『おまえは本当にオレの子か分からないからな』　vol.3 R氏

オレの親父があるとき
『おまえは本当にオレの子か分からないからな』
と言ったことがあって。

■R氏概要
アラフォー、既婚。妻は専業主婦。子どもはつくらない予定。

現在10人ほどにインタビューを完了しているのですが、男性の方が結婚に対する考えがライトで淡泊という印象です。

女性は「人生が変化する重要トピック」と捉えるのに対し、男性は「息をするかのように自然なことで特別な思い入れや考えはない」といった言葉をよく聞いています。

さて今回おR氏はそれが如実に現れていて、それがゆえに力むことなく「夫婦が楽なかカタチ」に落ち着いた生活を送っているのかなと感じました。

■インタビューのシチュエーション
居酒屋（ほろ酔い）

というわけで始まりはじまり～

■結婚についてのイメージ・結婚前はどう思っていた？
結婚しないとは思わなかったけど、イメージはない（即答）。

・なぜかな？
おれ、家族関係が希薄だったから、特にこうありたい、という結婚像はない。
「結婚？するかもね～」くらいの気持ちで、どっちでも良かった。

・家族関係が希薄とはどういうこと？
人は人、自分は自分、好きに生きればいいよ、という感じで、全員好きなことをしていて干渉し合わない家族(笑)。

・結婚後に「結婚」についての捉え方は変わった？
変わってない。

■結婚のきっかけ

・きかっけは？

付き合っていた彼女に電話で「そろそろ、私、結婚しようと思うんだけど」と言われて、最初は「えっ、誰と！？」と思ったんだけど、オレだった(笑)。

・プロポーズだったのかな(笑)？
まあ、そうかもね。「じゃあ、そうする？」ていう感じで。3年つきあったあとだったし。
あと、ちょうど周りが結婚ラッシュだったんだよ。その船に（流れ）に乗ったんだよね。おれ、人間性適当だから(笑)。

・結婚にあたって、彼女の人生を背負っていくとか、共に歩む、とかそういうことは考えなかった？
考えてない（即答）。そういう重いことは考えてない。

・経済的な不安もなかった？
生活レベルを下げたら飢え死にしたりはしないだろうと思ってた。二人ともそんなに金遣いが荒くないから、奥さんが働かなくてもいいかなって。

・奥さんはR氏にとってどんな存在？
うーん、友達とか、遊び相手のような感じ。

・遊び相手(笑)！仲良しだね。喧嘩はしたりしないの？
あーあるよ。ある日家に帰ったら、部屋のレイアウトが変わってて、前より不便になったように感じたんだよ。だから「それ、おかしくない？」って言ったら「じゃあいいよ！」って泣きながらもとに戻してた(笑)。

・その気持ち、分かる気が……。
だって、あきらかにおかしいレイアウトなんだよ。テレビ台に乗っていたテレビが床に置いてあって、テレビ台の上に何かが乗ってて……。

・お財布の管理は奥さん？
特に決めてない。
金を欲しい時に、欲しい金額を言いあう、という財布管理。金はないと使わないし、あると使う。お互いが好きな時に、好きなだけ使ったらいいんじゃない？という感じ(笑)。貯金のノルマとかもない。

・生活費が足りなくなったりしないの？
生活レベルが一緒だから、金は足りる。金はないと使わないしね。

・趣味が合いそうだよね。
いや、根本的な好みは合わない。
（外野の反応：え？そうなの！？）

フィギアを買うとちょっと嫌な顔をされたりもする。
（外野：だいたいの奥さんがそうだろうね）

オレは部屋が汚くてもOKなのよ。奥さんはキレイ好きだから、部屋を掃除してくれるし、ごはんを作ってくれるんだけど、オレは（やってもやらなくても）どっちでもいいの。

■子どもの捉え方

・子どもはいらない？
職場に結婚しているけど子どもはいない、という夫婦が多いし、いなくてもいいかと思ってる。
子どもが嫌いというわけではなくて、子ども中心の生活ができないと思うから、その生活を選ばないという感じかな。

オレの親父があるとき

「おまえは本当にオレの子か分からないからな」

と言ったことがあって。

（その意味は）子どもは女性から生まれるから、生んだ女性が母親だということは確定している。けれど、男性は生んでいないから本当のところは分からない、ということなんだけど。

・すごいことを言うお父さんだね(笑)。
ウチの親父は変わってたからな。
「俺は父親としてがんばろうとしたけど、やっぱり無理だった。俺は自分の興味あることが大事で、それを突き詰めて生きていきたい」と言っていた。

・お母さんや家族はそれを聞いてどう思ったの？

「それでいいじゃん」(笑)。

■相手にのぞむこと

・相手にこうして欲しいと思うことは？
ない。

・自分が奥さんにできることは？
遊び相手だな。

■離婚について

・離婚は考えたことはある？
離婚はないけど、ゆくゆくもし死別して（残って）しまったら、ひとりだと寂しいというのはある。

■再婚について

・もし離婚したら、再婚はあり得ると思う？
うーん、いらないや。そうなったら、一人で生きていくわ。かなり寛容な人間じゃないと受け入れてもらえないと思う。

■不倫・浮気について

・不倫や浮気をしている人をどう思う？
人がするのは、どうでもいいかな。

・自分はその可能性はありそう？
自分はしないね。そういうたぐいで情熱ないからね。

　　　　　　　　　　　　　　　　R氏　完

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■インタビュアー
斎藤 貴美子 さいとう きみこ
コピーライター／ライター／コミュニケーションプランナー

世の中のインサイト（本人も気づかないこともある隠れた気持ち）を拾って仕事と世の中に生かしたい。
趣味は日本酒・三国志・自由研究。

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