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まいにち易経_0621【学問とは】学もってこれを聚め、問もってこれを辯ち、寛もってこれに居り、仁もってこれを行う、[乾為天/文言伝:第六節九二]

君子學以聚之。問以辨之。寛以居之。仁以行之。

君子はがくもってこれをあつめ、もんもってこれをわきまえ、かんをもってこれにり、仁もってこれを行なう。


徳ある人は学びによって知識を集め、問を発することで真偽を見極め、寛容さをもって人と接し、仁愛をもって行動する。

ある企業の新人研修に招かれた老易学者が、
未来のリーダーを担うポストZ世代の若者たちに向かって語る

学ぶことは知的な財産を築くことにつながります。本を読んだり、講義を受けたり、現場で実践的に学ぶことで、様々な知見を積み重ねていくのです。ただし、ひたすら知識を詰め込むだけでは意味がありません。
そこで重要になるのが、「問以辨之」つまり疑問を投げかけ、真理を見極めることです。学んだことに対して自ら疑問を持ち、批判的に吟味することが大切なのです。知識はあくまで手段に過ぎず、それを正しく理解し活用できるかどうかが何よりも重要なのです。

皆さんが新しいプロジェクトを担当することになったとしましょう。その分野について何も知らなければ、どれだけ有能であっても困難に直面します。そこでまず、関連する情報を集め、学びます。これは本を読むことでも、専門家に話を聞くことでも良いです。重要なのは、積極的に知識を吸収しようとする姿勢です。
学ぶだけでなく、疑問に思ったことをそのままにせず、深く掘り下げることで、表面的な理解から抜け出し、本質を見極める力が養われます。学んだことを実践するとき、狭量にならず、寛容な心を持つことが求められます。例えば、新しい考え方や方法を取り入れる際に、自分が既に知っていることに固執せず、柔軟に対応する姿勢が重要です。

寛容さはリーダーシップにおいても非常に重要です。部下がミスをしたとき、厳しく叱るのではなく、そのミスから何を学べるかを一緒に考えることで、チーム全体の成長を促すことができます。私はあるプロジェクトでミスを犯した若手社員を厳しく叱るのではなく、彼の視点に立ち、一緒に問題を解決しました。その結果、彼は大いに成長し、後に重要なリーダーとなりました。

仁愛とは、人を思いやる心、慈しむ心です。リーダーシップには、この仁愛が欠かせません。部下や同僚に対して思いやりを持ち、彼らの立場に立って考えることで、信頼関係が築かれます。
例えば、あるプロジェクトで非常にタイトなスケジュールが組まれたとき、私はチームメンバー一人ひとりの負担を軽減するために、スケジュールを再調整しました。その結果、皆が気持ちよく働くことができ、プロジェクトは大成功を収めました。リーダーシップとは、ただ指示を出すだけでなく、周りの人々を思いやる心を持つことが重要なのです。


参考出典

「学問」という言葉の出典。「これ」とは徳のこと。
「学問」とは、学び、そして書物や師に問い、自問し、為すべきことを弁別すること。そして、学んだことを会得したら、「こうでなくてはいけない」と狭量にならず、人にも自分にも物事にも、寛容な心で思いやりをもって実行することが肝要である。

易経一日一言/竹村亞希子

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