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奥伊勢での交流・その3・保護犬と暮らすAさん御夫婦のお宅におじゃました

(上の写真は奥伊勢で時々出会う鹿・ほぼ暗くなってからしか現れない)

<監督補佐>
諸々の事情から数ヶ月出向いていなかった建築現場に行ったところ、ドアの下に記名入りのメモが挟まれていた。

今度来られたら家に立ち寄って下さいね、というような文言で、以前立ち話をした際には互いに名乗っていなかったけれど、すぐに「あっ、あの御夫婦だ」とわかった。

Aさんのメモが差し込まれていたドア

集落にお住まいのその御夫婦と私達は、出会った時からごく自然に会話を楽しんでいた。

普段の町での生活なら居宅や職場の近所の人と会話をしても、あらま、今日はフレンドリーな関係を持てた、などと意識することはない。ところが、私達にとって、Aさん御夫婦は格段にフレンドリーな御夫婦、と意識するほど、ここの集落でのフレンドリーな関係は稀有なのである。

前に立ち話をした時に、お宅のおおよその場所を聞いていたこともあり、メモにもランドマーク(!)を書いてくれていたので帰路の途中、寄ることにした。

ランドマークと言っても、町ではセブンイレブンの角を曲がるとタワーマンションがあるので、等になるけれども、ここでは「橋の手前」という簡単なものである。橋までは道なりなので迷いようがない。

たまたま家の前庭で作業をしてらした御夫婦と久しぶりの再会を喜び、吠えまくる犬のいるお宅に招き入れてもらった。

  • その4・保護犬のさくらちゃん

ワンワンワンワンと吠え続ける番犬の権化のような犬は保護犬だったとのことで、さくらちゃんという可愛い名前を付けてもらっていた。

吠え止まないさくらちゃんに、奥さんが「家の中にいるお客様に吠えちゃいけないと言ってるでしょ」とさくらちゃんの顔を両手で優しく包んで何度も言い聞かせる。

        さくらちゃんが心をゆるすのは
        家族になってくれたお父さんと
お母さんだけ

さくらちゃんはお母さんの言うことは聞かないといけないとは思うものの、吠えたい本性は押さえられず、腹話術で吠える。口を開かずに吠えるものだから「ぐぃ、ぐ~」と鳴く。大声で吠えたいのに我慢してるんだぞと、恨みがましい目で私を見ながら「ぐ~、ううう」、時々堪えきれずに小声の「ワン」が出る。

保護犬になる前にオソロシイ目に遭ったに違いなく、「怪しくないよ」「ほらほら、そんなに吠えないの」等々の説得も功を奏しなかったけれど、そのうちに疲れたようで寝てしまった。少しは警戒を解いたのかもしれない。
(続く)



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