現場監督と監督補佐

都会で事務職をしている2人がひょんなことから奥伊勢に山林敷地を購入することになり、その…

現場監督と監督補佐

都会で事務職をしている2人がひょんなことから奥伊勢に山林敷地を購入することになり、その山林の間伐材で2階建ログ倉庫を今もって建築中です。これは奥伊勢の自然の美しさと田舎の人々との交流、建築作業の様子や道中の風景などを徒然に記録したものです。

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12月でも食べられるイチジクの実

<現場監督>             令和5年12月13日 夏の西日を防ぐ為にベランダに植えたイチジクの木に、12月に入っても実が大きく育ち、2個も収穫出来た。 暖冬と言うよりも日本の気温が確実に上昇して来ているようだ。 6月から夏の終りまでの果実と思っていたイチジクが12月まで食べられるというのだから相当のもんです。 阪急梅田駅に着いた後、御堂筋に入って大江橋まで南行し、そこから大阪市役所や公会堂横の歩道を東行して、中之島公園のバラ園を楽しみ、天神橋の螺旋歩道を上がっ

    • 今でも色づく無花果

      <現場監督>                  令和5年11月25日       事務所の執務室を西側に移した時に、西日のきつさに驚いた。 太陽の光は遮光幕とカーテンの二重の障壁を無視して、放射熱を執務机に届けて来る。 これは弱った、と考えた末に西側ベランダに大きな鉢を置いて、そこに何らかの植物を植えようと思い付いた。 その植物を何にするか。それが問題である。 植物図鑑を参考に色々調べた結果、出した結論が無花果であった。 何せ葉がよく繁る上に大阪の汚い空気に晒されても内

      • 再度の高見山

        <監督補佐> 大阪から奈良を通り、奈良と三重の県境の高見山トンネルをくぐり抜けて奥伊勢にログ倉庫を作りに行って20年余り経つ。 遠くにそびえる高見山は車中から何度も見ていて、「高見山登山口」の標識もいつも目にしていたことから、一度は登ってみようと、数年前、ログ倉庫作りを早めに終えた帰りに登ってみた。 もちろん、麓から登ろうなどと分不相応なことは考えず、かなり標高の高めなところまで車で行って登り始めたのである。 その時の経験は以前に投稿してあるのだけれど、頂上と思って喜んだ

        • 高見山に登ってみよう

          <現場監督> 事務所の仕事が一段落したことから、かねてより登ってみようと監督補佐と話し合っていた大和の国と伊勢の国との境界にある標高1249mの高見山に登ることにした。 11月27日を予定している。 以前、伊勢の国側の登山口から車を走らせて大峠の駐車場まで行ったことがあるので、今回も車で大峠まで行き、つづら折れの急坂を登って頂上に立つ予定にしている。 頂上に立つと大和の国と伊勢の国が見えるそうであるから、今から楽しみだ。 何せ、登山などここ数年したことがない身であるか

        12月でも食べられるイチジクの実

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        • はじめに
          1本
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        記事

          番外編・育つ仲間・その2

          <監督補佐> 事務所の大配置換えに伴って、現場監督が東南向きの部屋から西向きの部屋に移って、ほぼ常駐するようになったのは約1年前であった。 ちなみに監督補佐は配置換え前も後も西向きの部屋で仕事をしている。 冬の午前中は底冷えがして、夏の午後は現場監督の言う「強烈な直射日光」の差し込む「尋常ではない」暑さの西向きの部屋で。 その西向きの部屋で仕事をすることになった現場監督は監督補佐とは違い、「尋常ではない」暑さを我慢する気など皆無であった。 「西日を完全に遮断」すべく、3本

          番外編・育つ仲間・その2

          奥伊勢での交流 その5・ Uターンと  Iターン

          地方へのIターンとUターン <監督補佐> 地域に溶け込んでのんびり田舎での生活を楽しんでおられるように見受けられるAさん御夫婦の、奥さんは高校まで地元で生まれ育ったということだ。 御主人の定年後しばらくして関東から実家のすぐ近くに戻られたとのこと。 勝手に推測するのは失礼かとは思うけれど、奥さんがUターンであるからこそ、御主人はIターンだけれど地元に違和感なく溶け込めているのだと思う。 私達がログ倉庫建築現場に行くのは週に1回程度、しかも現場で作業をして日帰りをするだけな

          奥伊勢での交流 その5・ Uターンと  Iターン

          高見山登山口

          <現場監督> 高見山というのは大和の国(東吉野村)と伊勢の国(松阪市)との国境をなす山の1つで霧氷で有名である。 国道166号線上の東吉野村から高見トンネルを抜けると松阪市になるのだが、その高見トンネルに入る手前の東吉野村の166号線沿いに高見山登山口という標示があり、登山者用のトイレを用意した小さい茶店などもある。霧氷が出来る頃には立派な登山用の服装をした老人達が2~3人のグループでこの茶店近くの登山口から頂上を目指す姿に出会うことが多い。 山登りはしんどいので行ったこ

          奥伊勢での交流・その3・保護犬と暮らすAさん御夫婦のお宅におじゃました

          (上の写真は奥伊勢で時々出会う鹿・ほぼ暗くなってからしか現れない) <監督補佐> 諸々の事情から数ヶ月出向いていなかった建築現場に行ったところ、ドアの下に記名入りのメモが挟まれていた。 今度来られたら家に立ち寄って下さいね、というような文言で、以前立ち話をした際には互いに名乗っていなかったけれど、すぐに「あっ、あの御夫婦だ」とわかった。 集落にお住まいのその御夫婦と私達は、出会った時からごく自然に会話を楽しんでいた。 普段の町での生活なら居宅や職場の近所の人と会話をし

          奥伊勢での交流・その3・保護犬と暮らすAさん御夫婦のお宅におじゃました

          奥伊勢での交流・その1・遠巻きに

          人里離れたログ倉庫建築現場の交流事情 その1 遠巻きに、でもあからさまに見て行くだけの人々 <監督補佐> 国道42号線から大内山の集落に入り、道なりに進むとログ倉庫建築現場に至るのだけれど、その先は行き止まりになっているので、建築現場の前を通る車はほとんどない。渓流釣りをする人、イノシシ狩りに出かける人、ドライブの途中で迷い込む人、建築現場の偵察に来る人が、ごくたまに通りかかるだけである。 ログ倉庫とは言っても、並の倉庫の形状をしているわけではなく、丸太をきれいに積み上げ

          奥伊勢での交流・その1・遠巻きに

          奥伊勢の山林労務に付随する楽しみ⑵

          雪の峠・雪うさぎ・雪だるま <監督補佐> 同じタイトルの⑴にも書いたのだけれど、山林労務は楽しくない。現場監督は山林労務ほど楽しいものはない、と公言しているのだが、監督補佐のたまの楽しみは労務以外にある。 冬になると出発時の大阪は晴天でも、三重県に向かう途中、奈良県と三重県の県境の高見峠付近に雪が積もっていることがある。地元の人はよほどの所用がない限り、わざわざ積雪の峠を越えようとはしないようで、雪の朝は行き交う車もほとんどなく、雪はきれいに積もったままになっている。 そ

          奥伊勢の山林労務に付随する楽しみ⑵

          奥伊勢の山林労務に付随する楽しみ⑴

          川歩き <監督補佐> ログ倉庫建築には大がかりな機械は使わないので、全面的に人間の力仕事となる。柱にする杉を林の中から担いで建築現場まで運ぶのは重いし、檜はもっと重い。屋根を支える棒の上に乗ってカーボナイトの屋根を葺く時は安全ベルトを付けているとはいえ、危険を感じる。丸太を運んでいる際、現場監督が時々不用意に手を離すので、今までに足の爪が2本生え替わった。 更に言えば、現場まで時間がかかるので、ログ倉庫建築に行く際は、早朝に出かける。帰宅時間は、今は帰宅してから夕食をとるの

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          八角の梵鐘

          <現場監督> 国道166号線を伊勢の国から大和の国に向かって走っていると、グリーンライフ山林舎の少し手前あたりに「八角梵鐘」という表示が出ている。梵鐘のほとんどが丸いので八角というのは珍しい。 その由来をいつか聞いてみたいと思いつつも、ログ倉庫建築を目指して心がはやる朝方の往き道で寄る気は無いし、労務作業でつかれた帰路には早く帰阪しないと夕食が遅くなり、翌日体調がおかしくなる、との監督補佐の意見に「ごもっともです」と同意せざるを得ない身としては、お寺にちょっと寄ってみようか

          あたまの神様

          <監督補佐> 大紀町大内山に入ってログ倉庫建築現場に行くまでに「頭之宮四方神社」がある。土地を購入してから何年も神社の案内看板は見ていたが、いつも素通りしていた。 少しでも早く現場に行って作業をしたい現場監督が寄り道をしたがらなかったからである。出来ることなら毎日でも現場に行きたい監督は、思い描いたその日の作業工程に一刻でも早く取りかかりたくて、いつも気もそぞろなのである。 そんな監督から、ある年の1月4日の朝、山へ行こう、と電話があった。「え~っ、もう働く?!」。仕事始め

          山林労務で使う道具・鉄棒

          「鬼に金棒」・「監督に鉄棒」 ログ倉庫建築現場で監督に鉄棒を渡す時、「はい、鬼に金棒」と言っていたのだが、正確な意味を見てみると、「鬼に金棒」とは、ただでさえ強い人が何かを得たり良い条件加わったりして更にパワーアップすることを意味するのだという。 ということは、基本はデスクワークの現場監督をログ倉庫建築の「鬼」と言うには無理があるということなのだ。慣れない力仕事をする現場監督は鉄棒の力を借りて何とか強い「鬼」に近付くのだから、今後、鉄棒を監督に手渡す時には正確に「はい、監督

          山林労務で使う道具・鉄棒

          山林労務で使う道具類・大トンカチ

          <監督補佐> 山林労務ではかなり頻繁に使うが、町では見たこともなかった道具に大トンカチがある。コンコンと叩く部分は普通のトンカチの5~6倍くらいあり、柄の部分は1m近くある。 現場監督に「トンカチ持って来てくれぇ~」と言われて届けに行く時は柄を持つと地面を引きずることになるので、肩に担いで行く。「マサカリ担いだ金太郎~♪」の気分である。 大トンカチの出番で多いのは、柱や床材や壁材があと少しのところでぴったり納まらない時である。元々、材木の寸法の測り方は大雑把なので、余りに

          山林労務で使う道具類・大トンカチ

          役人の平和ボケ

          <現場監督> 有為の人材をテロで失うことほど日本国にとって大損害はない。有為の人材というものは中々出て来ないものだし、代替が利かない。テロの背景はよくよく調べないといけない。本人が言う理由などはまず信用出来ないものだと考えておくべきだ。 経済的に追い詰められた者に1億円や2億円をどこそこに隠しておくから「殺ってくれ」とか、家族、親族の誰それに渡しておくから「殺ってくれ」とか、方法はいくらでも考えられるからだ。 政治テロの多発によって戦前に生れ育ち始めていた民主主義の幼木は