虎が放たれる

戸惑いの真ん中で差し支えて
小石に新しい靴で躓いた
何処に行こうとも 必ず砂利に邪魔され

混雑に並んでも横入りされ
肘打ちに横っ腹で息できない
密かに空気を読んでは 知らんぷり

吹き抜ける草原の風のように
私の人生は上手くいかない
其れが当たり前のこととしても
置いていかれる そんな気がして
草原に孤独 虎に喰われるように
ひとりぽっちが似合う

いつからか正面に立てなくなり
回転ドアから出られなくなっても
外にようやく出たら出たで 街はジャングル

青空が映える中で息をして
私の人生はスコールばかり
雨にびしょ濡れの貧困少女
草を貪(めさぼ)って 長生きしても
雨の中でも 虎に狙われてる今
私にも判る危機

そうして 私は日々の社会の中で
いつでも 砦に囲まれて守られて
決められた道筋を歩かなくちゃ 虎が放たれる

生き延びる糧に迷い込む心
私の人生を複雑にして
呼び寄せる不倖も倖せも
吹き抜ける風に持って行かれて
掻き集めても 虎に喰われたら終り
私は今 胃の中…

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