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ナースな日々

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看護師をやってて思うことを綴った記事たち。
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記事一覧

マインドの師匠

マインドの師匠

以前入院していた患者さんで、こんな風に生きたいと思った人がいた。

もよおしたときにうんこちゃんと連呼していたのでそのまま愛称とする。

うんこちゃんは足の血管がつまって入院してきて、薬でも治らないので血管の手術することになった。

手術しても足の状態はは良くならず、他の病棟に移動して足を切断することになる。

入院してから移動するまで、1カ月以上は入院していたうんこちゃん。入院が長くなるとともに

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見守るだけで成長していく

見守るだけで成長していく

新人ナースのフォローについた日のこと。

張り切った私は、知らないことを事細かく説明し、出来ていることにもいちいち補足していた。

その日の振り返りノートに新人さんが書いた内容は、できなかったことや気付けなかったことばかり。時間を意識して動けていたし、退院する患者さんからあんなに感謝されていたのに。

取り繕うように励ましのコメントを書いたが、自分の言動を反省した。

教えすぎは相手の可能性を奪う

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違うことは悪いことじゃない

違うことは悪いことじゃない

職場には変人がゴロゴロいる。共に働く人はもちろん、患者さんも。

変人というと聞こえが悪いが、変わったものは刺激的で楽しい。

昔は、少しでも違うことに恐怖のような嫌悪感があった。しかし看護の世界に入って、違うことは悪いことじゃないと思うようになった。

そんな心変わりで、今の私はすっかり変人だ。

ちょっと勇気がいるかもしれないが、一線を越えると視界が開けて解放された気分になる。

そしてそんな

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成り行きで看護師になったら天職だった

元々、保育士になろうと思ってた。理由は記憶にないけどなんとなく、ずっと思ってた。

高校の頃、友達に誘われて看護師の職場体験同行。そこで思った。

“人の役に立つ仕事は興味ある”

“保育士よりも幅広い世代と関われるのも面白いかも”

“コンプレックスの引っ込み思案が改善するかも”

“手に職、将来就職先には困らなそう”

よし、看護師目指そう。

3年間の看護学校で自分と向き合い、過酷な実習を乗

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患者さんの孫の手になりたい

患者さんの孫の手になりたい

早番勤務だったある日の話。

朝食の下膳にまわっていたら患者さんに「トイレに行きたいんだけど」と声をかけられた。お通じをもよおしているようだが、その人は車椅子介助が必要。

担当看護師は他の業務で忙しそう。担当したことがある患者さんだったので、私が行きますよと担当さんに声をかけ介助する。

トイレ後、「今までで一番すっきりした」と患者さんが言う。

だいたい朝食後にもよおすが、看護師の忙しさを察し

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その行動の意図は?根拠は?

看護学生時代、実習で先生や指導者さんからよく訊かれた。

例えば患者さんの清拭をするとして。清潔の保持だったり、気分転換だったり、意図は様々。

当時は形式的に意図を羅列してたこともあったけど、看護師として働き始めてから意図を考えることの意義をすごく感じる。

高齢夫婦2人暮らしで家に帰りたい患者さんなら、リハビリのためにできる限り本人にやってもらう。

終末期で看取り間近の患者さんなら、出来るだ

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