も森見らしい理屈っぽい少年、脇役はおっぱいの大きい

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