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酒詩

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日本酒が好きです。詩が好きです。それらを合わせて酒詩を作ります。デタラメを言ってはなんの価値もありませんが、事実すぎては酒が見せる素晴らしい虚構と折り合いがつかない。いつでも事実…
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#詩

酒詩:上喜元 生酛美郷錦ひやおろし

酒詩:上喜元 生酛美郷錦ひやおろし

星の川辺で出会ったあなたと

千年続く文通をする

それにしてもここは谷底で

顔すら見えない夜のお話

ちくちく痒い木々のまわりは

夏以外がよく死んでいて一興

触る腕はまた

触れた脚はまた

いっそう感覚をひりつかせていく

言葉が通じないわたしたちは文通をする

いつでもはじめて使う言葉で

つぶやきのように

慰めのように

水が滴る

銀縁の眼鏡は月

消えた炎は体温も奪う

ずうっ

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日本酒についての雑感

日本酒についての雑感

今日は日本酒について思ってることを書きます。

あまり面白くないかもしれませんが、まあ酒を片手に適当に読んでください。

まず結論から言いましょう。

僕は日本酒の味や質感を表す新しい表現を模索することが日本酒の普及につながると思っています。今回の記事は全体でそれを言うための構成になっています。

しばしお付き合いください。

※※※

日本酒は日用品ではありません。だよね?

「日用品です!」っ

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この翼が我々を導く:澤屋まつもと五百万石

この翼が我々を導く:澤屋まつもと五百万石

酒の旨い夜に出逢えば、誰もがこの夜よ永遠なれという。でも明日は来る日は昇ってしまう。それが我らの重力です。

そう明日から逃げる翼が欲しい。力を制する確かな翼。泡。

この酒の泡と旨さで縛るすべてをほどいてゆく。

ここに、私の舌にありながら遠く彼方を志向する酒。澤屋まつもと。見事なり。乾杯。
#日本酒 #酒詩