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「サービスデザインの教科書」を読んでみた感想。 part3

こんにちは。長谷川リョウヘイです。
今回は、『「サービスデザインの教科書」を読んでみた感想。』シリーズの第3回になります。第2回はこちら。

前回の最後に、

顧客満足度を提供物への評価と捉えることは、顧客による価値創造や価値共創の機会を失わせ、かえって満足度を低下させる可能性がある。

という記述についての考察を第3回でやりますという告知をしたので、今日はその通り、顧客満足度でサービスの評価をしてはいけないのなら、何と結びつけて評価すればいいのかという考察をしてみます。

顧客との「共創」という観点を忘れてはいけない

著者が、なぜ顧客満足度を提供物の評価と捉えてはいけないと明言しているのでしょうか。それは、「顧客満足度が悪い→満足度を上げるためのニーズや不満を探る」というフローを行いがちになってしまい、顧客の持っているリソースを包含した「関与のデザイン」ができなくなってしまうので、顧客の自己帰属感などが薄まってしまうことで、結果的に満足度の低下に繋がるという解釈ができます。

言い換えれば、顧客満足度は単純な「満足度アンケート」になってしまいがちで、「なぜ満足・不満なのか」が見えなくなるということでしょう。

そこで、サービスへの顧客の満足度を適切に測る方法として、以下のような方法が考えられます。

①サービス全体ではなく、ユーザーのリソース(知識、経験、能力)をベースにした、部分ごとのUX仮説を作成し、それらをユーザーインタビューなどを実施し、満足度を計測。

②満足度が悪い部分について、ユーザーのリソースが活用できていないのではないかという観点から検討し、再度「関与のデザイン」を行う。

このような手順を踏むことで、実際にどの部分のUXがイケていないのかが判明し、ユーザーの関与を前提にしたデザインを行うことが可能になるのではないでしょうか。

①に関しては、「起業の科学」で田所氏が紹介しているような、UXブループリントを扱うことで、部分的なUXや継続的利用によるUXなどのUX戦略を整理することができると思います。

UXブループリントについては、下記URLの「6. Problem-solution Fit 課題に対するソリューションの検討方法(194ページ)」の93ページに実例があるので、参照してみてください。

なかなか顧客満足度をサービスデザイン視点で測るというのは面白い取組みなりそうだと思うので、是非自分の関わるサービスでも行っていきたいと思います。

今回はこれにて!


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