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運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態を 「ロコモティブシンドローム」=ロコモといいます。

「ロコモ(ロコモティブシンドローム)」とは、骨や関節の病気、筋力の低下、バランス能力の低下によって転倒・骨折しやすくなることで、自立した生活ができなくなり、介護が必要となる危険性が高い状態を指しています。下肢筋力を調べるテストと歩幅を調べるテストによって、ロコモ度を確認することができます。

厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト

難しい言葉が並んでいるので、分かり易く説明しましょう。

周りにいる人をご覧ください。高齢者で、「ヨボヨボな歩き方」「ヨタヨタした動作」をしている人がいるはずです。そんな人がすでにロコモになっている、あるいはなりかけの人です。

要するに、日常の動作がスムーズにできない状態です。それでも歩けるし、買い物にも行けます。会話も問題ないし、認知症でもない。それでも、若い時より動作が鈍い状態です。

医学的には、歩く速度などを数値化することでロコモと診断されます。数字に関してはまた別な機会に紹介します。今日は私なりの言葉で書いてみたいと思います。

私の整体院は、送迎無料なのでご自宅まで車で迎えに行きます。整体院の駐車場から玄関までの数メートルを、ヨタヨタ危なっかしく歩かれます。杖をつくほどでもないけれど、まっすぐ歩けなくて、ヨタヨタされます。後ろから見ていると、こんな状態で道路へ出られると危険だと感じるくらいです。こんな人はすでに、ロコモとして診断されてもおかしくないと思います。しかし本人に自覚がありません。だから聞いてみました。

「動作が遅くなっていることの自覚はあるんですよね?」
「そうね~、遅くなったわね。」
「そろそろ杖をつこうと思わないですか?」
「え~? 私が? 杖を? いや~、まだ大丈夫よ」
「でもそろそろ杖ついた方が安全だと思いますけど?」
「なんで~?」
「いや、なんでって、そう思うんですけど・・・」
「私って、そんなに危なっかしい?」
「はい」
「え~? そんなふうに見られてるの?」
「自覚ないんですか?」
「ないわよ。多少遅くなったとは思うけど、杖はまだいらないわよ~」
「でも、まっすぐ歩けてないですよね?」
「そんなことないわよ」
「え~!?」

この方は、74歳女性です。ご自身ではまだ若いと思っていて、問題ないとも思われています。実はこんな人多いんです。確かに若い時から比べると動作が遅くなったという自覚はあります。でもそれが今何とか対策しなければならないという危機感がないのです。私はそこが一番問題だといつも思います。

また別な人にも同じことを聞いてみたところ、「杖をつくほど老人にはなってない」と言い張ったり、「杖をつくと、お婆さんに見られるのがイヤ」という言葉が返ってきました。

高齢者の中には、デイサービスなどへ行かれる人があります。そこでは「リハビリ」と称して、筋トレをすることがあります。ようするに「筋肉が衰えてきているから、これ以上衰えないように頑張りましょう」ということで、運動するわけです。

そもそもデイサービスに行くということは、日常生活になんらかの支障のある人なわけです。ピンピンと元気な人はデイサービスには行きません。介護認定制度というのがありますから、元気な人が介護保険を使っていくことはできないです。

70歳過ぎてから、ロコモ、あるいはその疑いがあって、リハビリ等で運動しなければならないような人がいっぱいいるわけです。じゃあ、どうして、もっと元気な時から運動して筋肉を鍛えようとしてこなかったのでしょう? 私はここが声を大にして言いたい!

歳取ったら筋肉が衰えてきて、イヤイヤながらも運動させられるんだったら、一日でも早く運動してください。

ピンピンコロリがいいと言うわりに、何もしていない人が多すぎます。例えるなら「宝くじで1億円当たればいいと願いながら、宝くじを買っていないようなもの」です。ピンピンコロリがいいと言いながら、運動しない人はそんなもんだと思います。運動しなければ、ピンピンコロリは無理です。

歳を取ると気力がなくなっていくと言います。その気力がなくなるまでに運動を始めてください。そうしなければ、ロコモと診断され、杖をつき、車いす、あるいは寝たきりへと進んでいきます。そうならないためにも、今日から運動を始めましょう! 何をしたらいいって? 歩きましょう!

サポートしたいと思われるくらいまで頑張って書きますので、今はシェアかコメントをいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。