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日刊うたうたい。

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短歌らしきものを綴ってまとめていきます。 毎日七首、誰かの一週間を支えるうたになりますように。
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#創作

月曜日の歌 8週目

月曜日の歌 8週目

この雪のように白い柔肌で
この血のように赤い唇

あの人の嫉妬が殺すというのなら
この美しさでとり殺そうか

美しい娘もこうなりゃ獣と変わらない
内臓 わりと身近な味だね

この森の七人とともに住んでいる
たった一人の娘がいるよ

首紐に飾り櫛に毒林檎
一番の美貌の証明にする

目が覚めた瞬間残念そうな顔
きみの遺体が 欲しかったんだよ

おかあさま 真っ赤な靴もお似合いで
ダンスもとっても素敵で

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月曜日の歌 7週目

月曜日の歌 7週目

色のない世界の中でただひとつ
生きる喜びなの 赤い靴

信仰も涙もひとの涙さえ
赤い靴には勝てっこないの

「死して尚、踊り続けるのが罰だ」
綺麗な顔で天使が告げる

葬送の別れも祈りも涙すら
流せずにいる 踊ったままで

罪人の首を切るのが仕事なら
私の脚はつみびとですよ

穢れなき少女が踊り叫んでる
私の脚を切ってください

穢れある我が手にキスし礼を言う
「貴方の両手に祝福あれ」

連作「赤

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金曜日の歌 7週目

金曜日の歌 7週目

憧れの海の上を生きる人
恋を知った 15歳の夜

声を捨て鱗を捨てて得たものは
傍にいられる幸せでした

「歩く度、足が痛むよ。それでもかい?」
どうして魔女は 痛みを知ってる?

姉たちに踵を返し 受け入れる
別れの夜ににっこり笑って

困ったな 憎めもすれば楽なのに
わたし、貴女もだいすきだもの

曙に消えゆく わたしのさだめなら
最期の願い どうかしあわせに

風になり あなたの横を通る時

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木曜日の歌 7週目

木曜日の歌 7週目

夜ライブ気合いで定時に帰るぞと
カバンにペンラ入れて出勤

残業中 推しブロマイドが聞いてくる
仕事と僕とどっちが大事?

寝なきゃとは思っているよ、思っては
23時からリアタイするけど

新しい服も新色コスメまで
推しの色です 推しの衣装です

何食わぬ顔で通勤ラッシュタイム
押しつぶされつつ推しの曲聴く

飯を食え 暖かくしてよく眠れ
舞台もライブも最高だったよ

恋人というよりむしろオカン目

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水曜日の歌 7週目

水曜日の歌 7週目

けだるさをぬるいポカリと飲み込んで
甘さが痛く しみるのどもと

アスファルト 格子の切れ目 炎天下
ハニートースト思い出してる

綿菓子と呼ぶには少し硬そうで
綿と呼ぶには薄い霧雲

吐く息も凍りつくよう 冬の日に
ガトーショコラの上を歩く

冬休み 宿題の絵に飽きた子と
季節外れのかき氷たち

憧れの焚き火の前に用意する
袋いっぱいプレーンマシュマロ

オーブンの前に立つ人誰も皆
甘い匂いに溶

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月曜日の歌 6週目

月曜日の歌 6週目

雲一つない晴天の祝日に
マフラーいらないことに気が付く

面影を必死に追って涙する
からだばかりが 大きくなって

振袖と袴のひとに抱かれて
昔の君がすやすや眠る

艶やかに カカト鳴らして 髪揺らし
袖振り笑う あたしら二十歳(はたち)

昨日のよう産着の君に出会った日
大人の顔のこどもたちよ

すれ違う若者たちを眺めつつ
おめでとうと頑張れ込めて

それぞれの思いや暮らし纏わせて
それでも皆が

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金曜日の歌 6週目

金曜日の歌 6週目

数分の電車の遅延のせいにして
一日早い休日迎える

歩いても快速乗っても追いつけない
等間隔のレールの向こう

構内の放送告げるさよならを
朝日に照らされ戻らない君

爆音の音楽の裏で鳴り響く
誰かの命が今日消えた音

背を向けて走り出す先終点へ
乗り継いだあとにまだ道はある

ランドセル背負い並ぶ雀らと
マフラーに顔 うずめて寝る僕

こねずみをはるか空から狙う鷹
背景の富士に茄子は添えるだけ

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木曜日の歌 6週目

木曜日の歌 6週目

土踏まず 寄った靴下踏んづけて
なんでもない顔をして歩く

最安値 三百円で買える爪
剥げた塗装をそっと撫でる手

オーブンを開けようとした僕止める
指から香る バターと果実

流星を 繋げ束ねて 糸にする
紡いで君に届けるリボン

横たわる体の下に埋まってる
数多 星の数のつはもの

渋ってた君を誘って動物園
うさぎに埋まる君見て笑う

バイト代 たった7cmの背伸び
あなたの視界に入ってみたい

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水曜日の歌 6週目

水曜日の歌 6週目

湖を作れる悲しい気持ちだけ
溢れるわずか15㎖

あたたかく しかくいへやを飛び出して
眠気と寝癖をはらう鋭い冬

憧れの君が隣にいるなんて
これ明晰夢 うん、明晰夢

国破れ山河と共に私あり
途方に暮れる裸足で歩く

スピカより 何光年先 どこにある
貴方の星へ 夢見て翔ぶ

一月の朝 短パンに半袖の君と
まんまる厚着の私

渋谷地下 ハコのスタンドから宙へ
お前ら連れてく推進力

2020/

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火曜日の歌 5週目

火曜日の歌 5週目

いたいけな少女のようにあどけなく
笑って僕に傷つける君

じゃがいもを入れない主義の食卓と
牛より豚派のカレーが出会った

わりばしを9対1でまっぷたつ
呆れ顔するあなたが笑う

るり色のハワイの海を眺めてる
8K コタツで見るユートピア

ななくさを省きまくって台所
キャベツの入った粥がゆれる

かえりみち 商店街で受信する
「パン買ってきて」で終わる正月

よう、と声掛けられるまで気づかずに

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月曜日の歌 5週目

月曜日の歌 5週目

100グラム前後の紙の束魅せる
手のひらの上 無限の世界

お財布と変えの下着と携帯と
いつもの文庫をカバンに入れて

「今買うの?すぐに文庫も買うくせに」
「ハードカバーは、別物カウント」

大切な1冊胸に生きていく
この身一つで生きてはいけない

特別な儀式 寝る前 頭を悩ませる
今日の最後に読む本はなに?

美しく生きる理由にはならねども
死ねない理由の未完の大作

ことのは 紡ぐ人と 紐解

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日曜日の歌 5週目

日曜日の歌 5週目

カスタードの天鵞絨の上に敷き詰めて
食べる宝石 ショーケース並ぶ

全世界に今知れ渡る 焼き菓子は
遠い異国の誰かの思い

アルコール 苦さ 香りも わからずに
これが大人の味かと思う

赤緑 箱から取りだし日にかざす
ステンドグラスを覗く瞳

憧れと嬉しさ併せ蝋燭に
照らされる イチゴ 目に焼き付いて

故郷の初雪景色によく似てる
黒い大地に粉砂糖 降る

幸せを小箱に詰めて持ち帰る
甘さの前に

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土曜日の歌 5週目

土曜日の歌 5週目

一番に見られ 見る場所 指先の
伸びた爪を 美しく塗る

ごく普通 地味め平日ローテーション
土日に纏う 本当の自分

ケアも無駄 死んだ細胞と言うけれど
なら何故みんな執着してるの?

食べたもの見たもので人は変わるらしい
貴方で私はどれほど変わるか

握りしめ 震える拳 殴るじゃなく
自分のリンパを流すために

鍛えるは 向かい風に倒れずに
追い風に乗り 走り出すため

無理やりに昨日の空気

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金曜日の歌 5週目

金曜日の歌 5週目

箱根路を吹き抜ける風 吸い込んで
味方につけて 行く五十五里

病める日も健やかなる日もこの脚の
行けるとこまで行くだけですから

数秒間 枯れる気力を振り絞り
背を押し叫ぶ 頑張れの声

山の神 二十のなかの一人だけ
山の女神に愛された者

来る人と 諦めなかった待つ人を
別つ音と 乾いた襷

箱根山 神の道を駆け下りて
都で待つる 仲間の元へ

涙 汗 沁みる襷をそれぞれの
胸に道行く若人らよ

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