フラッシュアイデア感満載。
■税未納EC個人事業主へは出国禁止措置を適用。
・最近のニュース(2024年2月28日付)、「ベトナム税務総局は税未納EC個人事業主(年間売上61万円以上は付加価値税/VAT及び個人所得税/PITを要納付)へ出国禁止措置を適用する方針を明らかにした」。
・「現行規定ではオンライン販売による年間売上高が61万円を超えた場合、個人事業主はVATとPITを納付する必要があるが、個人事業主の取引やキャッシュフローの把握等の管理が徹底されず税損失が発生している」のが現状のようだ。
■ECプラットフォーマーは税務総局に情報提供の義務がある。
・ECサイトである『ショッピー(Shopee)』や『ラザダ(Lazada)』等のプラットフォーマーは「税務当局に販売者(個人事業主)に関する情報を税務総局に提供する義務がある」。
・更にプラットフォーマーは個人事業主個々の売上高の情報等も提供する事になる。
・「2023年、357のECプラットフォーマーが管轄当局に情報を提供し、国内の販売者が納付した税金は33億円」となった。
■どの段階で出国禁止措置を適用するのか。
・ちなみに、2023年ECサイト上位5社の売上高は1兆4000億円で前年比+53.4%増となっている。この売上高はプラットフォーマーへの手数料や個人事業主のみならず企業売上も含まれているため単純計算は出来ないが、売上高1兆4000億円に対するVAT10%を計算すると1400億円が税金として税務総局に納付されなければならない。
・税務総局としては多額の税未納分の徴収を強化し、「出国禁止措置を適用する方針を明らかにした」という事は、今後ベトナムの空港等では出国審査で弾かれる(税未納で出国できない)人々が多発するのだろうか。
・そして、出国審査の長蛇の列は更に長くなり、全く関係ない人々はその影響を受けてフライトに乗り遅れる事象が多発、空港内のオペレーションが混乱、本強化策はうやむやになり、しれっと従来のオペレーションに戻さざるを得ない、と私は少し先の未来をそんな風に予測する。