坂和

心にうつりゆくよしなしごとを、徒然なるままに。ひとの心がチラッと覗くような文章が好き。…

坂和

心にうつりゆくよしなしごとを、徒然なるままに。ひとの心がチラッと覗くような文章が好き。自分もそんな文章を届けられたら嬉しいです。

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掛け合うことば。

「コロナが落ち着いた頃にね」 そういう風に何度ことばを重ねたのだろうか。期待を込めて、願いを込めて。オンラインでの飲み会、電話、メールのやり取り、その言葉を交わす度に、たまらなく人に会いたくなる。 画面越しに、電話越しに、笑い合えるし、話ができる。今の時代は恵まれているのだろう。その場にいなくてもコミュニケーションがとれて、お互いを知ることができる。便箋を待つよりも早く、そして気軽に「元気?」とメッセージを送ることができるし、長くても1日すれば「元気!」と返事を返ってくる

    • 花火

      ヒューン、ドン、パチパチ。 屋内にいても鈍い振動が伝わってくる。花火の音、遠くにチカチカと見える花火の鮮やかな光を遠くから見る。 なんだか、それだけで「ああ、夏だ」と胸が躍る。まるで子供の頃に戻ったみたいにワクワクした。 今日は友人との飲み会で、夕方家から出て駅に向かうと浴衣を来た人が沢山いて、今日は地元の花火大会だったことを思い出した。 電車でたどり着いた先でも花火大会があるらしく、駅前には浴衣で着飾り、誰かを待っている人が沢山いた。 駅前で待つ人は誰を待っているんだ

      • 「赦し」の物語。

        何か迷いがある時、不安な時、私は決まってたくさんの物語を求める。 小説、漫画、ゲーム、アニメ、それらを時間の許す限り、まるで貪るように、読んで、観て、その物語の中に埋没して。深く、深く、潜って、登場人物の感情を追体験すると、私の心の中はその溢れんばかりの熱くて強い圧力に押しつぶされて、不安な気持ちや悩みなんかどこかへいってしまう。まるで私の中身が空っぽになって新しい自分自身に生まれ変わったような気分になる。それで目の前の問題が解決するわけではないけど、自分の抱えている不安や

        • 5年ぶりの。

          一人の正月は5年ぶりだな、と思った。 二十歳の年だったからよく覚えている。冬休みはひたすら旅行すると決めていて、色んな場所に旅行に行っていた。その年は結局、韓国で過ごしたのだった。どこでも大体年末年始って似たような感じだよな、と思ったのを覚えている。天気は悪くなかったけれど、吹く風はとても寒かった。 なんだかんだで年越しは実家に帰っていたから、一人ではなかったんだなあ、と少し不思議に思う。へえ、とか、ふーん、とか少し他人事に思えるくらいに。こんなご時世なので、と断って実家

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        掛け合うことば。

          未知への遭遇。

          ノートパソコンを開けば、目に入るのは黒いギザギザ。 パソコンを買い替えたいと思っている。 あれ、なんか変な線が入っていると気付いたのは、3カ月前で、その時はなんか黒い棒一本が余計に見えるなー、くらいだった画面のその傷はどうやらひび割れだったらしく。放っておいたら、いつの間にか横に縦に少しづつ勢力を拡大しつつあった。 学生時代からもう6年も使っているので、寿命なのかもしれない。もしくは勢いよくバチっと閉じることが多かったからかもしれないし、画面用のフィルムを張っていなかっ

          未知への遭遇。

          ゆるゆるとほどけて。

          気持ちの糸が、ゆるゆるとほどけていくのを感じる。 それは角が取れて丸くなるのとは少し違って、丸くてぎゅっと縮こまっていたものが、その輪郭を少しづつ手探りで、ぼんやりと外に向けて広がっていくようなものだと思う。アメーバみたい、といったら少し気持ち悪いかな。でも、本当にそんな感じで、私の気持ちを包んでいる輪郭のようなものが、少しづつ、少しづつ、外へ向かって手を伸ばそうとしているようなそんな感じ。 ふとした瞬間に、日常へと手を伸ばしていける、気がする。「いける」と思うのは実際に

          ゆるゆるとほどけて。

          心の赴くままに。

          贅沢な時間だった。好きなものに、好きなだけどっぷりとはまれる時間はこれほど心地よかったのか、と思うような。久しくそんな時間はとっていなかったように感じる。 月曜日の今日を夏休みにして、3連休。前の週も、その前の週も、はたまた来週も月曜を休めるようにしてある。長くまとめて夏休みをとることもできたけれど、外に出るに出られない状況ではかえってまとまった休みは疲れてしまうから、と細かく休みをとった。加えて、先週までは酷い暑さで、エアコンを消すことなどできなかったし、一歩も外に出るこ

          心の赴くままに。

          ししとうどうしよ。

          スーッと爽やかな風が脚元を流れていく。 ようやく夏が来たのに、どことなく暑さは鳴りを潜めている。エアコンの人工的な風が好きではない私にはそれがとても心地良く感じられる。 カラッとした日差しの下、自転車をこげば、肌を軽く焼くような、痛みを感じた。ああ、でもこんなところはしっかりと、夏なんだ、と買い物への道中に思った。 夏は自然と活動的になる。 晴れた日に、家に籠っているとソワソワするような感じ。ただ寝転んでいるだけの時間がもったいなくて、キッチンとリビングの間をウロウロ

          ししとうどうしよ。

          駆ける。

          心臓の音が聞こえる。 ドクン、ドクン、と少しづつ大きくなる音に合わせて、少し息が苦しくなる。でも、ちっとも嫌じゃやない。甘く、胸を締め付けるようなこの感じ。高揚感に浮かされた身体は軽く、どこまでも飛んでいけそうだ。 まるで恋だ、と思いながら、 私は夜の街を駆け抜けていた。 *** その実、それは恋なんかではない。ランニング、というのだ。 文字通り、夜の街を駆け抜けていた。それはもう、スポーツウェアで、まるで一人きりで、色恋の、「い」の字も見えないくらいに、ただがむ

          駆ける。

          カラッと。

          ジワジワと部屋の気温が上がっていく。 部屋の中にいても、わかる陽の光の強さ。以前よりも霞がかった青空に、厚めの白い雲。午後の2時が一番暑くなると習ったのは小学校の理科の時間。実際の部屋の中にいて一番暑くなるのは、その暑さを帯びた空気が部屋の中に忍び込む3時から4時の時間帯ってことは、結構大人になってから知ったものだと思う。 夏だなあ。 いつの間にかセミが鳴いていてジーワジーワという声が聞こえるようになった。7月に入ってから、結構長いこと曇り空を拝んでいた気がする。曇りの

          カラッと。

          週末の終末に。

          日曜の夕方は、「終わっちゃうな」と思う。 何をしたかは少し曖昧な頭で、少し晴れ間がのぞいていたから洗濯物洗っちゃえばよかったな、とか、そういえば柔軟剤をきらしていたんだっけ、なんて思い出す。 ゆっくりと身体を休めることができたのに、外に出て何かをしていないだけで、少し損した気分になってしまうこの気持ちにはなんと名前を付けるのがふさわしいのだろうか。 今は違う世界に行きたいな、と無意識に思っているのかもしれない。仕事はうまくいっているとはいいがたくて。あと半日とちょっとす

          週末の終末に。

          私の物書き欲。

          リラックスした格好でPCの前に座る。パジャマは通気性のよく、袖口脚まわりが緩くて、脳みそもゆるゆるとほどいてくれる。そんな時間も考えれば、しばらくの間経験していないことになる。 リモートワーク中は頭を切り替えるために、普段着には着替えるようにしているから、それで何となくピシッとスイッチが入って、仕事モードになる。 先週の土日からの連休中、PCには触っていた。プログラミングをしていたのだ。LINEとGoogleのスプレッドシートを組み合わせたチャットボットは少し調べると自作

          私の物書き欲。

          ひとり。

          とても。とても人恋しく、思う。 外出自粛、テレワーク。 私たちは、わたしは、ひとりでいることが以前よりもずっと、ずっと、多くなった。 職場の狭い通路で、道を譲りあうことがなくなった。朝の電車で、肩が触れることがなくなった。人とすれ違うことも、会社で同僚、先輩とも言葉を交わす機会、そこにいるという存在さえ感じることができなくなってしまった。 家にいればひとり。 ひとりの時間は時に心地よい。人の目を気にせず、自分の世界に没頭できるのもひとりの時間だ。趣味にせよ、食事にせよ、

          ひとり。

          胸がいっぱい。

          物語は私の胸をいっぱいにしてくれる。 *** 土曜日も日曜日も物語の世界にいた。 土曜日は『Fate/GrandOrder』というスマホゲーム。3年前からハマっている(ファンタジー?バトル?ノベル?)ゲームだ。異世界を過去の偉人たちと救っていく物語で、水曜日に新しいストーリーが公開されたばかり。ほぼ丸一日、そのストーリーの中に浸かっていた。手に汗握る展開で、時に涙し、衝撃の展開に目を丸くし、それはもう食事も、時間が進むのも忘れていた。無我夢中だった。 日曜日は凪良ゆう

          胸がいっぱい。

          朝まで飲んで。

          久しぶりに朝まで飲んでいた。 高校の先輩方、後輩とともに。夕方から飲み始めた。集まるちょっとした言い訳を思いついては、よく誘ってくれる先輩がいて、後輩と飲むついでに自分も誘ってくれたらしい。たくさんごちそうしてくれる人で、私は楽しいし、おいしい、さらにごちそうしてもらえるこうした機会に大変甘やかしてもらっている。 ついつい、終電の事なんか忘れてしまうので、朝まで飲むこともしばしば。昨日も、そうなるかな、と思っていたら、やっぱりそうなった。 上野の飲み屋街は、下町の雰囲気

          朝まで飲んで。

          週に3日くらいしか頑張らないことにしているんだ。

          一週間は7日。 そのうちの3日くらいしか頑張らないことにしている。というか、それくらいしか頑張れないし、頑張りたくない。 頑張ろう、って声かけられたり、自分に対してもついつい「頑張ろう」と気合を入れたりするけど、思っている以上に頑張ることなんてできない。そんなに頑張ることができるとしたら、アドレナリンが異常にでているに違いない。頑張りは続かないように、少なくとも自分はできている。 誰かの頑張りや、そう在ろうとする気持ちを否定するわけじゃないけど、頑張らないでリラックスして

          週に3日くらいしか頑張らないことにしているんだ。