見出し画像

2つのクリスマス in Spain

こんにちは!

スペインにはクリスマスが2つあるのを知っていますか?

今日はスペインでのクリスマスとおまけでカウントダウンの話もします。

クリスマスの飾りから食べ物、習慣などについて、けっこう盛り沢山な内容になりました!

ではお好きなものからどうぞ!

●ベレン

これはスペインに限らずキリスト教が主な国ならどこでもそうかもしれませんが、クリスマスシーズンになると教会や市役所の前にキリスト生誕のシーンが表現されたオブジェのような一種のアートがあらわれます。

大きさは小さいものから大きいものまであるのですが、今回のクリスマス、今まで見たベレンで一番大きなものをアリカンテで見つけました。

それがこちらです!


画像1

大きいを超えて巨大すぎるベレンです!!!笑

リアルに普通のサイズの100倍ぐらいありそう。

特にキリストの父親ヨセフは何メートルあるのか分かりませんが、5階建ての市役所よりも大きいです...!てか足長すぎ、、

なんでこんなにでっかなベレンがあらわれたのかというと、アリカンテでは年に一度Hoguerra(オゲラ)と呼ばれる大きなお祭りがあり、そのお祭りでこのような巨大なモニュメントが街中に飾られるのですが、2020年はコロナで中止になってしまいました。
そこで、お祭りが開催されなかった代わりに、クリスマスにこのように市役所の前にどーんと巨大なベレンが飾られたようです。

こんなでっかいモニュメントどうやって作るんでしょうね...?Hoguerraについてはこの記事で書いたのでよかったら見てください。とってもクレイジーなお祭りです。


●フェリア/移動式遊園地

この時期もう一つ現れるのが、遊園地です!
クリスマスシーズン限定で設置されます。これもスペインだけでなく、ヨーロッパ各地であると思います。

アリカンテでは、サンヴィセンテという大学がある町に設置され、一昨年私も行きました!

画像2

結構大規模で、いろんなアトラクションがありました。入場料は無料で、アトラクションごとに料金が設定されています。くじや的当てのブースもありました。

私はジェットコースター大好きなので久々に遊園地に来れてとっても興奮しました。
でも彼の方はジェットコースターが苦手で、無理やり一緒に乗らせたら気持ち悪くなっちゃいました、、申し訳ない、、。少し休んでもしばらく治らず、もう一生乗らないと言っていました。笑

私が住んでいるアスペでも小規模ですが毎年クリスマスに遊園地が現れます。しかも家の目の前なのでめちゃうるさい。Rana loca(クレイジーなカエル)というアトラクションの動きがその名の通りクレイジーで特に印象的でした。ちょっと乗ってみたい気もしたけど、地元の子供や若者ばかりだったのでさすがにやめておきました。。

今回のクリスマス、サンヴィセンテにはこの遊園地が設置されてましたが、私の住むアスペではコロナのため設置されなかったので騒音は回避して平和に過ごせました。

ちなみに、ドイツではクリスマスマーケットが有名ですが、アリカンテにもドイツ式の小さいクリスマスマーケットが開催されていて、友達とホットワインを飲みに行きました。

ホットワインはシナモンなどのスパイスが入った、フルーティで甘い温かいワインです。初めて飲んだ友達はまずいと言ってましたが、私はとっても好きです!外で飲むので冷えた体があったまります!


●魚介料理

日本でクリスマスの定番料理といえばチキンの丸焼きとクリスマスケーキですよね?(うちはそうです!)

スペインでは肉料理ではなく、魚介料理をクリスマスに食べます。
私にとってはクリスマスって感じしない...!

でもスペインでは肉よりも魚介の方が高いので、クリスマスはみんな贅沢して魚介料理を食べるのです。

画像3

今回うちではイブは魚介料理を食べ、クリスマスには肉料理を食べました。
写真はイブのディナーの前菜で、アサリ、スズキのカルパッチョ、塩漬けサーモン、エビがあります。その後のメインはロブスターを使ったフランス料理を彼が作って食べました。

ちなみにスペインでの定番のクリスマスの過ごし方はこんな感じです。

イブ :
家族でディナー → 夜中まで飲み明かす

クリスマス :
家族で昼ごはん → ゆっくり休む(酔い覚まし)


家族と言っても親戚一同みーんな集まります!日本で言ったらお正月みたいな感じですね!
彼の家族は例年40〜50人集まるそうですが、もっとたくさん集まる家もあるそうですよ!
ちょっと日本とは規模が違いすぎますね。笑

ちなみに今回のクリスマスはもちろんコロナによる規制があったので、6人までしか集まることができませんでした。いつもとは全然違ってしんみりしたクリスマスだと言っていました。夜も12時以降は外出禁止となっていました。

画像4

こちらはクリスマス当日の肉料理です。

画像5

この日のために上質なリブロース(北スペインのアストゥリアス産)も市場で購入し、BBQのように庭で大胆に焼きました。
犬の目も光っています!!笑

クリスマス直前はスーパーや市場は食材を買う人でわんさかでした。特に気をつけなければいけないお年寄りでさえ、ソーシャルディスタンスもお構いなし...。

そういえば、日本でいうしらすのような、ウナギの稚魚をスペインでは缶詰めなどでよく見ます。そのほとんどは見た目を似せて作ったウソモノで、魚をすりつぶしたすり身でできているのですが、本物は高級食材らしく、これもクリスマスに食べるよ〜と昔同僚に聞きました。

もともと魚介は豊富に売られているスペイン。いろんな魚介がクリスマスに食べられるんですね!


●クリスマスのスイーツ

スペインではクリスマスケーキとやらがありません。
ですが、クリスマスに食べられる典型的なお菓子があるので紹介します。

パネトネ

画像6

こちらはパネトネ。

シフォンケーキのようですが、何度も発酵してあって生地はめちゃくちゃしっとりしています。周りにはザラメがたくさん!味はチョコチップやオレンジ、ドライフルーツが練り込まれているのが定番です。ちなみに発祥の国はイタリアです。

画像7

サイズは小さいものから大きいものまで売られています。私が住むアスペにはこのパネトネの専門店があり、小さい店ながらもそこのパネトネは世界で一番おいしいと言われているんです!(あくまでそういうキャッチフレーズ)

このお店のパネトネを初めて食べた時は本当においしすぎて1人でばくばく食べてしまいました。それから私の一番好きなスイーツはこのパネトネになりました。

クリスマスはみんなこぞって遠くからわざわざ買いに来る人もいるそうです!それくらい人気なんですね!私も今回クリスマス直前に並んで買いました。普段は普通に入れるけどこの時期は毎日お店の前に列ができます。クリスマスは家族みんな集まるので、1人で何個もパネトネを買うお客さんがたくさんいました。

トゥロン

画像10

お次はトゥロン。他の国ではヌガーと呼ばれています。

これもアリカンテの記事で以前紹介しました。アーモンドたっぷりのお菓子です。アリカンテのヒホナという場所が発祥なんですよ。ハチミツが練り込まれてるので甘くておいしいです。

この時期はどこのスーパーでもいろんな種類のトゥロンが売られています。逆に言うと、この時期以外は出回らないので買うのが難しいです。
料理人の彼は先日、シーズンが過ぎてセールになったトゥロンを今しか買えないからと言って大量購入し、トゥロンのアイスを作ってました。夏に向けて最高においしいアイスを蓄えるらしいです。笑 トゥロン味のアイス、めちゃくちゃおいしいんですよね...!

ポルボロン

他にも、ポルボロンというクッキーのお菓子もこの時期食べられます。トゥロンもポルボロンもアーモンドを使っているのが特徴です。

画像8

これは彼のおばさんのお友達が手作りしたポルボロンです。いろんな種類があります!
スノーボールに似ていて、サクサク、ホロホロしたクッキーです。お店で売っているものは小分けになっているのでお土産にもちょうどいいですよ!


●バルセロナのカガティオ/カガネル

これはバルセロナ限定なんですが、面白い文化があります。

クリスマス前になるとカガティオという丸太でできた人形を飾ります。

こいつです。

画像11

なんとも言えないかわいさでしょ?
これは一昨年の年末にバルセロナに行った時に市場で見つけました。笑

これを飾ってどうするかと言うと、子どもたちが毎日お菓子をカガティオにあげるんです。それをカガティオが食べて、クリスマスの日にう◯こをするようにプレゼントを出すらしいです。つまりサンタさんみたいな存在ですね!

ちなみにカガティオの意味は、う◯こおじさんです。変な文化がいっぱいありますね、スペインは!

バルセロナにはカガティオ以外にもカガネルという、おしりをだしてう◯こをした人形がたくさん売られています!これももとはクリスマスに飾る習慣らしく、翌年の豊穣や繁栄を祈る意味がこめられてるそうです。
現代は世界の有名人やキャラクターのカガネルが様々あり、安倍総理やドラえもん、メッシなどいろんなバージョンがあるので見つけるのが面白いです(笑)

画像13
画像12


●第2のクリスマス-レジェス・マゴス

スペインにはレジェスマゴスという3人の王様(東方の三賢人)の日が1月6日にあります。この日はクリスマスと同じように国民の休日です。

この日は3人の王様がいい子にしてた子にプレゼントを届けてくれるのです。子どもたちは事前にレジェスマゴス宛に手紙を書いて欲しいものをお願いします。サンタクロース(スペイン語ではパパノエル)の文化もスペインにあるので、子どもたちはパパノエルとレジェスマゴスから、2回もプレゼントがもらえるのです。最高ですね!

レジェスマゴスの日は各地でパレードが行われます。このパレードがまたクレイジーなんです!

画像14
画像15

これは去年のパレード。大通りに人が大勢集まり、子どもたちは前にスタンバイしてキャンディーをキャッチする気満々です。

そう、このパレードでは大量のキャンディー(スペイン語ではカラメロ)を人々に向かって投げ与えるのです。日本である豆まきのパレードみたいですね?

みんなカラメロ〜カラメロ〜!と叫びながら、こっちに投げてー!とアピールします。本当に大量にキャンディーが用意してあって、中にはおもちゃやぬいぐるみもあります。子どもたちは大興奮です。(お祭りなので大人もだいぶ興奮してます。)
私は去年、ソフトキャンディーとポケモンカードをゲットしました。笑

画像21


パレードの最後は3人の王様が1人ずつラクダの山車に乗って現れます。

画像16
画像17
画像18

みんな手を伸ばして叫びながらお菓子やおもちゃを取るのに必死になっていて、またスペインのクレイジーな部分が見れたな、という感じでした(笑)王様が来た時はみんなの興奮がピークです...!

このレジェスマゴスの日には、ロスコンデレジェスと呼ばれるパンをみんなで食べます。

画像9

これは去年ホテルの同僚が作ったロスコンです。
このように巨大なドーナツみたいなパンで、上にはザラメ、アーモンド、砂糖漬けにしたフルーツが乗っています。ホテルで出す時はこれを横半分に切って、間に生クリームをサンドしました。

画像19

大きいのでこんな感じで人数分に切って分けるのですが、実は中には乾燥空豆が一粒と、王様の小さい人形がどこかに隠されているのです。
空豆が当たった人はハズレで、そのロスコンの料金を払わなきゃいけないみたいです。王様があった人は、市販のロスコンには紙でできた王冠がついてくるのでそれをかぶります。その年一年間ラッキーになるそうです。

私も今年は友達と一緒にロスコンを食べましたが、誰も王様が当たらず、余ったロスコンの中に入っていました。笑

画像20

この小さな陶器の人形、記念に私がもらって帰り、家に飾ってあります。(空豆が当たった友人は結局支払いせずに帰っちゃいました、、笑)

そういえば、昔ルクセンブルクに行った時にもロスコンではありませんでしたがアーモンドペーストが入ったパイ生地のケーキ、ガレット・デ・ロワをこの日に食べて、同じように1つ陶器の人形が入っていたのを覚えています。フランスやルクセンブルクなどその辺の地域にも同じ文化があるんですね。
日本で昔働いてたケーキ屋さんでもガレットデロワを年始に売ってたのを思い出しました。


●カウントダウン-12粒のぶどう

最後はカウントダウンについて、ユニークな文化があるのでこれも紹介します。

スペインではカウントダウンで0になった瞬間、ゴーン、ゴーン、、と連続して12回鐘の音がなります。(テレビでどのチャンネルをつけてても鐘の音がなります。)

その鐘の音に合わせて、ぶどうを1粒ずつ食べていきます。そして、12粒全部口に含められたらその1年幸せに暮らせるという言い伝えです。

画像26

12粒ノンストップで食べるのは意外ときついので、スーパーにはカウントダウン用に種無しのぶどうが12粒用意された缶詰めなんかも売られています。

今回の年越しは、彼が夜11時30分頃まで仕事でしたが、ぶどうを食べるために仕事終わり超特急で家に向かいました。私は家でもう間に合わないだろうなーと思っていたら、ちょうど0時になる数秒前に玄関が開く音がして、無事に鐘の音に合わせて一緒にぶどうを12粒食べることができました。超ギリギリセーフです!!

ちなみに一昨年はバルセロナで年越しをして、カウントダウンで有名なモンジュイック広場で過ごしました。物凄い人でしたが、レーザーや噴水、音楽と花火の演出がたくさんあって行く価値ありでした。

画像23
画像22

みんなシャンパン(カヴァ)とぶどうを用意していて、私も準備万端だったのですが、0時になった瞬間花火が上がりまくってこの瞬間を動画に納めたい!と途中で気が変わり、ぶどうは4粒で諦めました。笑

画像24

なので、今年はしっかり12粒食べれてよかったです。

来年はどこで年越しするのかな〜

画像25

今回はスペインのクリスマスとカウントダウン、たくさんお伝えできたかなーと思います!楽しんでいただけてたら嬉しいです。

また来月更新します^^

See you next time~

記事を気に入っていただけたらオススメしていただけると嬉しいです^^