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奥伊勢での交流・その1・遠巻きに

人里離れたログ倉庫建築現場の交流事情
その1 遠巻きに、でもあからさまに見て行くだけの人々

<監督補佐>
国道42号線から大内山の集落に入り、道なりに進むとログ倉庫建築現場に至るのだけれど、その先は行き止まりになっているので、建築現場の前を通る車はほとんどない。渓流釣りをする人、イノシシ狩りに出かける人、ドライブの途中で迷い込む人、建築現場の偵察に来る人が、ごくたまに通りかかるだけである。

ログ倉庫とは言っても、並の倉庫の形状をしているわけではなく、丸太をきれいに積み上げているわけでもないので、見かけた人は、これは一体何なのだろう、と思うようで、ログ倉庫の前を勢い良く通り過ぎた後、方向転換した帰り道ではログ倉庫の少し手前から、ゆっくりゆっくり車を走らせて、シゲシゲと建築現場を眺めながら通る人が多い。

屋根も扉もあるけれど、
    無秩序且つ不可解な建築物・・・

屋根の上で作業をしている時などは、ゆっくり通りかかる車を見下ろして、あ、また見てる、と思うだけなのだが、道路脇で作業をしている時など、すぐ近くに立っているのに、ただジロジロ眺め回しながら、ナメクジの這うようなスピードで目の前を進まれると、落ち着かないことこの上ない。

以前、太い檜の材や形の良い樹木を盗まれたこともあるので、盗む前の下調べ?単なる偵察?何が知りたい?等、しなくてもよい憶測をしてしまう。

         
           ゆっくり、ゆっくり「これは何だろう・・」と
   思いながら(多分)通る車を
    屋根の上で作業しながら見送る
  「また見てる、見てる・・」
  
       材木はよく盗られるので、
       左の材には「使います!」
        右の材には「とらないで!」
   と書いておいた。
  ほんの気休め。

その2 車を停めて話しかけてくれる人もたまにはいる

集落の方で普通に親しく話してくれる方は、ほんの2、3人しかいない。もう20年余り通い続けていて、私達が行った日は集落の誰かが必ず把握しているような状態なのに、しかも私達が特に無愛想というわけではないのに、である。

この現象はこの集落の風習というか、文化なのだろうと思う。ヨソから来ている人には十分距離を置くのが当たり前の社会なのだろう。

ごくごくたまに車の中から、もっとたまには車を停めて、何作ってんです?と聞いてくれる人がいて、そんな時はホッとする。

先日、通りかかった折りに車を停めて話しかけてくれた方の家におじゃました。(続く)



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