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連帯保証人の罠〜保証人より重い3つの縛りとは〜

本日は保証人の違いについて。

お金を借りる、家を借りる、ローンを組むなど、
何か契約をする際、自身がお金を返したり
できなくなった場合に、代わって返済する人を
付けなければいけない場合などがあります。

この代わって保証をしてもらう人には2種類
あります。

「保証人」と「連帯保証人」

この2つです。

お金を借りた人が返済できないなどの不履行
が生じた場合に、代わって返済する責任を持つ
点では同じですが、1つ違いがあります。

それは、「責任の重さ」です。

保証人には認められている権利でも、連帯保証人
には認められていない3つの権利があります。

①催告の抗弁権

債権者(お金を貸した人)が借金の請求をしてき
たとしても、「先に、債務者(借金をした人)に
請求してください」と言うことができる権利の
ことです。

②検索の抗弁権

債権者(お金を貸した人)が借金の請求をしてき
たとしても、「先に、債務者(借金をした人)の
財産を差し押さえてください」と言うことが
できる権利のことです。

③分別の利益

「保証人」が複数人いる場合、その人数で
割った金額についてのみ返済の義務を負う
ことです。
 
 
この3つの権利が連帯保証人にはありません。

ということは、保証人と違って、連帯保証人
として設定されると、何かあった際は全ての
債務の責任を負わなければならないことになり
ます。
 
なお、この3つは民法上に規定されています。

以上、3つの権利がない連帯保証人は
ほとんどお金を借りた人と同様の立場に
なり得る「責任の重さ」があります。

そのため、連帯保証人を引き受ける場合は
慎重に判断をしましょう。

また、この連帯保証人の恐ろしさは「相続」
にあります。

連帯保証人として引き受けている債務は、
万が一の際は相続されてしまいます。
 
 遺族がこの債務を避けるには相続放棄が必要
となります。
 
しかし、相続放棄は相続開始時から3ヶ月以内
に家庭裁判所に申請を行う必要があります。
 
例えば、会社の経営者が連帯保証人をご家族
として設定のうえ融資を受けていた場合など、
残された相続人は債務がどれくらいあるかを
完璧に事前に把握できていますでしょうか。

ご家族が亡くなられて、残されたご家族で
過ごす大切な時間に、3ヶ月以内に手続き
というのはなかなか酷です。

また、そうとも知らず3ヶ月が経過して、
死亡時に莫大な借り入れが判明した時、
どうなりますでしょうか。

さらに、放棄をせずプラスの財産で相殺
できたとしても、残されたご家族に残る
財産はごくわずかで、今後の生活に不安が
残ると言う場合もあります。

もし、ご自身で連帯保証人を設定している
ご契約が何かある場合、3つの権利がない
ということと、ご家族に不利益が被る可能性
があるということを押さえておいてください。

これの対策としては、生命保険なども有効に
活用することが可能です。

ぜひ、万が一の対策をしっかり講じた上で
ご契約などを進めてください。

それでは。 

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