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窮屈な愛の物語り

言葉の羅列から生まれるストーリー

無造作に無作為に言葉を羅列する
そのままの順番でストーリーを作る
今日はこの羅列↓↓↓

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窮屈な愛の物語り
爽やかな風が私を包み込む。こんな美しい世界に私は酷い言葉を紡いでしまって、生まれては消えていくさざ波を世界で一番憎んだ。
一度も欲しい言葉を生み出すことは出来なくて、呼吸は荒くなる。
私はもう誰かと戦わないことを決めた。本当にそこでは何も生み出さないことを知ったから。茜色の夕焼けで髪は染まり、浅い息を繰り返す。悔しかった思いも全てがさざ波が持っていってくれるように。
こんな私にも優しかった少年は、ガラス張りの写真立ての中で手のひらを広げて私の思い出の一部となっている。私の一方的な想いは押しては返すさざ波のように浅いものだったのかもしれない。
それでもあの少年以来、私の心を浮かせるほどの感情は湧かなくなった。世界に興味がなかった私は浴びせられた言葉と言いたかった言葉を飲み込んで生きてきた。それが今となって、音を立てて崩れていく。どうしてもあの少年を忘れられない。いや、あの頃の心の浮つきが好きだったのかもしれない。
片方だけあけたピアスは時間がたつにつれて気になりだした。君の真似をしたくて開けたんだけど左右間違ってしまってたことに今更気づいてしまったから。ピアスを開けるきっかけは、少年に言われた「右頬のほくろ似合ってますね」あの時は恥ずかしかったけど、今では甘いお菓子を食べた時くらい心にしみわたる言葉に感じる。私のコンプレックスをいともたやすく溶かしていく。だからかな、君と同じになりたいと思ったのは。
夕日はいつの間にか闇夜に消えて、月の光が差し込み気づけば泣いている私を慰めているようだ。
そしていつものように朝を告げるチャイムが静かに鳴り響き、毎日同じ繰り返しのリズムを包み込む。
ポケットにしまっていた思い出は不自然に切り取られ、いい思い出だけで構築されていく。あの少年がまっすぐに見つめていた愛は私には窮屈に感じた。


あとがき
女性は絶望と孤独に満ちた人生を送っていたが、偶然出会った若き少年が彼女の心に変化をもたらす。彼女は少年に一方的な好意を抱きながらも、少年は彼女を尊敬と憧れの対象としてしか見ていない。少年との出会いを通じて、彼女は内なる葛藤と成長を経験し、再び生きる喜びを見いだす。彼女の愛と少年との愛は違う線となり交わることはない。彼女は愛の違いに窮屈さを感じて少年とのかかわりを断つが、少年がいたあの思いでさえあれば十分だという切ないお話し。


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