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ベランダのイチジクの数を数えてみた

<現場監督>
昨年の秋に25個の実を付けた弱っちいイチジクの3本の木が冬の剪定のお蔭で今年はしっかりと枝を増やし、小さな実をいくつもつけ始めた。

昨日、その数を数えてみたところ、ブランちゃんが52個、イチちゃんが59個、ムーちゃんが62個も実をつけているではないか。

これらはいずれも8月には熟して食べられるはずである。


のびのび育つブランちゃん

その後、秋果も期待できることから、今年度のイチジクの収穫量は250個は下るまいと思われる。

イチジクは家の周囲に植えてはいけない、と親父に言われた。根が家の下に入り、湿気を呼び込むことで居住者の健康を害するからだそうである。

ところがこのイチジクをマンションベランダの大きな植木鉢で育ててやると、根を伸ばそうにも伸ばせない。

そんな状態で5年間も実を収穫すれば、根が植木鉢一杯になって行き止まるので、これを大きく切り詰めて再び植え替えてやれば再生するはずである。

そうすれば一体、どのくらいこの木は生存するのであろうか。何事も実験して実際に確かめてみようではないか。

それだけではない。毎年、伸び過ぎた新枝を切り取って、挿し木にして育て、それを新しい植木鉢に移植した場合、ひょっとすると、ブランちゃんもイチちゃんもムーちゃんも、遺伝子とすれば永遠の命を持つことになるのではあるまいか。

同じ遺伝子の生命体として続いて行くことは間違いないからである。
これも実験によって年数を確かめてみる価値がある。

こうした現場監督の魂胆をどう感じますか、監督補佐クン。

人間の生殖では遺伝子が半分ずつ変化してゆくのだから同じ人間が生命として生き延びるということにはならない。人間に出来ないことを植物ではかくも簡単に果せるのだから、これはドエライことです!!

尤も、人間の手助けがあってのことだから、さほど驚く程のことでもないか。

早く人間の生命を不老不死にする方法を発見して欲しいものだ。100歳から20歳に若返りして、それを3回くらい繰り返すと、それ以上は再生できなくなるという程度の細胞生命学の科学技術的進歩が待ち遠しおすなぁ!!

イチちゃんの花イチジクが採れた!

<監督補佐>
「現場監督」という名称は、元々は奥伊勢の山林で檜や杉を切り倒し、ログ倉庫を作る作業を、周囲の声には耳を貸さず、一人で仕切っているので、付いた名称である。

ところが、今や、ベランダで育つイチジクの成長を監督する「現場監督」になってしまっている。

挿し木だけを続けていくと、ブランちゃん達は永遠の命を持つことになるのではあるまいか、とやたら高揚している現場監督の魂胆に水を差すつもりはないけれど・・どう感じるか、と言われたので、謹んで申し上げると、挿し木で繋いで行く命は、永遠の命とは言えないでしょ。

そりゃ、接ぎ木とかしなければ、同じ遺伝子を持ったイチジクの木が命を繋いで行くのだろうけれど、元の木はいずれ枯れることになるのだから、ブランちゃんにしてもイチちゃんにしても、永遠の命を享受できるわけではないし。

地球上のあらゆる動植物と同じように、イチジクも挿し木で命を分け続けても、時が来れば、命を落し、次の命がその命を繋いで行く。羊のドリーちゃんにしても、クローンとして生きても、本当の意味での永遠の命は科学技術がどんなに進歩しても出現しそうにないどすなぁ、現場監督。


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