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fumita
【毎週ショートショートnote】三日月ファストパス
お題:三日月ファストパス
宇宙旅行が一般的となった昨今。それでも月と言うのは根強い人気だ。平日休日関係なく、いつ予約サイトを見ても「三年待ち」だとか何とかが書かれている。
だからこそ、人はそこに金の匂いを嗅ぎつける。
「ねぇパパー!まだー?もう時間だよ!?」
「分かった分かった、もう行くから!」
娘の声に慌ててトイレから出て、携帯電話の画面を呼び出す。テーマパークや人気飲食店でのファストパスは当たり前だが、とうとう月にもファストパスが出た。
それが満月ファストパスと三日月ファストパスだ。二種類あるのは、いくら根強い人気と言えども満月での影映えネタは擦り倒されたが故である。今はあえて欠けているのが良いらしい。そして俺も、流行りに乗った娘にねだられ、ようやく三日月ファストパスを購入したと言う訳だ。
従業員の案内で一番安い宇宙服を着込み、いざ月へのエレベーターへ。ああ、これでようやく娘に月をねだられる毎日が終わる。
「パパー!これ満月ファストパスじゃん!私、三日月がいいって言ったよね!?」
やはりまだ当分続きそうだ。
もし月に行くのが普通になったら、「満月はもう古い!」とかなりそうだよね。
下記に今まで書いた小説をまとめていますので、お暇な時にでも是非。
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