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『七十二候』涼風至‥すずかぜいたる

『涼風至‥すずかぜいたる』
           8月7日から12日ごろ


二十四節季では立秋となり
涼しい風が吹き始める頃‥
と言っても
実際はまだまだ暑い日が続くのですが


立秋を境に秋めいた風が
さわさわと吹くように‥。


残暑厳しい折りとなりましが
皆様いかがお過ごしでしょうか。


秋来ぬと目にはさやかに見えねども
風の音にぞおどろかれぬる

古今和歌集 藤原敏行



【 現代語訳 】

秋が来たと目にははっきりとは見えないけれど
爽やかな風の音で秋の訪れにはっと気づかさせる。




移り行く季節の変化を感じる時
空の色からでしょうか
雲の形からでしょうか


それともやはり
この和歌のように
風の香りや音からでしょうか。



秋が近づくのを感じる瞬間が
わたしはとても好きです。

朝晩少しずつ肌寒くなり
Tシャツだけでは寒くなり
一枚羽織ってみたり

夏は苦手なのに
あー夏が終わる。秋が来るんだなぁと
少し切ないような寂しいような
そんな瞬間‥。




風は目には見えない
でも確かにそこに存在していて‥

わたしたちを纒い
そして包み‥
季節を教えてくれます。


目には見えないからこそ
頬に触れるその温度から
草花を揺らすその強さから


ここにいるよと
その存在を知らせてくれる。


そんな風にわたしは感じるのです。




しかし、目に見えないことの中には
恐怖心をあおるものもありますよね。


たとえばウィルス。
どこにあるのか目に見えているのなら
そこに近づかずに居られるのに

目に見えないからこそ
すぐそばにあっても気づかずに
知らず知らず触れているかもしれない。


その脅威はついに鳥取県に住む
わたしの会社や、本当に身近にまで訪れ
短期間の間にPCR検査を続けて受けることに
なったのですが


結果の出るまでの数時間
大丈夫だと思っていてもやはり
不安や心配に。


今やいつ誰がどうやっても
おかしくない状況の中。


それでもやはり自分だけでなく家族
会社の人達‥多くの人にかかる影響を考えると
とても苦しくなります。


誰もが同じように
目に見えない不安と戦いながら生きている。


そんな時代の中で
自分らしく過ごす。ということ自体
とても難しいことかもしれません。


でも反対に見えないからこそ
大事にしたいものもあり


ずっと奥に眠る心であったり
その瞬間に流れる空気感であったり‥



これから日毎に
涼しくなっていく風を待ちながら



過ぎ行く季節を‥夏を
今この瞬間を感じたいですね。






緑陰に爽やかな風揺らめいて
暑さ和らぐ立秋の候

短歌‥るん


立秋の今日
ひっそりとできた深い木陰に
ホッと一息。


真夏の陽射しが作る濃い陰の中にも
ほんの少しさわさわと風が吹くだけで
暑さも和らぐ優しい時間に。



心穏やかになり一人ベンチに座り
こんな短歌をひとつ書いてみました。



詩とはまた違い
五七五七七の決められたリズムの中に
すっぽりとおさまる感覚は心地よくて‥。



いつか何かの記事でSNSを中心に
Z世代にも短歌ブームと書いあるのを
読んだことがあります。



わたしはZ世代ではないですが‥笑
和歌を詠むのも自分で書くのも
とても好きだったりします。



                  photoるん



実はこの『涼風至』は
わたしにとって特別な七十二候です。


なぜならこの言葉が
七十二候を知るきっかけとなったからです。



上の写真はまさに、去年わたしが『涼風至』という響きからインスピレーションを受け作ったものになります。


その時はまだこんな風に
五日に一度記事を書くようになるとは思いもしなかったのですが‥。




               ↓こちらから




一年前の自分が考えていなかったことが
こうして形になっていたり


2.3年前から
思い続けていたこと‥
願っていたことが叶ったり‥


わたしには目指す場所があり
ただただそこに辿り着きたくて



何度も上手くいかず
心折れ諦めそうになっても


それでもやはり強い思いがわたしを奮い立たせ
戻らせてくれる。


『原点回帰』という言葉があるように
時には自分の原点に想いを馳せ
自分と向き合う。


そうすることで目標を再認識したり
一日一日の重さを思い出すきっかけと
なったりしますよね。


そういう意味でも
とても特別な涼風至。


今日このように一年越しに
記事に出来たこと嬉しく思います。




今回の七十二候は
写真ACさんからのもとの
自分の写真を使用しました。






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