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忙しいとは何なのか 〜その傾向と対策について〜

こんばんは、ネオニートの斉藤です。


忙しいと言う人々

経営者から主婦、ビジネスマン、さらにはニートまでが「忙しい」という言葉を口にするのを聞く。実際に忙しそうな人から一見すると暇そうな人まで忙しいと言っているが、忙しいとはいったい何なのだろうか?我々がよく口にする忙しいの正体とその傾向や対策、注意点について解説する。

忙しいと何なのか?

我々が忙しいと感じるのは

予定が入っている期間に別の予定が入ってきた時である。

仮に12時から30分間予定が入っていたとする。それ以外の時間は暇だとしても、12時から12時半の間に別の予定が入ってきたら、人間は忙しいと感じてしまう。予定の重要度は関係ない。例えば、30分間の昼寝もあらかじめ予定を立てていたなら立派な予定となる。

無題のプレゼンテーション_-_Google_スライド

これを聞いて忙しいのは予定が詰まっている人のことで、12時半以降は暇ではないかと反論する人がいるだろう。確かに、予定が詰まっている人は別の予定とぶつかる可能性が高くなる。しかし、単に予定が詰まっているだけでは忙しいとは感じない。忙しくなるポテンシャルは高いが忙しいとは感じない。予定が入っている所に別の予定が入ってきたとき、はじめて忙しいと感じるのだ。

例えば、小学校や中学、高校の授業を考えてみよう。休憩は15分だけで授業がぎっしり詰まっていたはずだ。しかし、授業を忙しいという人はあまりいなかったのではないだろうか?それは授業中に別の予定が入る事がないからだ。国語の授業中にいきなり「今から数学の授業始めるけどできる?」などと言われ、別の予定が入ることはまずあり得ない。そのため、予定が詰まっていても別の予定が入る事はなく、忙しいと感じる事は少なかったはずだ。逆に、授業中に内職をしている人は予定が重なってしまっているため、忙しいと感じていたのではないだろうか。

傾向と対策

忙しいとは何なのかについて理解して頂いたところで、その対策をいくつか紹介する。

①絶対に予定を変更しない

一度決めた予定は例え病気になっても、槍が降っても、絶対に変更せず、新しい予定を断れば別の予定が入る事はなくなるので、忙しいと感じにくくなる。しかし、現実的には重要な予定が後から入ってくる事がよくあるため、あまり現実的では無い。そこでもう少し実用的な対策を考える。

②予定期間に幅をもたせる

予定をきっちり決めるのではなく、「日単位や時間単位ではなく1週間以内に終わらせるタスクを決める」、「個人的な作業からチームでの作業まで、何をしてもいい自由時間を設け、その間に打ち合わせや会議を終わらせる」など予定に幅を持たせる事で忙しさを軽減させる事ができる。

③固定されている予定が本当に必要か考え直す

3つ目の対策はその予定は本当に必要なのか、とくに、定期的に入っている予定について見つめ直す事だ。

福岡県の働き方改革推進事業で先進的な企業の取組みとして、以下の例を紹介している。

本当に会議をする必要があるのか、メールや回覧で済ませられないかを基準に、無駄な会議を削減。
日頃行っている業務について、必要かどうかを改めて検討し、不要なものは廃止。必要なものは平準化・再分配するなど業務の棚卸しを行った。
パート向けに、9〜17時の間で都合のよい時間帯に出退勤できる自由出勤制度を導入。

出典:https://hatarakikatakaeru.pref.fukuoka.lg.jp/procedure/idea.html#

これらは対策②や③に相当している。

傾向と対策

出典:https://sp.macour.jp/s/kyotei-info/ashiya/br21book/sp/

過労やパフォーマンスの低下について

既に入っている期間に予定が入らず、忙しさを感じなければどれだけ活動をしても良いように感じられるかもしれないが、それは間違いである。

たとえば、忙しさを感じないからといって、1ヶ月の総労働時間が250時間以上になってしまうと過労死のリスクが出てきてしまう。

また、人間の一日の活動には制限が存在する。資料作成だけやフルマラソンだけといった同じ活動度の作業を一日8時間行うといった事は不可能で、無理をして同じ活動度の作業に時間を使いすぎてしまえばパフォーマンスの質が下がってしまう。(無理をして8時間資料作成をし続けると資料の質が落ちてしまうし、フルマラソンを3時間で走った人が同じ日に2回目のフルマラソンを行うと、3時間では走れないし、ゴールできるかすら怪しくなってしまう。)

忙しさとパフォーマンス、過労は別の問題と考えたほうが良いと思われる。

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出典:https://pocketmags.com/athletics-weekly-magazine/12052016/articles/20702/marathon-brainstorm

写真は東京五輪男子マラソンで、3番手で国立競技場に入り、先を走っていた2番手の円谷選手をゴール前約200メートルで抜き去り、2位でゴールしたヒートリーさん

まとめ

「予定が入っている期間に別の予定が入ると人間は忙しいと感じる」と考えれば、一見、忙しそうに見えない人が忙しいと言っている謎や、忙しさを感じないようにする方法が分かったのではないだろうか。

参考文献

https://www.kisoku.jp/kino/column4.html

矢野和夫 データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則

https://www.nikkansports.com/sports/athletics/news/201908050001018.html

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