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胸がいっぱい。

物語は私の胸をいっぱいにしてくれる。

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土曜日も日曜日も物語の世界にいた。


土曜日は『Fate/GrandOrder』というスマホゲーム。3年前からハマっている(ファンタジー?バトル?ノベル?)ゲームだ。異世界を過去の偉人たちと救っていく物語で、水曜日に新しいストーリーが公開されたばかり。ほぼ丸一日、そのストーリーの中に浸かっていた。手に汗握る展開で、時に涙し、衝撃の展開に目を丸くし、それはもう食事も、時間が進むのも忘れていた。無我夢中だった。

日曜日は凪良ゆうさんの『流浪の月』を。
初めて読んだのはちょうど一ヶ月くらい前。本屋大賞を受賞したと目にして、もう一度読んでみた。お昼から夕方までずっと通しで。この物語は、一人ひとりが主観的に持っている『真実』と客観的に自ずから決められてしまう『事実』の対立、そしてそれに苦しんでしまう誰かがいること。それでも人と人との在り方はまぎれもない真実があるよ、と希望を見出してくれる、そんな物語だった。心温まる、物語だった。


物語の世界は癒しをくれる。
『夢中』になれる。物語の中は夢の世界で、その中にいる時間、私たちは一時の間、現実を忘れることができる。そんなの現実逃避だよ、と誰かに非難されるかもしれない。それは逃げです、なんて自分を厳しく叱ってしまう時もある。けれど、物語の中でいろんな体験をして、気持ちを大きく揺さぶられて、現実に帰ってくると、心は空を飛んできたように、まるで羽が生えているかのように、軽くなる。

ああ楽しかった。苦しかった。ドキドキした。心の中をひっちゃかめっちゃかにされたのに、どうしてだろう。

自分じゃない誰かの物語を追体験して、違う世界を旅して、普段は出会わない誰かに出会って、こんなにも心を揺さぶられてしまうのはなんでだろう。

分からないけど、そんな物語を心地よく感じる自分がそこにいて、その気持ちはまぎれもなく真実だ。私の胸はいっぱいになり、明日もきっと頑張れる、なんて信じることができる。

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外にもなかなか出ることができないし、タンスを開ければリモートワーク用のパソコンがある。職場の人に会うことも難しければ、友達とのワイワイ楽しくお酒を飲むことができない、このご時世だから。


私はうーんと引きこもる。そして、物語で胸をいっぱいに膨らませ、明日も一日頑張ろうと思う。

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