りゅう

文化人類学と美術史|映画音楽と映画広告|誰かの実話を言葉にさせていただいたりしてます|…

りゅう

文化人類学と美術史|映画音楽と映画広告|誰かの実話を言葉にさせていただいたりしてます|書くこと 触れること|

マガジン

  • いなくなれ群青

    初めての方はこちらからお読みください。 コーヒーを飲みながらホッと一息つけるような けれども引きずってしまうような記事をまとめております。

  • 自己紹介はこちらから

    初めてこちらにお越しくださった方、初めまして。 『りゅう』です。僕のことは大体ここにまとめてます。

  • 知らない街の誰かの物語

    2駅でさっと読み終えて、7駅分引き摺ってしまう。 夜眠りにつく前に読んで、朝まで眠れなくなるような物語を集めました。 これは、あなたの知らない誰かの物語。 *こちらは全て僕ではない誰かの実話です。 *こうして誰かの言葉にできなかった想いをコトバにしてます。 *適切な配慮をお願いいたします。

最近の記事

  • 固定された記事

『自己紹介』僕という人

2018年、2月4日に初めてのnoteを出してからちょうど5年目を迎えた。 月日だけ聞くと随分昔に感じても、つい先日のことのようにあの頃の感情を手元に戻せるくらい新鮮なあの瞬間は色褪せない。 noteのことを書くのなら、きっと、あの頃の話が重要で。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ これまで 和歌山県という海と山に囲まれた関西の下の方で生まれました。 自然に囲まれて育ちました。とか言えれば聞こえはいいのですが、幼少期はとにかく自分の部屋に引きこもってたので自然

    • 僕たちが幸せだと感じるものなんて

      後悔していることがある。夜になると、それに苦しんだりする。春の終わり、気温と心境の温度差がズレるこの時期は、心身のバランスが崩れて、特にいろんなことを思い出す。 いろいろなかったことにしたい、と思っていた。なぜあの時、もっと話を聞いてあげられなかったんだろう、とか。過去の体験談を見え張って話してる場合じゃないな、とか。 ただ、なかったことにしたら、それはそれで、何か大事なものを失ってしまうような気もしていた。 先日、縁あってフィジーに訪れる機会があった。フィジーといえば、

      • 世界で一番短い歌を贈ろう

        書いて、と言われている物語はいくつもあるし、出したい、と思っている企画はその倍近くある。でも、筆は進まず、脳は働かず、雑念ばかりがせっせと働いており、「きょうは低気圧だから」と諦めて、雑念と付き合っているのが今である。

        • 砂の上のピエロ。

          いわゆる「雰囲気イケメン」が好きだ。 自分の魅せ方を知ってて賢く、女の子の扱いも上手い。好きになったら死ぬけどセフレにするにはもってこいな人種、だから好き。そしていつしか人を好きになる感覚を忘れてしまった私は割り切った関係が得意。 つい最近知り合った人がまさにそんな感じだった。 綺麗な顔をしていて、服もおしゃれでかっこいい。独特のイントネーションで話すことを除けば理想の人。クールな印象で最初はビビったが、打ち解けるのにそう時間は掛からなかった。その日のうちに彼の家に誘われ

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        『自己紹介』僕という人

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        • いなくなれ群青
          4本
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          12本
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          14本

        記事

          入る前と同じ服装、入る前とは違った彼女の顔。

          子供の頃は、20歳を過ぎれば大人になれると思っていた。 20歳という基準が、単なる法的な成人の基準に過ぎないのだと気づいたのは、実際に自分がその年齢になってからだった。 どれだけ歳を重ねても、年甲斐もなく自分勝手に感情的になり、心は戸惑ってばかり。子供の頃に思い描いた年齢になっても、理想が僕らの邪魔をする。 そんな僕にとって、『20歳』という刹那的に過ぎ去っていく1年間は、1つのエポックメイキングだった。 ・・・ 春から夏に変わっていく。 季節のグラデーションが僕は

          入る前と同じ服装、入る前とは違った彼女の顔。

          愛じゃなくていい、ここに居させて

          彼女は、僕と過ごすはずだった3日間を 『最低だ』と言っていた、元カレと過ごした。 彼女にとって、彼は初めての彼氏だった。 背が高く、スタイルも良い。 切長の目に、マッシュヘアでサラサラの髪、骨張った手。笑うと目がクシャッとなる人で、誰にでも優しくできる人。 そうやって、彼の特徴を教えてくれていた彼女。 彼と彼女が出会ったのは、彼女が23歳の時だったから4年前。 そんな彼から、好きだと言われて付き合い始めたのが3年前の夏。 結局、彼女は今夜も、僕の知らない誰かの腕の中で

          愛じゃなくていい、ここに居させて

          遠くまで行く君に

          物心ついた時から、いわゆる『女性らしい』部分が私には欠如してた。 例えば、目を大きくすることに必死になることだとか、前髪が揃っていないだけで落ち込むこととか。 感度の高い空気読み観測器みたいなのが、その人たちの中には内製されていてその場のヒエラルキーにあった立ち回りが身についている感じとか。小さい頃から自分の益になりそうな人を見つける嗅覚だけは鋭くて、上目遣いとか距離の詰め方とかを駆使して自分の味方につける感じとか。 多分大体、そういうの。 そんな私が、初めて自分より人

          遠くまで行く君に

          人生で一番最低な夜を、人生で一番好きだった人と過ごした。

          21歳。冬。恋愛経験、それなり。 今からちょうど3年前、私にとっての初めてを、 どうでもよかったアイツにあげた。 処女のまま生き続けていくくらいなら、 とっとと捨ててしまった方がいっそ楽だと思ってた。 初めては、別に普通だった。 痛くもないし、気持ち良くもない、こんなことを私は、21年も気にして生きてきたのかと少しだけ馬鹿らしくなった。 * 大学2年の夏。大好きだった彼に振られた。 『ずっと一緒に居ようね』と安っぽい言葉を囁いてくれた彼は、私のことを『重いよ』と言っ

          人生で一番最低な夜を、人生で一番好きだった人と過ごした。

          最愛の友人が明日、結婚する

          なにか1つ法律が追加できるのなら 「〇〇歳になっても、1人だったら結婚しよう」 なんて気軽に口にする男を裁ける法がほしい。 そう言って、残していたコーヒーを啜った彼女は明日、結婚する。 飽き性の彼女と夢半ばのアーティスト 大阪駅の中央南口を出てすぐのところには路上アーティストの集まる場所があった。毎日のごとく夢みるアーティストの卵がその場所を訪れては数ヶ月もしないうちに消えていった。 あの夜、back numberを歌ってた彼が今どこで何をしてるのかは知らない。 そう

          最愛の友人が明日、結婚する

          あの笑顔も、声も、温もりも、全て愛おしい。

          2022年、皆様ありがとうございました。 捻くれた性格なので、あえて年末に「1年の振り返り」みたいな誰もが描きたくなってしまうnoteを書くことも、出すことも避けてきてました。 それでも、今年だけは残しておく必要がある気がして、残り1時間に迫った年の瀬にこれを書いてます。 どうぞ新年も、皆様こんな僕のことをよろしくお願いいたします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 長かった大阪の街を離れ、 単身東京に出てきた2022年。 電車を乗り過ごしてタクシーを捕まえ

          あの笑顔も、声も、温もりも、全て愛おしい。

          これで終わりにしよう。

          noteを書き始めた理由は、友人だった。 特段何かを書くことが好きだったわけでも、小説を毎日読むような人間だったわけでもない。多分、人よりちょっとだけ繊細な感情を持っていて、ちょっとだけ言葉を大切にしてる。それくらいの人間だったように思う。 「あの恋を忘れられない」と友人から相談を受けて、自分なりに消化しきれないあの感情を終わらせる方法が欲しくて、なんとなく描き始めたのがこのnoteの始まりだった。 誰かの恋を終わらせるために、相談を受けた恋を物語にするようになって あ

          これで終わりにしよう。

          お父さん。俺、男の人も好きになるんだよ。

          人生で一番、愛した人がいた。 17歳年上。片想いだった。 中学の時の先生だった彼は、温厚な表情と、笑うとクシャッとなる目尻が印象的だった。彼は結婚していて、子供もいたけれど、そんなことで諦められる恋ならきっと、想い出にすらならなかったんだと思う。 * 小さい頃から「男らしく生きなさい」と言われて育ってきた。 小学校のランドセルの色がどうしても「赤がいい」と泣きじゃくった時は「男なんだから」と叱られて、2日間家に入らせてくれなかった。 赤のほうがカッコいいじゃんか。 男

          お父さん。俺、男の人も好きになるんだよ。

          俺、当たり前に君とずっと一緒に笑ってられると思ってた。

          書いて。と言われている物語はいくつもあって、出して。と言われている下書きはその倍近くある。それでも、筆は進まず、言葉はつまり、本当に伝えたいことは一言も書けていない。 ありがたいことにこんなくだらない雑念ばかりのnoteにもファンが増えてきて、以前に比べて体裁ばかりを取り繕った文章に溢れてしまっているもので溢れているけれど、変わらず自分自身の話と友人の物語を描くだけのこの場所はなんだか居心地がいい。 曖昧なくらいがちょうどいいのかもしれない 女友達がいた。 大学入学後

          俺、当たり前に君とずっと一緒に笑ってられると思ってた。

          あなたへの手紙はここに。

          この前、友人に同窓会の写真を見せてもらいました。 「女として結婚したい」そう言ってたあなたに「男性」の面影はなくて、「女性」として楽しそうにスカートを履いて「パートナーの男性」と一緒に映る姿にひっそりと泣いてしまいました。 僕が泣くことはもちろん、「おめでとう」なんてありきたりな言葉を残す資格はないけれど、残させてください。 学生時代の一番の思い出は紛れもなく「あなた」なんだけれど、純粋に祝えなくしてしまったのは僕で、今こうして謝りたいのも僕だけなんだと思います。学校から

          あなたへの手紙はここに。

          これまでとこれから

          3月も半ばを過ぎ、いよいよ4月。 僕にとってこの一年は節目の年でもあり、大切な一年になってくれる予感がしています。 日頃からお世話になっている方々や、仲良くしてもらってる方々へのお礼と報告も兼ねて、これまでとこれからについて書かせていただきました。 少し長いかなとも思いますので、生き急がれてる方いましたら、結論まで飛ばそうなどと考えずにお茶でも飲みながらお読みになってくださいませ。 あらすじふと思い返せば、大阪に来て9年が経った。 中学3年、毎日頭上を物が飛び交う。父

          これまでとこれから

          旅に魅せられて

          僕はヒーローになれなかった。 空も飛べなければ、必殺のパンチを持てたわけでも、人一倍目立った能力ができたわけでもない。相変わらず不器用で、臆病で、少しだけ忘れっぽくて、意地っ張り。 誰かの涙を止める魔法や、誰かを笑顔にさせる魔法が使えるわけでもなくて、隣で苦しんでることにも中々気付いてやれない。 だからこれは、いわゆるハッピーエンドじゃなくて、カッコ良くて泣けるようなものでもない。 ヒーローになれやしなかったけど 守りたいものができたっていう話 ==========

          旅に魅せられて